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大阪の不起立教師、立つ / 評論家「むしろ危険な状態。伝説級の不起立教師が誕生するおそれも」

2012年2月24日

1月17日に大阪府教委から大阪府立学校の全教職員約1万3000人に対して出された「府立学校の卒業式や入学式において起立斉唱を求める職務命令」。平たく言えば「どんな考えをもった先生でも、卒業式は立て」というものである。

そして2月24日、府立学校の卒業式が府内32の高校で行われたのだが、毎日新聞の報道によると、取材をしたうちの16校が「起立斉唱しなかった教職員はいなかった」と答えたそうだ。

また、一度も起立斉唱をしたことのない50代の男性教諭は悩みに悩んだ末、「担任した生徒の名前を心を込めて読み上げ送り出す」「形式的に起立するだけ。他にも自分の思いを表す場はある」と起立することを決意したという。
 
パッと見、大阪府教委が出した「起立斉唱を求める職務命令」の効果はテキメンのように思えるのだが、長年にわたり不起立教師を見続けてきた不起立評論家でもある漫画家マミヤ狂四郎氏は「むしろ危険な状態」と警鐘を鳴らす。
 
マミヤ「ひとくちに不起立教師といっても、様々なランクがあります。ドラゴンボール風に言うなら『戦闘力』です。起立斉唱を求める職務命令で、おとなしく起立をするような不起立教師は、不起立パワーとしては比較的弱いヤムチャクラスです」
 
――戦闘力のないヤムチャには「起立斉唱を求める職務命令」は効いたと?
 
マミヤ「この報道を見るかぎりでは効果アリみたいですね。しかし、こんな状態……つまり、誰も不起立を貫かない状態というのが一番キケンな状態です。こういう時に、破天荒な不起立プレイをして一躍伝説的不起立教師に躍り出る先生たちがいるからです」
 
――たしかに、この状況で不起立したら目立ちますね。
 
マミヤ「フリーザクラス、ベジータクラスの不起立教師は、必ずといって良いほど伝説的な不起立行為をしています。そして、自己紹介のときには必ずと言ってもよいほど『○○■■事件の▲▲です』のような自己紹介をするわけです。

たとえば『フライデー襲撃事件のビートたけしです』だとか『長州顔面蹴撃事件の前田日明です』だとか『新宿伊勢丹前アントニオ猪木襲撃事件のタイガー・ジェット・シンです』というような感じです」
 
――つまり、伝説的不起立プレイを狙っている不起立教師がいるかもしれないということですか?
 
マミヤ「その可能性は高いです。さらに、伝説を狙う不起立教師の不起立プレイは、そんじょそこらの不起立行為では済まされません。たとえば東京ですと、過去に『背中には鎖で縛られたピンク色のハート模様、胸には花、鳩、そして日の丸に斜線を入れた白ブラウスを着て卒業式に参加』という伝説の『大泉ブラウス事件』というものがあります。この行為により、この不起立教師は一躍、不起立界のトップファイターに躍り出ました」
 
――そのクラスの不起立教師が出てくる可能性があると?
 
マミヤ「その可能性はゼロではありません。不起立界が静まり返っている今こそ、伝説が生まれてしまう危険性があるのです」
 
今後も続々と卒業式が行われる大阪の府立学校。果たして職務命令を破ってしまう教師は現れてしまうのであろうか。いずれにしても、厳粛かつ平穏な卒業式・入学式がとり行われることを切に願う。卒業式の主役は先生ではない。児童と生徒なのだから。

参照元: 毎日新聞

(イラスト・情報提供=マミヤ狂四郎

▼漫画『プロ市民集会レポート』第6話より

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