現代人最大の悩みといったら、睡眠だよね! 子供の頃から遅刻ばかりだった私、人生ずいぶん損してきた。どれだけやかましい目覚まし時計を用意しても、殺伐としたベルの音でいったん目を覚ましたはいいが、無意識にスイッチを切って二度寝してしまう。そもそも、騒々しいベルの音は身体にも悪いらしい。
ちょっと前に流行った「睡眠サイクルを感知する目覚ましアプリ」も、期待したぶんガッカリ。もっと “効く” 目覚ましはないものか、調べていたところ、世界で大人気の「光目覚まし」に行き着いたのだった。
・いにしえの時代、私達は太陽の光で目覚めていた!
人間の体内時計は、強い光によってリセットされると言われている。陽の光を浴びながら起きると、睡眠ホルモンの分泌がきっちり止まり、代わりに覚醒物質のセロトニンが活発に分泌され、結果的に気持ちのよい目覚めとなる。
「光目覚まし」は、音ではなく、光で起こすタイプの目覚まし時計。窓から差し込む朝日とほぼ同等の明るさを再現し、太古の昔。人間が野外で寝起きしていた頃の本能を呼び覚まし、目覚めを働きかけるというもの。従来の目覚ましで起きられない人にも一定の効果があり、アメリカでは睡眠障害のほか、うつ病治療にも用いられているそうだ。
・なんでこんなに高価なの!?
だが、いざ買おうとすると選択肢は少ないし値段も高い。安くて1万円、高いものだと2万円超え。目覚まし時計が2万円って……!
百歩譲って値段はよしとしよう。朝一番で目にするものだけに野暮ったいデザインはご免だが、残念ながら国内で売られている光目覚ましはどれもメイド・イン・チャイナ丸出し。
国外メーカーを見ると、フィリップスの「ウェイクアップライト」シリーズに購買意欲をそそられるも、旗艦モデルのHF3520が実売価格2万円。下位機種のHF3500が1万4000円といったところ。うむむ。散々悩んで下位機種を買うことにしたが……。
さらに調べると、同じものがアメリカではなぜか日本の半額。試しに日本に発送可能なお店から買うと、円安と国際運賃の違いを差っ引いても、国内で買うよか3000円以上も安かった! 注文からお届けまで僅か3日。俺ってやりくり上手! ま、1万円の目覚まし買う時点でやりくりもくそも無いか……。
・今までとは別物の高級なお目覚め感
待望の光目覚まし時計は想像よりも小ぶりで、丸い発光体の中央にLED時計を配しただけのシンプルなデザイン。セットした起床時間の30分前からうっすら薄暗い明かりが灯り、それが徐々に、徐々に輝きを増して、最後は目がくらむほどギラギラに輝く。指定時刻にはアラームも鳴るが、従来の目覚ましと比べたら「ささやき」程度。こんなもんで起きられるのか、もやもやしながら眠りについたわけだが……。
翌朝、瞼を開くと、目の前に煌々と輝く時計があった。アクセル全開を10とするなら8分目の明るさか? アラームはまだ鳴ってない。ああ、朝か……と身体を起こした直後、自分がしたことの重大さに気がついた。オレ、普通に起きてる! 1万円という金額のプレッシャーなのかも知れないが、それならそれで結構だ。
あれから約1カ月。体調にもよるが、セットした時間の数分前、照度マックス直前のアイドル状態で自然に目が覚めることが多い。時計に背を向けた姿勢だと明かりに気づかないこともあるが、それでも光をサポートする静かなアラームで、無理やり叩き起こすのではなく「なんとなく」目覚めた雰囲気を演出してくれる。これ、二度寝防止に効果ありだ。
以上、あまり凄そうに聞こえないかもしれないけど、普段起きられない人は絶対試す価値あり! 睡眠障害に悩む猛者たちの間では、二台買ってベッドの左右に配置するのも半ば常識らしい。まったく、カネが幾らあっても足りませんな。
参考リンク:フィリップス「ウェイクアップライト」シリーズ
Report : クーロン黒沢
イラスト: マミヤ狂四郎
Photo : Rocketnews24.
▼30分前から徐々に明るくなります
▼見かけシンプル。電気はコンセントから
▼横から見ると電球みたい
▼スピーカーは裏面にある
▼時計の照度設定ボタン
▼時刻は中心部に表示。これは照度「強」
▼普段はこのような感じ
▼写真だと伝わりにくいが、めちゃくちゃ明るい!