ロケットニュース24

タイの大富豪が作った世界一デカい木造寺院「タイのサグラダファミリア」に行ってみた!

2013年12月16日

タイで最強に治安がひどく、退廃的な町といえば、首都バンコクからバスで2時間。チョンブリー県の一大歓楽街・パタヤをおいて他にない。

この乱れきった町の外れに、その名も「真実の聖域」。英語で「サンクチュアリ・オブ・トゥルース」と呼ばれる、世界で一番でかい木造建築の凄まじい寺院がある──と聞いて行ってみた。

・タイのサグラダファミリアとは

この寺、実は個人の所有物で、もともとはタイ有数の大富豪、レック・ヴィリヤファン(Lek Viriyaphant)さんが私費を投じて建て始めたもの。しかし着工から30年経った今も工事は継続中。いつになったら完成するのか誰も知らず、建築を命じたオーナーも2000年に他界。寺はいつしか「タイのサグラダファミリア」と呼ばれるようになった……。

・なんでこんなに高いんだ!

パタヤ中心街から乗合トラックでうら寂しい路地をひとっ走り。路地裏に現れる巨大なコンクリ門でチケットを購入する。まだ未完成にも関わらず、拝観料は驚きの500バーツ(約1500円)。高い!

参考までに、タイで最も格式が高い「エメラルド寺院」と「王宮」をダブルで拝観しても400バーツ。チケットの高さに鬱々とした感情を覚えるも、しばらく歩いて実物の神殿を目の当たりにした瞬間、ちっちゃな事でもやもやした自分がアホに思えてきた。

・釈然としない何か。でも感動!

縦・横・高さそれぞれ100メートルを超える巨大神殿「プラーサート・サッタム」は、カンボジア・中国・インド・タイの神話をモチーフにした様々な彫刻でごってごての無茶苦茶に飾り立てられ、その病的な集積度は見ているだけで胃もたれがするほど。

今も神殿のそこかしこに足場が組まれ、大勢の宮大工が専用工房で次々と製造される大量の彫刻を、なんと一本たりとも釘を使わず、リアルタイムで隙間という隙間にくっつけている。

・かなり危険です

海から吹き付ける潮風と湿気、さらに強烈な直射日光にさらされ、細かく作りこまれた彫刻の数々は補修するそばから経年劣化で朽ちまくり……いつ何が落ちてきても不思議ではない状況。拝観料と引き換えに手渡されるヘルメットはきっちり着用すること!

Report:クーロン黒沢
Photo:RocketNews24.

▼高台から聖域を見下ろす。で、でかい!

▼域内はヘルメット必須。死にたくなければしっかり装着!

▼近づくにつれ、ごてごてした外観が……

▼潮風と直射日光でかなり傷んでいる。

▼クメール風、インド風、中華風、一貫性のない装飾に頭ぼんやり。

▼内部の装飾も素晴らしい──というより凄まじい。

▼隙間という隙間が彫像で埋め尽くされている。

▼釘は一本も使ってません!

▼職人の群れ。常時200名余りの職人が休みなく動き続けている。

▼外壁ぼろぼろの部分も。炎天下の中、補修作業が進められていた。

▼隣の工房では急ピッチで装飾品が量産されていた。

モバイルバージョンを終了