夏の電力不足が懸念されている。取り分け関西電力(以下:関電)圏内では、電力需要がひっ迫し計画停電をしなければならない可能性が指摘され、行政と関電の間で連日会議が行われているほど深刻な状況だ。

そんななかテレビ朝日の情報番組「モーニングバード」で、大阪府市統合本部の古賀茂明特別顧問が、関電が「停電テロ」を起こすかもしれないと発言。これに対して関電がホームページ上で抗議。「そのような事を検討している事実は一切ありません」と、同番組放映日に公開したのである。番組で古賀氏は、次のように発言した。以下はその内容の要約である。

・テレビ朝日「モーニングバード」での古賀氏の発言(要約)
関電は経産省と共に、東日本大震災から1年を経たことを機に大飯原発を再稼動する「プランA」を検討していたという。しかし国民は原発再稼動を望んでおらず、この計画に代わり「プランB」を模索した。「プランB」は需給検証委員会などによって、電力が足りていないことをPRし、中小企業や自治体の同意を取り付けようというもの。

だが、これも思うように進まず、さらなる策として「最悪のシナリオ」が用意されていると古賀氏は語る。火力発電所で事故が起こる可能性を指摘し、わざと事故起こしたり発電に不具合が生じた場合に、「(発電所は)しばらく動きません」ということにして、急激な電力不足を発生させて「パニックを起こす」と説明。これを古賀氏は「ある意味プランC」「停電テロ」と称した。

この「最悪のシナリオ」や「停電テロ」という発言を受けて、関電はホームページ上で次のように抗議している。

・関電がホームページに公開した古賀氏の発言に対する抗議
「本日(平成24年5月17日)、テレビ朝日「モーニングバード」の番組内で、大阪府市統合本部特別顧問・古賀茂明氏の「火力発電所でわざと事故を起こす、あるいは事故が起きたときにしばらく動かさないようにして、電力が大幅に足りないという状況を作り出してパニックをおこすことにより、原子力を再稼動させるしかないという、いわば停電テロという状態にもっていこうとしているとしか思えない」というインタビューが紹介されましたが、当社として、そのような事を検討している事実は一切ありません」(関電ホームページより引用)

はたして、関電は古賀氏が指摘するような「プランC」を画策していたのだろうか? 抗議の内容を見る限りでは、そのようなことは検討していないようなのだが……。いずれにしても、夏は間近に迫っている。早急に対処してくれることを願ってやまない。

参照元:関西電力