ロケットニュース24

無料Wi-Fiの利用規約に「1000時間の地域奉仕」をこっそり盛り込む → 2万2000人が利用規約を読まずに同意!

2017年7月15日

みなさんは、無料Wi-Fiを使用する際、利用規約をきちんと読んでいるだろうか? おそらく多くの人が利用規約を読まずに「同意する」ボタンをクリックしていることだろう。それを証明する実験がこのたび行われ、話題になっている。

英国Wi-Fiプロバイダー「Purple」は、無料Wi-Fiの利用規約に「1000時間の地域奉仕をする」という条項をこっそり盛り込んだ。しかし、2万2000人が利用規約をしっかり読まず、1000時間の地域奉仕に同意してしまったのだ!

・“地域奉仕” の驚愕の内容

Purpleが無料Wi-Fiの利用規約に盛り込んだ地域奉仕の条項は、以下の通りである。

「Purpleの随意で、利用者は1000時間の地域奉仕を行うことを求められることがあります。地域奉仕とは以下のものを指します。地元の公園で動物の排泄物を除去する。野良猫や野良犬にハグする。下水道に詰まっているものを手で取り除く。地元のフェスティバルやイベントの仮設トイレを掃除する。カタツムリの存在を際立たせるために、カタツムリの殻に色をつける。道についたチューイングガムを取り除く」

この実験は2週間に渡って行われたのだが、地域奉仕の条項に気づいたのはたったの1人だった。

・実験の意図は?

Purpleが今回の実験を行った理由としては、2018年5月施行予定の「EU一般データ保護規則(GDPR)」への賛同がある。このGDPRが施行されると、マーケティングのためにユーザーの個人データを使う際、ユーザーから “はっきりとした同意” をとらなければならなくなる。

そうした仕組みの変更に、Purpleは賛同を示すだけではなく、「2018年ではなく、ただちに施行すべき」とプレスリリースにおいて主張している。また、CEOガビン・ウィールドンさんは、今回の実験について以下のようなことを語っている。

「Wi-Fiユーザーは、ネットアクセスのために登録する際、利用規約を読まなければいけません。何に同意するのか、どのくらいのデータを共有するのか、プロバイダーにどんな許可を与えるのか。私たちの実験は、不公平な内容に対するチェック項目にチェックを入れ、同意することがいかに容易なことかを示しています」

ほとんどの人が利用規約を読まないという問題を、見事に浮き彫りにした今回の実験。これを機に、利用規約は全てきっちりと読んでいくべき……と言いたいところだが、何か登録するたびに利用規約を隅々まで読んでいたら、莫大な時間がかかってしまう。

何かいい解決策はないものだろうか。

参照元:PR Newswire, CNET
執筆:田代大一朗
Photo:Rocketnews24.

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