本来であれば、もっと早くこの商品についてお伝えしたかった。というのも、『霜ばしら』(1缶2160円)は繊細な飴菓子で衝撃・熱・湿気に弱いため、10月~4月末までの季節限定販売で間もなく今季の製造が終了するのだ。
実物を見ると、職人の手作りなだけに芸術作品のような細やかさがある。そして口に入れると、今まで食べたことのない軽い口どけ。オラ(佐藤)、こんな飴食ったことねえぞ!
・季節商品『霜ばしら』
この商品を知るきっかけになったのは、私のLINEオープンチャットだ。取り寄せグルメのオススメをチャット参加者の皆さんに尋ねたところ、宮城県仙台市の「九重本舗 玉澤」の銘菓・霜ばしらを教えてもらった。
通販サイトを見たら4月末までの製造とある。これは急がないと今季を逃してしまう! ということで、取り急ぎ注文した。手作りのため発送に時間がかかるとのことで、到着したのは11日後だった。
販売時期を逃すまいと急いで注文したのは良いのだが、その実、商品のことを知らない。手元にくればわかるだろう。そんな風に思いながら頼んではみたものの、一体どんな菓子なのだろうか?
包装はかなり厳重で外装を取って中箱から取り出すと、空色の缶に『霜ばしら』と記されている。その見た目から、飴菓子であることは想像しにくかった。ちっちゃなお茶の缶にも見えなくない。この中に本当に飴が入っているのか?
・白い粉!?
さらに缶のフタを開けて、中ブタを取ると、粉? 何コレ!?
添えられた注意書きには次のようにある。
「『霜ばしら』は、湿気・衝撃・熱に弱い性質の飴ですので、防湿と破損防止のため缶の中に白い粉(餅米を原料としたらくがん粉)を充填しております」
なんと! このなかに飴があるのか!! 本来は上ブタにらくがん粉を移しつつ霜ばしらをつまみ出すそうなのだが、幸い頭の出ているモノがあったので慎重につまみ出してみた。こ、これが飴!?
遠い宇宙の彼方。名もなき砂の星の地平に、突如現れるモノリス(一枚岩)のようじゃないか……。なんて神秘的なんだ。
いまだかつて、これほど美しく繊細な造形の飴を私は見たことがない。すでに食べるのが惜しい。
とはいえ、手で持っていると溶けてしまう恐れがあるので、慌てて口に放り込んだ。すると……口のなかで飴の繊維が静かにほどけて溶けていくのがわかる。柔らかく上品な甘さを口のなかに残して、本当に消え去ってしまった。
「甘味のささやき」とでも言いましょうか、まるで舌の上を撫でるようにして、甘さのそよ風が吹き抜けていきました。なるほど! こんなにも繊細なのだから、暖かい時期に作るのが難しいのも頷ける。
なお、私が購入したサイト「仙台名店ドットコム」に販売終了時期について尋ねたところ、ゴールデンウィーク期間も販売予約を受け付ける見込みとのこと。購入したいという人は、ホームページで販売の有無を確認した上で尋ねることをオススメする。
参照元:仙台名店ドットコム
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24