新潟県の西部に位置する日本最大の離島・佐渡島(さどがしま)。東京23区の約1.5倍の面積を誇る、豊かな自然に囲まれた島だ。
筆者(私)は、これまでに隠岐の島、新島、式根島、しまなみ海道、田代島、桜島などを訪ねた離島探訪の初心者だ。今回は、レンタカーを使用しないルールで佐渡島に滞在してみたところ、過去のバックパッカー旅行の記憶と重なる点があったためご紹介したい。
1. 日本最大の離島なのに……
2013年8月現在、空路・海路をとわず、佐渡島へ行くには必ず本土の新潟県に入らなくてはならない。石垣島や宮古島といった人気離島が次々と直行便を導入するなか、ショートカットを許さない佐渡島。日本最大の離島なのに、である。
入島の際に新潟空港からの空路を選んだ場合、旅慣れた人は空港での乗り継ぎトラブルやストップオーバーで周った国を思い出すかもしれない。また海路の場合は、フェリーに乗船するたび日本~中国間を結ぶ『新鑑真』や『蘇州号』の記憶がよみがえるという人もいるだろう。
2. 無計画に上陸するとヤバい
今回はレンタカーを使用しないと決めていたので、広大な島内をバスか徒歩かの2択で移動。当然バスの本数は限られており、油断すると宿泊先はおろか食事にさえありつけないというスリルが味わえる。
さらに、別路線で同じ名前のバス停が複数あるなど、現地人でないと分かりにくいトラップも仕込まれている。旅先で交通事情がつかめず不安になった経験を懐かしめるだろう。なお、赤泊港はほかの港より便数が少ないので注意したい。
3. 意外と暑い
北陸地方や甲信越地方に分類されるため、夏は涼しそうなイメージをもつ人もいるかもしれない。しかし、佐渡の夏は暑い。ふつうに暑い。2013年の盛夏には最高気温30度ごえの日もザラであった。灼熱の太陽の下、重いバックパックを背負って歩き回れば、東南アジアやインドでの思い出がよみがえる?
4. きれいだが寂しいビーチ
離島のレジャーと言えば、やはり海水浴だ。佐渡にもスピーカーからハワイアンが流れる、きれいでイケてるビーチが存在する。しかし、人影はまばら。東南アジアの妙に閑散としたビーチで日光浴をした記憶を追体験できるかもしれない。
5. 夜は宿泊先から出られない
もちろん物理的には外出可能だ。しかし、宿泊先の立地にもよるだろうが、真っ暗すぎて夜の一人歩きなど不可能。そもそも、徒歩で行ける範囲には何もなかった。全体的に店じまいも早いため、目的地すら存在しない。
世界には「夜に一人で出歩くとキケン!」と言われる地域は多い。夕食が済んだらウロウロせずにすぐ寝るよう徹底した地域もあったなあ、と一人うなずいて夜を過ごす。
6. マニアックすぎるご当地グルメ
旅の楽しみのひとつに、現地でのみ食べられる食材の発掘がある。佐渡には、島内でしか取り扱っていないハードコアな珍味「ふぐの子(卵巣)の粕漬け」があり、旅情をそそられる。旅先で現地ならではの食材に挑戦し、時には感動し、時には後悔した思い出が脳内をプレイバックするかもしれない。
7. 現地の人との交流を通じて情報をゲット
現地の人とふれあうことも、旅の醍醐味のひとつ。たまたま入った喫茶店のマスターによると「(佐渡島は)ピーク時から観光客が減る一方」「これからも増えることはないと思う」とのこと。切なすぎる実情に胸が痛むが、島民ならではの情報を知ることができた。
8.地味に交通費がかさむが食べ物は安い
一国横断レベルに比べるとたいした距離ではないが、交通機関を乗り継ぐ機会が多いため地味に旅費がかさむ。ただし、食べ物の物価は安め。さらに欲を言えば、もし佐渡に格安で宿泊できるゲストハウスやドミトリーがあればバックパッカー旅行の気分が一気に盛り上がりそうだ。
もちろん、「大手銀行のATM が見つからない」、「盛況な飲食店でもカードで支払いできないことがある」、「路線バスがものすごく険しい道を走る」、「売っているタバコの銘柄が限られる」など、テッパンの “離島あるある” も健在だ。
2013年10月5日には、佐渡で起こった実話を元にしたハートフル映画『飛べ!ダコタ』が全国で公開予定。興味がある人は一度、バックパックを背負って上陸してみてはいかがだろうか?
Photo:RocketNews24
撮影地:佐和田海水浴場(佐渡島)