「週刊ヤングマガジン」で連載されている漫画『1日外出録ハンチョウ』。人気漫画『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ作品だ。個人的には本家カイジを超えるくらい面白いと思っているのだが、実は今週の『ハンチョウ』でちょっとした珍事が起きた。
この漫画についてはネタバレもクソもないと思うので書いてしまうと、メインキャラの一人・沼川が15年ほど前に聴いた “メロディーしか分からない洋楽” を鼻歌で歌い、その動画を実際に公開(!?)して読者から情報を募ったところ、何と曲名が判明したのである。何やそれ!
・今週のヤンマガにて
きっと多くの人が混乱していると思うので、もう少し詳しくご説明しよう。2019年6月17日発売のヤンマガ29号に掲載された『1日外出録ハンチョウ』の第51話は、沼川が過去に友人宅で聴いた とある洋楽が話のカギとなる。一応、以下はネタバレ注意で頼むぞ。
・洋楽を鼻歌で
沼川曰く、その曲のメロディーは覚えているのに、タイトルも歌詞もまったく分からないという。ある……! 確かにある……!! そういうことっ……! そこで主役の班長・大槻は、沼川にそのメロディーを鼻歌で歌わせ、それが何の曲かを当てようとするのだが……。
「テテテンテン テンテンテン テーン♪ テテテンテン テンテンテン テーン♪
テッ……テーー♪ テーンテーン♪ テンテテンテン♪ チャッ チャッ チャッ チャッ
テーン♪ テーン♪ テーン♪ テーン♪ テンテテンテンテン♪ テンテテンテン♪」
かなりフルめで歌わされるも、結局最後まで曲名は分からずに話は終わってしまう。だがここで、まさかの事態が! なんと最後のページにQRコードが載っており、そこから飛んだ先の動画でこの鼻歌を配信しているというのだ。は? まったく意味が分からないため試してみたところ……。
男が鼻歌を歌う謎の音声が再生された。
・誰やねん
まったく意味が分からず混乱したが、講談社の漫画アプリ「コミックDAYS」に掲載された編集部ブログによると、実はこういうことらしい。
沼川が鼻歌で歌った洋楽は実際に存在する曲で、『ハンチョウ』の担当編集者が「高校時代に友達の家で聞いたっきり、メロディだけは覚えているが何の曲かわからないまま20年近くが経過してしまった」ものだという。つまり、動画の声の主は担当編集者だったというわけだ。何やそれ!
・前代未聞
同作は、これが何の曲か分かった人はツイートしてくれと読者に協力を要請。こうして、編集者の探し物を登場キャラの探し物として解決をもくろむという前代未聞の企画が実施されることに。
しかし、さすがはヤンマガが誇る人気漫画『1日外出録ハンチョウ』。その甲斐あって……。
判明……!
鼻歌の正体……!!
・ネットの力
昨日6月18日、「コミックDAYS」の公式Twitterがツイートを投稿。読者から寄せられた情報により、この曲がスウェーデン出身のバンド「Mando Diao(マンドゥ・ディアオ)」が2002年にリリースした『ザ・バンド』であることが明らかになったのだ。編集者の鼻歌で曲名が分かるって……ネットの力すげェェェェェエエエエ!
ちなみにこのマンドゥ・ディアオ、当時日本でも非常に人気があったバンドで、アラサーの洋楽ファンにとっては何とも懐かしい存在である。おそらくこの担当編集者と現在33歳の私(あひるねこ)は同年代であろう。
・圧倒的感謝
こんな無茶苦茶な企画が成立してしまうのは『ハンチョウ』ならではだが、今回もっとも驚いたのは、マジで曲名が分かってしまった担当編集者本人かもしれない。大槻に散々歌わされた沼川の苦労も報われ、読者としてはまさに地下から解放された思いである。
参照元:コミックDAYS
執筆:あひるねこ
ScreenShot:YouTube
▼判明……! 鼻歌の正体……!!
https://twitter.com/comicdays_team/status/1140902315244679169