相席屋がプロデュースする ある店舗が続々とオープンしているらしい。その名も『THE SINGLE(ザ・シングル)』。ホームページに目を通した時点では、「1対1の相席屋」と私は認識していた。
しかし、実際に足を運んでみたところ、相席屋とは似て異なるモノであり、出会いにガチすぎる場所だったのだ。今回の記事ではTHE SINGLEでの体験録に加え、責任者の方に話を聞くことができたので、婚活中の皆様は参考にして欲しい。
・会員登録が必要
さっそく、店舗に突撃……といきたいところだが、ザ・シングルは完全会員制であり、会員登録と予約が必要なので注意して欲しい。スマホからポチポチと5分ほどで登録。
身分証の写真も送らないといけないあたり、足を運ぶ前からガチ感が漂っている。相席屋に比べてルールやシステムも細かく、フリーダムな出会いに慣れている私にとって窮屈ではなかろうか……。そんな予感もしていた。
──そして時は経ち予約当日、私が足を運んだのは、11月6日にオープンしたばかりのザ・シングル池袋東口店。サンシャイン通りから細道に曲がると、そこには見慣れない看板がたたずんでいた。
不安と期待が入り混じりつつも、エレベーターで5階にあるザ・シングルへ。扉が開くと目の前が受付になっており、店内は薄暗い照明でバーのような雰囲気だ。コロナ禍ということもあり、消毒と検温からのお出迎えである。
その後、スタッフから提示されたバーコードを読み取れば受付は完了。バーコードからアクセスできる専用ページにて、ドリンクの注文を行うようだ。また、相席になる前と席替え時には、ザ・シングル特有のアイテムとも言える連絡先を交換するためのカードが渡される。
相席したときに交換しちゃうから必要ないぜ~!
とも思ったのだが、ザ・シングルにおいて、自分で連絡先を聞くのはルール違反のようだ。連絡先の交換については店舗スタッフが代行しており、気に入った相手には相席後にカードを渡して貰うシステムになっている。
さらに、相席後には相手のマナーを評価するガチなシステムが採用されており、低評価が複数回続くと入店できなくなるらしい。男性目線で言えば、ずっとスマホをいじって相手を無視するなど態度が悪い女性にはペナルティを課せられるわけだ。そんな女性に当たらないことを祈る。
・いきなりの相席
受付が終わったのち、すぐに相席ができるということで店舗スタッフに個室の部屋へと誘導される。
道中、今までの経験則から、どのような女性と相席になるか予想をしていた。出会いに対して真剣な女性が多いだろうから、34歳の私と同年代の女性では? と考えていたのだが、入室してみると……
マスク越しからでもフレッシュ感が溢れ出している20代前半と思わしき女性が待っていた……。意表をつかれて少し戸惑ったものの、やぶさかではない。
なお、席には飛散防止用のアクリルボードが置いてあり、コロナ禍というタイミングでもあるため、お互いにマスクを着用しての対面となった。
話をしてみると、ほぼ予想通りの年齢で、1年くらい彼氏がいないらしい。お酒を飲む際にマスクからチラ見えするお顔も、小動物を思わせる雰囲気で可愛い。ここまで不満などない。だがしかし、私の脳裏では何度も体験した苦い思い出がフラッシュバックしていた。
……タダ飯かっ!
と勘ぐったものの、フードメニューは、一切置いていないらしい。タダ飯女子はお断り、と言わんばかりのガチシステムだ。すなわち恋愛しに来てる!? 私のテンションは早くも最高潮に達しており、趣味の話、好きな男性のタイプなどの話で盛り上がっていた。今日は この女性だけで良いかもしれないと思っていた矢先……
スタッフ「お時間なので、女性の方席替えになります」
そう告げられると、女性は私の元を去っていった。相席屋では自分のさじ加減で時間を決めることができるが、ザ・シングルでは20分と決められており、延長も短縮もできないのだ。もっと話をしたいなら、連絡先交換カードに運命を託すしかないのである。
当然、私は秒速でLINEのIDを記載してスタッフに託した。ちなみに、女性側もカードを所有しているので、スタッフが相手のカードを持ってこない場合は「フラれた」ことになる。数分後……戻ってきたスタッフの手には、女性のカードが握られていた。
素直に嬉しい\(^o^)/
そして、どこか懐かしい感覚である。学生時代、片思いのクラスメートに気持ちを伝えることができず、友人の力を借りて、やっとメアドを交換することができた、そんな過去を思い出してしまった。
さて、私の思い出より料金のほうが気になっている男性が多いと思うので、このタイミングで述べておこう。20分の相席、つまり1人との相席で2000円(税抜)である。相席時間の延長や短縮が出来ないから、この料金が変わることはない。アルコールを含めたドリンクも飲み放題だ。
