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【三十代女子の恋愛奮闘記】押さない・走らない・しゃべらない「おはし恋愛」な現代人

2013年5月2日

akb

避難訓練の「おはし」、覚えていますか? 社会人になってからの、職場の避難訓練では「おはし」を言われることは少なくなってきましたが、小中学校の頃は「押さない(お)・走らない(は)・しゃべらない(し)」と、厳しく指導されたものです。

避難訓練で大事なこの「おはし」を、恋愛でも取り入れている現代人が存在します。最近の「おはし恋愛」について見てみましょう。

・気になる異性がいても「押さない」
恋愛は「押してダメなら引いてみろ!」と言いますが、まずは押さないことには始まりません。それにもかかわらず、気になる異性ができても押さない現代人のなんと多いことでしょう。避難訓練では、転倒などの危険を回避する目的で「押さない」ことを推奨しています。恋愛シーンでは、押さないことによって「もしかしたら断られるかも」、そして「断られたら傷つくかも」という危険は回避することができます。しかし、避難訓練と恋愛は別物です。傷つくことから避難する訓練をするよりも、転倒覚悟で押しましょう。

・自分のペースが乱れることを恐れて「走らない」
恋はときに、脇目も振らずに突っ走る時期も必要です。「突っ走る」と言ってしまうとやや抽象的でわかりにくいかもしれませんが、要するに「勢い」や「スピード」が大事ということ。次の日の仕事なんぞ気にせず、終電ギリギリまでデートを楽しんだり、付き合い始めてからの日が浅かろうと「好き」という気持ちに任せてベッドインしたり、ノリで週末同棲に踏み切ったり……。

避難訓練で「走らない」ことを推奨するのは、混乱回避のためです。しかし恋愛では、多少の混乱が心地良いアクセントとなることもあります。「睡眠不足回避のために平日デートは早々に切り上げ」とか「相手が本気なのか確証を得るまでは性行為はしない」とか「趣味や習い事の予定調整が面倒なので週末同棲は考えられない」など、混乱回避の姿勢では盛り上がりに欠けます。もっと「混乱」を楽しみましょう。

・個人情報の取り扱いに敏感すぎて「しゃべらない」
「口は災いの元」という言葉が表すように、余計なおしゃべりは身を滅ぼします。しかし男女の距離を縮めるには、自分のことを話したり、相手に対して興味を持ち質問を投げかけることが必要不可欠! それにもかかわらず、「どうせ自分の話なんて興味ないだろう」と決めつけたり、近頃は社会全体が個人情報の取り扱いに敏感なため、「仕事や家族のことを根掘り葉掘り聞くのはタブーなのではないだろうか」と身構えている人が多いように感じます。

避難訓練では、デマが広がってパニックを起こさないためにも「しゃべらない」ことは大切。でも恋愛において、あまりにもおしゃべりが少ないと「自分のことを全然話してくれないのは、何か秘密があるのだろうか?」とか「何も聞いてこないのは、私に関心が無いのだろうか」など、逆の誤解を与えることだってあります。しゃべりましょう! 

・「重くない(お)・図らない(は)・強いない(し)」
これまで見てきたように、避難訓練で「おはし」を厳守することはとても大事なこと。しかし恋愛では、別の「おはし」を重視しましょう。「重くない(お)・図らない(は)・強いない(し)」。この新たな「おはし」を意識するほうがベターなはずですよ。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ
イラスト:マミヤ狂四郎

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