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【見てはいけない映画レビュー】クリスマスはサンタ無双『サタンクロース』

2010年12月4日


見ると絶対後悔する映画や、鑑賞時間の無駄としか思えない「Z級映画」を紹介する、見てはいけない映画レビュー。

今回ご紹介する映画は『サタンクロース』だ。この作品は、間違ってもファミリーやカップルでクリスマスに見てはいけない。サンタクロースと間違ってレンタルビデオ店で借りてしまう可能性もあるが、ジャケットに凶悪犯丸出しのサンタが写っているので、それを目印に借りるのを止めよう。

この映画ではタイトルの通り、サンタが実はサタンという設定。上映時間はほとんどWWEで世界ヘビー級王座を獲得した、元プロレスラーの俳優ビル・ゴールドバーグ演じる凶悪サンタによる無双状態が続く。

映画が始まってすぐ、クリスマスパーティーをしているちょっとワケアリな家庭の煙突を破壊してサンタは登場するのだが、家族をスパークリングワインのバケツで溺れさせたり、犬を蹴り飛ばしたりと最初からやりたい放題だ。そしてサンタは主人公が住む「ヘルタウン」に住民を虐殺しに向かう。

このサンタはショットガンで撃たれても死なず、空飛ぶトナカイ……ではなくバッファローを使い、スノーモービルで逃げ回る主人公を追い回す無敵っぷり。サンタの出現するヘルタウンでは、サンドイッチ屋の店主や、ストリップバーの用心棒、果てはクリスマスの合唱隊まで次々とサンタの手にかかっていく。

空飛ぶバッファローは主人公のガールフレンドの父により、バズーカ砲で爆破されるのだが、無敵の凶悪サンタは死なない。凶悪サンタと、サンタ封印のために動く主人公、どちらが勝ったかは一応ナイショにしておこう。

クリスマスに幸せな時間を過ごしたい人にとって、この映画はZ級間違いなしだが、「クリスマスなんて来なければいいのに!」と心の底から思っている人たちには、ある特殊な爽快感を与えてくれるかもしれない。一人でコッソリとクリスマスが破壊されるさまを見て楽しもう。
(文=Z級映画評論家・中野新橋)

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