ロケットニュース24

日本の会議は永遠と思えるくらい長い! 外国人7名に聞いてみた「日本の職場のいいところ・悪いところ」

2015年11月2日

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グローバル化が進み、日本のいろんな職場で外国人労働者が増える昨今。「自分の職場にも外国人がいるよ」という方も少なからずいるのではないだろうか。

外国ならではの仕事に対する考え、ひいては家族に対する考えなど彼らと同じ職場で働くことで学べることは多い。それでは逆に彼らは、日本で働くことについてどう思っているのだろうか?

外国人が日本の職場の何に感銘を受け、何に不満を抱いているのかを知るため、日本で働いているまたは働いたことのある外国人計7名に「日本の職場のいいところ・悪いところ」を聞いてみた。以下がその結果である。

【No.1】20代ドイツ女性

やっていた仕事:スキーリゾートにあるレストランのホール

働いていた期間:4カ月

悪いところ:やらなければならない仕事の量に対して多すぎるぐらいの従業員がいて、びっくりしました。そしてそのほとんどの人が忙しいフリをしていました。また日本人はなんでもラップするのが好きで、プラスチックの容器の中にラップを敷いて、そこに食品を置き、蓋をしているのを見た時は正直目を疑いました。

良いところ:私の同僚と上司は本当にフレンドリーで、私の日本語が全然ダメにもかかわらず、いろんなことを説明しようと頑張ってくれました。彼らのおかげで、私は彼らのチームの一員であることを強く感じていました。

【No.2】30代アメリカ男性

やっていた仕事:アニメ会社のプロデューサーとコンサルタント

働いていた期間:3年

悪いところ:私が働いた日本の会社では部署間での異動が多く、自分が得意とする仕事をずっとやり続けるということは不可能でした。仕事に慣れたころに新しい部署に飛ばされるという感じです。

また労働時間も長く、ほとんど毎日朝9時から夜8時まで働いていました。つまり1週間のうち5日間は、1日11時間働いていたということです。そしてさらにそのほとんどの時間が、忙しいフリをすることに費やしていたのですから、本当にフラストレーションが溜まりました。

会議も異常なくらいたくさんある上に、永遠と思えるぐらい終わるまで長かったです。

良いところ:日本の職場は新しく加わる仲間をとても温かく迎えてくれます。小さな歓迎会があり、その中でいろいろと声をかけてくれて、彼らのチームの一員になった気持ちになれます。

上で述べた部署間での異動にはいい面もあり、嫌いな仕事をずっとしなければいけないことはなく、どの仕事が自分に向いているのかを知ることができます。それから祝日が多かったのもよかったですね。

【No.3】50代アメリカ女性

やっていた仕事:常勤の大学講師

働いていた期間:4年

悪いところ:毎年昇給があると約束されていたにもかかわらず、一度も昇給はなく、他の日本人講師ほど給料はもらえませんでした。また何の手当も一度ももらえませんでした。毎朝、他の人たちが来る前の朝7時に出勤し仕事をしていたのですが、それは評価されず、定時より遅く働いた時のみ評価されたのを覚えています。

後になって気づいたのですが、昇給されなかった理由は、どうやら私に3年か4年で辞めてほしかったからみたいです。そうすることで、新人レベルの給料でまた他の人を雇えるからです。次に雇われた講師は3年経った時に法廷で争い勝利し、最後には終身在職権を得たようです。

良いところ:職場のなかで唯一私だけが外国人で、夏休みに本国に長期的に帰るなど普通の日本人にはないような特権が私にはありました。また働いていた英文学科の人たちは私に日本語だけを使ってくれて、私の日本語上達をすごくサポートしてくれました。

【No.4】20代アメリカ女性

やっていた仕事:英会話学校の秘書と講師

働いていた期間:5年

悪いところ:私が働いていた企業はブラック企業でした。例えば、新人は研修期間中に給料が払われていませんでした。また日本人の秘書は祝日の他に、年に10日間有給休暇をもらっていたのですが、外国人講師は有給休暇をもらえていませんでした。秘書と講師の両方の仕事をやっていたにもかかわらず、外国人という理由で、私も有給休暇はもらえませんでした。

それから育児休暇は5日間しかなく、産後の一週間の入院ももちろんカバーできませんでした。産科医に診てもらうために休みをとるなんてもってのほか。外国人スタッフは他の日本人スタッフと同様に働いていたのに、上司は年金や健康保険のためのお金を一切出してくれませんでした。

従業員たちは労働局に3回ほどこの状況を知らせたのですが、労働局は介入してくれませんでした。結果的に密告した従業員たちは見つかり、無理やり辞めさせられたり、違法的な方法で解雇されたりしていました。

また1週間に1度行われる会議には必ず出席する必要があったのですが、ほとんどの場合終着点が見つからず、終わるまでものすごく時間がかかります。

良いところ:他の秘書や講師よりいい給料をもらい、時によっては彼らよりサービス残業時間が短かったです。また上限に達するまで、毎年きちんとした昇給がありました。祝日の休みが結構あったのもよかったですね。私自身、同僚や仕事が好きで、働いていた時に貴重な技術をたくさん学んだ気がします。それから上司と同僚は新人を温かく迎え、研修のサポートをしっかりやっていましたね。

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Report:田代大一朗
photo:RocketNews24.

