
山盛りにもほどがある! ごはん処は数々あれど、おそらく日本でも屈指の山盛りごはんを提供してくれるお店が、東京・秋葉原に存在する。そのお店は、創業当時市場のなかにお店を構えていたそうなのだが、そのときの名残で現在も超山盛りごはんを提供しているのだ。その当時の名残とは一体どのようなものなのだろうか? そして、山盛りごはんの食い応えは如何ほどのものだろうか。実際に食べに行ってみたぞ!
私(記者)がお店を訪ねると、ちょうど夜の営業を開始する直前であった。「開いてますか?」と尋ねると、気さくな店主が「もうちょっとでごはんが炊けるから、5分後くらいに来てもらえるかな? ごめんね!」と、愛想よく話してくれた。
このお店は存分にごはんを食べさせてくれることで有名で、その山盛りぶりを知る人であれば、昼にごはんが切れるのも頷けるだろう。何しろ普通盛りで5~6合を提供しているという。1升炊きの釜でも、2人前で終わってしまうのだ。昼と夜の営業の合間を見て、店主はごはんを炊いているのである。
10分後、改めてお店を訪れるとどうやらごはんが炊けたらしく、店主は快く迎えてくれた。テーブルに着くと「うち、初めてでしょ? 知ってるかもしれないけど説明するよ」と、いきなり説明が始まった。店主が言うには、初心者は普通盛りを完食できないという。何も知らずに普通盛りを頼むと、残すことになるから「軽め」にしなさいというのだ。
「お兄さんは結構(体が)細いから、軽めの軽め(2軽(かる))でもいいかもなあ」
と、見定められたのだ。私は細身ではあるが、食には自信がある。大盛りを食べるのも初めてのことではない。そう思い、何とか普通盛りに挑戦させてくれるようにとお願いすると、「じゃあ盛るだけ盛るけど、無理しないでよね。とりあえず盛って、後から減らしても良いから」とのこと。そうまで言われたら、何が何でも食べてみたい。半ば無理強いをして、店主にお願いした。
すると、気のいい店主は厨房に戻り調理に入った。その間も店主は、話し好きとみえて何かとお話しを聞かせてくれたのである。
店主はこのお店の2代目、先代が切り盛りしていた頃は、神田市場にお店があったそうだ。この市場は、野菜と果物の市場(通称:やっちゃ場)で、お店に出入りしていた客は市場の人間であったという。早朝から力仕事に励む客たちは、大食漢が多く、多少のごはんの量では満腹にならなかったのである。そこで、大盛りごはんを提供するようになったとか。
そのときの量がいまだに引き継がれており、通常のお店では超大盛りのごはんが、このお店の普通盛りに当たるのである。
そんな話しをしながらも、店主は手際よく料理を続け、「はい! お待ちどうさん、がんばって」とお豆腐のサラダ、お味噌汁、それに山盛りの揚げ物とてんこ盛りになったごはんを運んできた。
「ウソーーーーー!!」と思わず叫ばずにいられなかった。なぜなら、写真で見るよりもはるかに大盛りに見えたからだ。「写真で見るのと違うでしょ、みんな現物を見てびっくりするんだよね。大丈夫?」、気遣いの言葉をかけてくれたが、無理を押してまで注文した手前、食べない訳にはいかない。私はやや震える声で「だ、だ、だ、だ、だだだ、大丈夫です」と、か細い声で答えたのである。
それからどれだけの時間が過ぎ去っただろうか。つい数日前のことだったはずが、今となってはずっと昔の出来事のように感じられる。私はゆっくりと箸をつけ、一歩一歩足元を確かめながら雪山を登る登山者のように、確実に食べ進めた。もちろん、盛りすぎてこぼれたごはんもちゃんと頂いた。途中の記憶が定かではないのだが、気がつけば何とか食べ切り、店主に「おお! 結構いけるね」と褒められたことを覚えている。
ちなみに、この普通盛りを上回るサイズも存在するそうだ。お店でももはや幻となっているのだが、通常のごはんの器がすっぽりと入ってしまう四角い器に、やはりてんこ盛りのごはんを盛るのが、「大盛り」とのことである。先代の時代から現在に至るまでたった1人しか食べ切った人はいないそうだ。
それにしても、存分に食べてもらいたいという一心で、いまだにごはんの量を変えることなく営業を続けるごはん処あだち。店主の気さくな人柄から、お客への愛情を感じ取ることができる。秋葉原に出かけた際には、是非立ち寄って頂きたい。超てんこ盛りのごはんを食べなくても、明るい店主との語らいがあなたを元気にしてくれるはずである。
写真:Rocketnews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼ 「山盛り」というに相応しい普通盛りのごはん
▼ 懐かしい味わいの揚げ物もてんこ盛り
▼ 今では活躍することのない大盛りの器。通常の器がすっぽりと入ってしまう
▼ 気さくな店主が迎えてくれる





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