日本の電車は正確。日本のサービスは細かいところまで行き届いて素晴らしい。海外の人々が日本文化を褒めたたえているのを、一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。それでは逆に、日本人が思う外国文化の良いところとは何なのだろうか?
ということで、海外渡航経験のある日本人5名に「今までにあなたが実際に体験した、もしくは目撃した外国文化のいいところは何ですか?」という質問をぶつけてみた。すると様々な異文化体験談がドンドン集まり、非常にタメになる結果となったので、ぜひともみなさんに紹介したい。
以下が彼らが実体験した外国文化の素晴らしいところである。どうぞ!
■エントリーNo1:男性(20代)
・トルコ
トルコでは恋人、または配偶者のことを「Hayatim ハヤトゥム」と呼ぶ習慣があり、その意味はなんと「私の人生」もしくは「私の命」(英語だとMy Life)! 好きな相手のことを生涯かけてそんなふうに呼び続けるなんて、ロマンチック♪ 子どもができると相手のことを「お父さん、お母さん」や「パパ、ママ」と呼ぶ日本の文化とまた違っていて、とても興味深いです。
・ドイツ
ドイツには日本のような小さなカゴの中に猫や犬を入れて展示するペットショップは皆無で、新しく猫や犬を飼いたい場合は、広いスペースできちんと猫・犬を育てるブリーダーのところか、捨てられたペットが集められる保健所に行きます。
知り合いのドイツ人が日本のペットショップを見て、「こんな狭いところに動物をずっと入れておくなんて、かわいそう……」と嘆いていました。ドイツ人の動物を大事に思う文化・国民意識は見習うべきところが多いと思います。
・中国
私がアメリカに留学していた頃に出会った中国人留学生たちは、みんな「自分の好きな漢詩」というものを持っていて、互いにそれを披露し鑑賞し合っていたのはすごくいい文化だと思いました。漢詩をたくさん知っているのは、自分の教養を示すひとつのツールらしく、みんな本当にたくさんの漢詩を知っていました。
私は日本の俳句や和歌について詳しくなく、「好きな俳句とか和歌とか聞かれたらどうしよう」とひとりテーブルの片隅でそわそわしていたのを今でも覚えています(笑)
■エントリーNo2:女性(30代)
・アメリカ
やはりレディーファスト。日本だと飲み会などで男女が揃うと、お酒を注ぐのもお皿に料理を取るのも、ナプキンを配るのも、女性がしないと格好がつかない感がありますが、やはりアメリカ(おそらく欧米諸国一般)だと、そういうことは全部男性の役目。女性はただサービスされるのを待っていればよいので、いいなって思います。
あと、重い荷物を持って階段を上り下りしていたら、見知らぬ他人でもすぐに助けてくれるし、エレベーターの乗り降りも「先にどうぞ」と促してくれるし、ドアの開け閉めもしてくれるのは女性としては嬉しいことです。日本では、そういうことをされたことがほぼ皆無なのが残念だな……って思います。
・イタリア
観光が大きな収入源となっているローマでは、観光客のために道に大量のペットボトルの山が積んでいて、勝手に何本でも取って行って良いので嬉しかったです。
・ギリシャ
ギリシャの島々では、フェリーで着くたびに宿の呼び込みがいて、写真を見て気に入ったところと値段交渉したら、車でホテルまで連れて行ってくれます。宿を歩いて探す必要がなかったので便利でした。
■エントリーNo3:男性(30代)
・オランダ
オランダの人は大の倹約化で、見方によっては「ケチ」にも見えるほどですが、なんと節約してためたお金を寄付するそうです。日本では寄付の美学というか、文化が薄いので、この話にはカルチャーショックを受けました。一見すると「ケチ」ですが、なかなか真似できない素晴らしい文化だと思います。
■エントリーNo4:男性(20代)
・イギリス
イギリスに5年間住んでいて感じたのは、なんでも議論が盛んだということ。若い学生ですら、移民問題や差別問題、LGBTなどのトピックに自分の意見を持っている。様々な意見を持った人がいるが、無関心な人が少ないのは日本とは対照的。
■エントリーNo5:女性(30代)
・アメリカ
アメリカに限ったことじゃないかもしれませんが、この間カリフォルニア行って思ったのは、向こうの接客の仕方。日本では「客」対「店員」の意識が高めなのに対して、「人」対「人」のやりとりが成立するから、そのやりとりに体温を感じられるところが素敵だなと。例えばスーパーなんかだと、日本では各レジに配置された店員さんたちが一言一句変わらない接客をする様子をよく見ます。
それはそれで統一性があって良いのですが、アメリカの店員は一人一人にある程度自由が与えられていて、客とのやりとりも客ごとに違ったり、世間話が止まらなかったりします。接客の中にも人対人のコミュニケーションが生まれている気がして、そんな自然体なところが素敵だし好きです。
いかがだっただろうか? 自分の実生活にも活かせる素敵な発見がたくさんあったのではないだろうか。みなさんも異文化に触れる機会があれば、その文化のいいところを見つけ、どんどん周りに伝えていっていただきたい。
世界は広い。そして世界には学ぶべきことがまだまだある。あ~、海外旅行に行きたい!
Report:田代大一朗
Photo:RocketNews24.