・待ち時間に飲みまくる
私は次なる女性を待っていた。少し待ち時間があるのは、相席屋に長らく通っている私からしたら当然のことだと思っている。なお、待っている間に料金が発生することもなく、ドリンク飲み放題だ。
ビールうまっ……
気づけば、私はビールを飲みまくっていた。この時点で、仕事ということを忘れて純粋に楽しんでしまっていたのである。危うく記事がお蔵入りになる寸前のところで、次の女性がやってきて2回目の相席がスタートしたのであった。
・合計3人と相席
2回目の相席を皮切りに、3人目の女性とも相席をしたわけだが、詳細は割愛させていただく。どのような女性と相席になり、どのような結果になったのかだけ、お伝えしたいと思う。
【2人目】
30代中盤の女性で、買い物をした後にフラッと立ち寄ったとのこと。結果としては、連絡先の交換に成功しており、後日食事に行く約束をしている。
【3人目】
大学生。話は盛り上がっており、良い印象で相席終了……したかに思えたが、連絡先カードが私の手元に届くこともなく、一方通行に終わってしまった。
まとめると、3人と相席をして2人の女性と連絡先を交換することができた。交換に成功した2人は彼氏もいないということなので、今後の展開に期待をしつつ今もLINEを続けているぞ! 出会いにガチなシステムを採用してる分、今後に繋がりやすい女性が多いのだろうか。これからの結果次第だが、現状では満足している。
・責任者の方に色々と聞いてみた
このままでは、私が楽しんでいるだけの記事になってしまいそうだったので、責任者の方にコロナの影響や女性にモテるコツまでお話を聞かせてもらうことに。今回、応じてくださったのは、ザ・シングルの業態責任者である長谷部さん。
──先月、今月と立て続けにオープンされてるみたいですが、お客様の足並みなど、コロナの影響はないんですか?
「多少はありますが、ザ・シングル全体として大きな影響はないですね。一対一での相席ですし、席も個室しかありませんので、密を避けるという部分で足を運びやすいのではないかと思っています。
また、入店前には検温をさせていただくんですが、体温も会員情報として記録させてもらうなど、コロナ対策を徹底していることも安心していただける要因なのではないかと」
──コロナ禍では気を使うことが多いと思いますが、今後の展望などは考えてらっしゃいますか?
「より安心してご利用いただけるように、非接触という観点から、連絡先交換と相互評価もアプリで完結できるようにしていくつもりです」
──安心という意味ではオンラインでの婚活も流行ってると思いますがマッチングアプリがライバルでしょうか?
「いえ、ライバルという訳では(笑) マッチングアプリの場合、会ってみたら写真と違っていたり、食事に行ったら2時間は拘束されたりと、デメリットもあると思います。
ですが、ザ・シングルではマッチングアプリの嫌な部分を排除しておりまして、対面してから20分で白黒付けられるシステムになっています」
──なるほど。個人的には相席中に連絡先を交換してしまえたらなぁ……と思ったんですが(笑)
「ヒラジさんはそうかもしれませんが、連絡先を交換するタイミングが分からない男性も多いですし、女性の場合だと、対面で連絡先の交換をお願いされたら その気がなくても断りにくいんです。その部分を店舗で代行することで、余計な心配をせずに相席に集中して欲しいなと思っています」
た、確かに……。個人的には、別に自分で交換できるし~! などと思っていたが、女性側の気持ちをあまり考えていなかった。今日も1人にフラれているしな。話を聞いてみると、男女共に優しいシステムであった。
──最後に、女性との相席を成功させるために必要なことを教えてください!
「女性の声をたくさん聞いているので、ハッキリと言えます。まず紳士的で優しいこと。そして清潔感があることですね。とくに匂いのケアや、髪型のセットは重要です。あとは、女性にだけではなく、スタッフにも優しく出来る方は好印象を持たれますよ」
どうやら、イケメンであったり、軽快なトークが重要なのではなく、まずは最低限のスタート地点に立つための準備や心構えが、相席を成功させるために必要なようだ。足を運ぶ際には意識してみて欲しい。
・相席屋との使い分け
相席屋よりもガチ寄りな出会いを提供してくれそうな、ザ・シングル。真剣にパートナーを探したい方や、奥手な男性にはピッタリかもしれない。逆に、大勢でワイワイしたい場合や、女性に対して積極的な方なら相席屋という選択肢でも良いだろう。
私はと言うと……どちらも利用しつつ、引き続き運命の女性を探していこうと思う。現場からは以上です。
協力: THE SINGLE(ザ・シングル) 池袋東口店
Report:hirazi(ひらじ)
Photo:RocketNews24.