日本の会議は永遠と思えるくらい長い! 外国人7名に聞いてみた「日本の職場のいいところ・悪いところ」(後半)

【No.5】30代アメリカ女性

やっていた仕事:出版会社のライターと編集者

働いていた期間:3年

悪いところ:外国人の意見は日本人の意見と比べると、軽んじられていたように感じます。その意見の対象が英語の教科書だとしてもです。同様に、英語の正確さや異文化への配慮より、消費者の欲しているものを提供することに重きが置かれていました。

また体裁がすごく大事にされていましたね。やるべき仕事がすべて終わっていようが、定時に帰ると嫌な顔されます。日本語の長い会議にも、顔を出すためだけに出席しなければいけませんでした。

他には従業員たちが不適切な仕事を任されることもよくありました。例えば英語を話せない人が英語のレッスン資料を作ったり、SNSを使っていない人がSNS戦略を考えたりです。

良いところ:職場のみんなはすごく協力的でした。お互いに仕事に関してのフィードバックをたくさんやり合ってましたし、多くのチーム会議や話し合いを通してプロジェクトを進めることができました。

また健康問題での休暇は全く問題ありませんでした。「病気でも職場に行かなきゃ!」というようなプレッシャーはなかったですね。

【No.6】30代イギリス男性

やっていた仕事:たくさんの中学校でのALT(外国語指導補助)

働いていた期間:5年

悪いところ:ALTの日本での英語指導に関する体験談はいろいろとありますが、私を一番驚かせたのは自分が教える教科に対して情熱や技術のない先生がたくさんいたことです。例えば絵が下手な美術の先生や、とても基本的な英語の文章が分からずALTを恐れている英語教師などは、私にとってただただおかしく見えます。

きっとそういった先生たちは基礎レベルの子どもたちだけを教えていたんでしょう。しかし私が本当に心配しているのは、実際にはきちんと英語を話せる先生たちが、英語ではなく社会や数学を教えている現状です。日本の英語教育が会話ではなくテストを重視している事実を鑑みると、これは致し方ないことなのかもしれませんね。

良いところ:一部の人はよくないものとして捉えているかもしれませんが、日本の先生たちの生徒に対する献身さには本当に感服しています。部活の朝練のため朝7時に出勤し、一日授業をする。そして放課後にまた部活の指導をする(場合によっては土曜日も部活指導)。そして部活の後に職員室に戻り、夜8時か9時まで働く。

こんな先生、私の母国イギリスで見つけることはほぼ不可能でしょう。これは日本の中学校教師では当たり前なことなのかもしれませんが、私には到底できないことです。

【No.7】20代アメリカ女性

やっていた仕事:大きな中学校でのALT

働いていた期間:2年

悪いところ:ひとつの学校でずっと働き、私の日本語が流暢だったのにもかかわらず、チームの一員だと感じたことは一度もありません。校長先生も教頭先生もとてもフレンドリーだったのですが、私をどう扱ったらいいのか分からないようでした。

今思い返すと、学校のすべての行事に参加したり、毎日子どもたちと昼食を食べたり、他の先生と同様に研修会に出席したりしていたのに、彼らは私をチームの一員というよりは「ゲスト」として認識していたように感じます。

良いところ:教え方がそれぞれ違う7人の英語の先生と一緒に働いたのは楽しかったです。重要なことは、なんでも進んでする気持ちと柔軟性を持つこと。また私は他の学科の先生たちと仲良くなる努力もし、多くの友人も作りました。時には食事に出かけたり、一緒にサッカーの試合を観たりしました。

……以上である。いかがだっただろうか? 実に興味深い意見ばかりである。こうやって見ると、多くの外国人が「新しいメンバーに対しての温かい歓迎」に感銘を受け、「日本の長すぎる会議」に不満を抱いているようだ。

やはりこういうことは実際に聞いてみないと分からない。みなさんも日本で働いている外国人が身の回りにいるなら、一度腹を割って日本の職場についてどう思っているのか話し合ってみるといい。きっとあなたも気づかない素敵な発見をもたらしてくれることだろう。

Report:田代大一朗
photo:RocketNews24.

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