ロケットニュース24

【実践】10万円で買えるかな? 人生で初めて高級時計ブランド「ロレックス」へ買いものに行く

2019年5月27日

佐藤英典45歳。認めたくないが、もう人生の半分は終了していると言っても間違えていないだろう。大人になってお金が稼げるようになったら、いくつか手に入れてみたいものがあった。1つ目は毎年海外旅行に行く生活、2つ目はスタジオのある持ち家。3つ目はいい腕時計を持つ、だ。

最初の2つはいまだ果たされることがなく、この先も叶うか微妙なところ。夢として胸にしまっておくつもりだ。最後の1つはもう叶えられる! ということで、高級時計の代名詞「ロレックス」を買いに行くことにした! とりあえず、10万握り締めて伊勢丹新宿店に突撃したぞ! なお、この物語は2度始まる……。

・ロレックスを買いに伊勢丹新宿店へ

という訳で早速GO! 出がけに当編集部の原田が、「10万でロレックス買えるんスかねえ?」と言うのを聞かず、私は「俺クラスになると10万で釣りがくる」と言って、編集部を後にした。


伊勢丹新宿店は、編集部から徒歩5分。ほぼ毎日、この建物の前を通って出勤しているので、迷うことなど1ミリもない。


あえて正面玄関から中に入り、1階の化粧品・アクセサリー・婦人雑貨のフロアを素通り。ここには用はない! とばかりにエスカレーターを上へとのぼる。


そして4階、ジュエリー・ウォッチのコーナーへ直行! フロアの案内を見ると、最奥にロレックスがある。隣はオメガ・逆隣はフランク・ミューラー。向かいにタグ・ホイヤー。そのほかパテックフィリップ、カルティエ、ウブロ、ゼニス、IWCなどなど。


我が人生にまったく接点のなかった名だたるブランドたち。まさかこのフロアに、自分が買い物をする気満々で足を運ぶ日が来るとは。思い起こせば10年前、この伊勢丹の真向かいにある交番前で当サイトを取り仕切るYoshioに出会った。あれがすべての始まりだった。あの時は本当の本当に貧乏だったんじゃあ~……。メシを食うのもやっとで。

まさかロレックス買う気になる日が10年後に来るなんて、あの時、思わんかったぞ~!


・10万円で買えますか?

思い出話をもう少し続けたいが、歳をとると涙腺が緩くなって、この場でさめざめと泣きそうだからやめよう。早速ロレックスのコーナーに入る。瞬時に値札に目を配る。時計を見にきたというよりも、値札を見に来たといった方がふさわしい挙動だった。

う~ん、想像よりもお高いですわね。桁が違うと言いますか、次元が違うと言いますか。たぶん、入門編みたいな製品もあると思うので、店員に尋ねた。




佐藤
「初めて来ました。あの。10万円くらいで買えるものはありますか?」


店員「10万円ですか~……」

店員はほんの一瞬、考えを巡らせたように見えた。本当にほんの一瞬だ。時間にして1秒、いや、0.1秒かも……。そして




店員
「もっとも安いものでも50万円からですねえ」


な…………。


私は、マーベル映画『ドクター・ストレンジ』で、心(魂?)だけが飛び出す魔術をかけられた人みたいに、現実逃避してしまったようだった。自分と店員のやり取りを俯瞰(ふかん)して見ているような錯覚に陥っていた


…………そうか、そうなのか……。それがロレックスの世界(相場)なのか…………

…………知らなかった。新しい腕時計は諦めるべきなのか…………


・腕時計買ってきた!

それから2時間を経て、私は事務所に戻ってきた。


時計を手に入れて……。



時計買ってきたぜ! いかついヤツ!!


45歳、脂ののりまくったアラフィフ漢(おとこ)にふさわしい逸品!


\ \ CASIO(カシオ)/ /


ビックカメラで1590円、さらにポイント10パーセント還元、マジかよ! こんなん買ってまうやろッ!!


……………………


…………………


………………


……………


………


って、喜んでる場合か……。「10万でロレックス買う」と大見得を切って伊勢丹に乗り込み、まさか手ぶらで帰る訳にはいかない。


10万では買えないとわかるや否や、すぐさまビックカメラに駆け込んだ。だが、この話をどう落ち着けるか、まったく頭に浮かんでこない。小一時間悩んだ挙句、「そうだ! カシオのそれっぽい腕時計を買って帰ればいいしょッ!!」と思い、この時計を購入するに至ったのである。


わかるぞ、わかる。皆さんの言いたいこと!


あ~、ヘタこいた~~~……。


でも!


でも! でも! でも! でも!


これで終わりじゃないゾ!


かたわらに置いていた茶色の箱にお気づきだろうか。


取り出だしたるはGUCCIの箱である。G・U・C・C・I、グッチだッ!


世界的なファッションブランドのあのグッチだよ、グッチ! わかるだろ、グッチ!!


小さい弁当箱くらいのサイズの箱なのに、パカッ! って開くんだよこの箱。婚活女子が夢見るあのパカッ! って開く箱と同じように開けられるんだぞ、この弁当箱みたいなの。すごいだろ!


え~、この度、私が購入しましたのは、GUCCIの「Gメトロ クロノグラフ」のブラックでございます。


購入金額は11万5344円!



「どうせ経費で済ませるだろ」と思われるとアレだったので、レシートではなく個人名で領収書をもらった。しかも本名(山科)ではなく、あえての佐藤英典で! 消費税だけで8544円。先のカシオが5本も買えてしまうじゃないか。マジかよ、俺……。


という訳で、ロレックスではないけど、大人の漢が大人の腕時計を買っちゃったゼ!


似合うやん! 私にめっちゃ似合うやん!! ええやん!


ということで、10万円でロレックスの新品を買おうなんて、浅はかな発想から始まった腕時計購入は、私自身が1番驚く結果を迎えた。この時計をこれから長く使って行きたいと思う。できれば、この先の人生、共に時を刻んでいくつもりだ。じゃあ、また会おうな! バイビー!!

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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▼作業中もグッチ!


▼うん? 今何時だ?


▼たばこ吸ってもグッチ!


▼おっと、今何時だ?


▼食事中もグッチ!


▼やべえ、今何時?


▼おやつ食ってもグッチ!


▼ところで今何時?

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