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商業作品の危機、電子書籍元年で同人サイトに追い風

2011年6月20日

最近は「電子書籍元年」と言われ、電子書籍リーダーやスマートフォンの普及により、 書籍の形態が変わりつつある。しかし、電子書籍そのものの歴史は今に始まったことではない。電子書籍用のリーダーは、1990年にSONYが発売した 「データディスクマン」が、最初のものと言われている。その当時から携帯型の端末で書籍や新聞・雑誌、漫画を読むという考え方は存在していたのだ。

携帯端末だけでなく、ウェブ上にも同人ダウンロードサイトが存在しており、当時からすでに作品の販売は行われていた。その歴史は意外にも古く、主要サイトの登場は 1995年に遡る。「DLsite.com」は今年15周年を迎え、作品の量・質ともに成長を続け、実力は商業作品にも劣らないという。電子書籍元年の追い風を受け、ますます勢いを増しているようだ。

・商業作品を上回る実力
同人作品はオタク文化と思われがちだが、そうではなく、現在は広く受け入れられている。24時間いつでも購入できるうえに、1本数百円からと格安で作品を楽しめるからだ。作品ジャンルも多岐にわたり、ノベル作品はもちろんのこと、漫画やゲームなど、さまざまな楽しみを提供している。

さらに近年は、同人から始まったものが商業作品として移植されるケースもある。有名なものとして、「ひぐらしのなく頃に」、「コープスパーティー」が挙げられる。また音楽シーンでも、同人からメジャーに移植されるケースも増えているようだ。今や同人作品の実力は、商業作品を凌駕しつつある。

・同人作品の魅力
インターネットの普及が始まった当初から、同人作品のダウンロード販売を行っている「DLsite.com」は、現在5万点を越える作品を扱っている。同人作品の魅力について尋ねてみた。

記者:同人作品の魅力は、どういうところにあると思われますか?

担当:個人の方が作られている作品ですので、商業ベースでは出来ないような、ある特定のポイントにこだわり抜いたり勢いや、情熱の感じられる作品が多い点でしょうか。また、作り手と受け取り手の距離が近いことも魅力だと思います。購入したサークルさんがどんどんいろんな人に認められていったりすると、嬉しく思ったりすることもあります。

記者:なるほど、作品に対するこだわりが強く、購入された方も作り手の方を近い距離で接することができると。

担当:そうですね。

記者:これから作品に触れてみたいという方も、いらっしゃると思いますが、どういうものがお薦めですか?

担当:一般的に人気なのはゲームです。シミュレーションやシューティングなど、個人で作られているとは思えないほど作りこまれた作品も多数ございます。多くは、体験版が用意されていますので、まずは体験版で遊んでみてください。また、プロの作家さんが同人で出している作品や、絶版になってしまった書籍を同人誌として出しているような作品もありますので、自分の好きな作家さんの作品や、欲しかったけれど入手困難な作品が手に入ることもあります。

記者:そうなんですね。絶版が入手できるのは嬉しいです。体験版があるのも有難い。

担当:まずはお試しください。

記者:それでは具体的にオススメなゲームは何ですか?

担当:男女ともに人気なのは『海洋レストラン☆海猫亭』です。経営を体験できるゲームで、時間を忘れて熱中してしまいますよ。一方、女性で人気なのは、乙女ゲームの『ウィズリホープ学園』です。シナリオやCGも、同人作品とは思えないようなクオリティです。
他にも、ボーイズラブゲームやコミックも人気です。

記者:経営シミレーションゲームは是非やってみようと思います。なお、現在15周年とのことですが、何かイベントなどのご予定は?

担当:15周年キャンペーンとして、人気イラストレーターのrefeia(レファイア)先生描きおろし オリジナル陶製丸壺入りの本格焼酎「へべれけ」を200名様(※20歳未満の方は応募できません)に。同じくrefeia先生の美麗イラストがブックカバーを300名様に、抽選でプレゼント致します。そのほか人気先生のサイン色紙もご用意致しております。

記者:なるほど。凄いですね。

担当:まだあります。セカンドチャンスとして、DLsite.comのオリジナルクリアブックマーカー(4枚入り)を1000名の方にプレゼント致します。

記者:おお、1000名とはすごい!

担当:是非ともこの機会にご利用ください。

記者:ありがとうございました。

どうやら5万点の作品のなかには、いまだ知られていないすごい作品が数多くありそうだ。自分好みの作品を発掘するのも、ひとつの楽しみかも知れない。

ちなみに記者は、漫画「ブラックエンジェルス」(著者:平松伸二)を愛読している。学生時代に全巻所有していたのだが、実家の押入れの奥深くにしまったままなのだ。本を引っ張り出す手間と、本を置いておくスペースのことを考えて、電子書籍を購入した。

皆さんも自分好みの作品を探ってはいかがだろうか。

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