ロケットニュース24

国際宇宙ステーションの古川さんから回答キターーー!「ツラい時は野球部の練習を思い出して耐える」

2011年9月7日

果てしなく広がる宇宙。人類の最先端科学を集結させても、宇宙について分かっていることは、ほんのごく一部である。だがしかし、われわれ人類が宇宙に打ち上げた国際宇宙ステーションや人工衛星についても、知らないことは意外とたくさんあるものだ。

どうせだったら知っておきたい。宇宙科学の最先端を。なにやら近ごろは宇宙ブームでもあるようだし……宇宙キターーー!

ということで今回は、東京お台場の「日本科学未来館」で開催された宇宙イベント『三菱電機Presents スペース・キッズ・プラットフォーム2011』に参加。宇宙大好きな子どもたちと一緒に宇宙科学のイロハを勉強してきたぞ!

夏休み終了間際の8月30日に行われた当イベントは、東京だけではなく、仙台と名古屋でも同時開催された、いわば合同宇宙勉強会だ。子どもたちのリーダー役の、漫画『宇宙兄弟』を連載中の漫画家・小山宙哉さんが担当。宇宙気分を盛り上げた。

なぜここまで大規模なイベントになっているのかと言うと、「国際宇宙ステーションに滞在中の古川聡宇宙飛行士とのライブ中継質問会」という一大メインイベントが控えているからである。子どもたちが宇宙について疑問に思うことを、宇宙空間からその場で答える……まさに未来の課外授業キターーー!だ。
 
・地球ディスプレイ『Geo-Cosmos』のスゴさにどよめき
まず子どもたちは、「日本科学未来館」のシンボルでもある、有機ELパネルを使った世界初の地球ディスプレイ『Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)』を使い、我が星・地球の歴史や仕組みについて楽しくお勉強。

高解像度の映像がグリグリと動きまくるGeo-Cosmosには、子どものみならず引率者のパパ・ママたちも興味津々。特に、今年3月11日に発生した東日本大震災での大津波の再現には、多くの観覧者から「うわあ……」と驚きの声があがっていた。このようすは後日詳しくお伝えしたい。

次に子どもたちは国際宇宙ステーションの居住空間を再現したブースの見学や、昨年話題になった小惑星「イトカワ」についても学習。解説員の質問にも、すぐに「ハイッ」と挙手して答える子どもたちを見るに、みな、かなりの優等生だ。
 
・人工衛星を作っている意外なメーカーとは?
宇宙での医療や健康など、各方面の専門家による解説もあったが、そのなかで大変興味深い話があった。それは「人工衛星を誰が作っているのか?」ということ。NASAやJAXAが計画しているのは知っているが、実際に作っているのはどの国の誰なのだろう?

宇宙空間には様々な人工衛星が飛んでいるので、作っている人も様々であるのは当然なのだが、実は日本の家電でおなじみの、あの「三菱電機」が作っている衛星が、日本で一番多いのだという。

例えば気象衛星でおなじみの『ひまわり』も三菱電機製。スカパーの衛星、GPS衛星の「みちびき」も三菱電機製。液晶テレビや冷蔵庫やエアコンを作っているメーカーが人工衛星を作っていたとは、ちょっとオドロキの新発見である。
 
・国際宇宙ステーションとの交信には7秒のタイムラグが
そうこうしているうちに、いよいよ「国際宇宙ステーションに滞在中の古川聡宇宙飛行士とのライブ中継質問会」の準備が整った。この時すでに夜の9時をまわっていたが、みな眠い顔ひとつせず、古川さんとの中継をワクワクしながら待っている。やがて会場の大プロジェクタには……国際宇宙ステーションに滞在中の古川さんの顔がキターーー!

子どもたちからは、宇宙における食事や睡眠など、生活に関する質問から、宇宙空間における薬品開発など、レベルの高い質問ばかりが飛び出した。さすがは優等生である。ちなみに質問してから古川さんが答えるまでには、約7秒間のタイムラグが発生する。国際宇宙ステーションと地球との距離を実感できる7秒だ。
 
・「ツラい時は野球部の練習を思い出して耐えた」
それはさておき、質問コーナーで興味深かったのは、子どもたちからの「一番ツラいと感じたのは?」という質問に対し、古川さんが「ツラさに耐える方法」を紹介したシーン。なんでも元野球部だった古川さんは、ツラいと思ったときには「野球部の練習を思い出して耐えた」という。

また、夢を叶えるために必要なのは「夢に向かって一歩努力をすること」で、後悔しないために挑戦する強い気持ちが重要であると子どもたちに説いていた。スポーツで養われる「努力」と「根性」も、宇宙では重要な役割を果たしている。
 
もしかしたらこのイベントに参加した子どもたちの中から、未来の宇宙飛行士が誕生するのかも……。そう感じるほどに、彼・彼女たちの瞳は宇宙という未来に向かって輝いていた。宇宙開発の未来は、君たちにまかせたぞ。宇宙キターーー!

Photo:RocketNews24.

▼Geo-Cosmosに驚く子どもたち

▼ちなみに有機ELパネルも三菱電機製だ

▼さまざまな映像を映し出すGeo-Cosmos

▼国際宇宙ステーションの居住空間を再現したブース

▼みんな優等生だ!

▼三都市+国際宇宙ステーションで相互中継

▼古川さんキターーーッ!!

▼質問してから約7秒後に回答が来る

▼漫画『宇宙兄弟』を連載中の漫画家・小山宙哉さん

▼宇宙飛行士の衣装に身を包んだチビッコも! 未来の宇宙は君にまかせたぞ

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