学生時代を思い出してみてください。勉強で、がんばった教科とがんばらなかった教科があったはずです。国語はがんばったけど、数学はがんばらなかった人もいれば、理科はがんばったけれど、社会科はがんばらなかった等々。恋愛でも、がんばる項目とがんばらない項目は人それぞれ異なるでしょう。
全部に力を入れるは不可能でしょうから、力を抜く項目があるのは悪いことではありません。ですが、「自分ががんばっている項目を、彼氏がんばっているとは限らない」ということは、頭の片隅に置いておく必要があります。
たとえば、貴女がオシャレをがんばるタイプの女性だとしましょう。デート前には念入りにブローし、洋服も毎回違うコーディネートで、カバンや靴のみならずランジェリーにまで気を配る……、とても素敵なことです。しかし彼氏側も、オシャレ重視とは限らないですよね。毎回代わり映えのしない洋服にボサボサ頭、くたびれた靴にヨレヨレのトランクスということもあるでしょう。
そんな彼氏の姿を見て、「私はこんなにオシャレをがんばっているのに、彼氏は全く努力していない!」と憤慨し、「彼氏は自分に対して愛情が無いからオシャレをしないのではないか?」と勘繰ってしまう女性もいますが、それは間違いです。
彼氏の価値観では、「オシャレ」は恋愛においてそれほど重要な項目ではないのでしょう。「恋愛においてオシャレをがんばる」というのは、あくまでも貴女だけの価値観であって、万人に共通するものではありません。彼氏はオシャレはがんばらなくても、ほかの部分をがんばるスタンスなのです。トランクスがヨレヨレでも、その中身でがんばるつもりなのかもしれませんよ。逆に貴女のほうは、ランジェリーには力を入れているかもしれませんが、その中身ではちっともがんばっていなかったりするのではないでしょうか?
自分が重点を置いている項目を、彼氏に察してほしいと思うのも無茶な言い分です。「髪の毛を3センチ切ったのだから気付いてほしい」とか、「洋服のコーディネートを褒めてほしい」と思うのは、オシャレに価値観を置く貴女の発想です。オシャレを重視しない彼が気付けるはずがないのです。
オシャレ以外の項目にも同じことが言えます。「私は、毎日のマメなメールしてるのに、彼氏はちっともメールをくれない」というのは、メールを重視する人の価値観。彼氏は、「メールよりも、会った時にいかに楽しいひとときを過ごすか」に重点を置いているのかもしれません。したがって、「メールが少なくて寂しい思いをしていることに気付いて!」と念じてもムダということになります。
恋愛において、がんばる項目が一緒のほうがラクなことは間違いないでしょう。とはいえ、自分とまったく同じ価値観を持った男性に出会えるとは、限らないですよね。彼氏とがんばる項目が違っても、自分とは価値観が違うだけということが理解できれば、「私ががんばっている項目を彼氏ががんばってくれないのは、愛情が無いせいかしら?」と思い悩むこともなくなります。「愛情が無いのではなく、価値観が違うだけ」と思えば、不安な気持ちはずいぶん払拭されるはずですよ。