インターネットが全盛の昨今、ネットで調べ物をする人は多いだろう。『家庭向けコンテンツで勝負!カシオの電子辞書が主婦の友になった』でお伝えしたように、電子辞書のメーカーは新たなターゲットを模索している状態。そうした電子辞書市場に対し、これまでにない新商品で殴りこみを掛けてきたのが、ポータブルDVDプレイヤーでお馴染のBLUEDOTだ。

BLUEDOTは2010年7月9日、米国のOpenmoko社の協力のもと、インターネットのフリー百科事典『Wikipedia(ウィキペディア)』のコンテンツをパソコンもインターネットも使わずに手のひらで楽しめる電子事典『WikiReader(ウィキリーダー)』を7月21日すると発表した。

ウィキリーダーは、非営利団体ウィキメディア財団の協力を得て、Openmoko社が開発した商品。英語版はアメリカですでに販売されており、パソコンやインターネットに馴染みのない人でも、ウィキペディアの便利さや楽しさに触れられる商品として注目されている。この状況を日本のメーカーが見逃すはずがない。日本での発売は時間の問題だった…と言ってもよいだろう。

そんなウィキリーダーの仕様だが、日本語版と英語版、そして中国語版をあわせて約400万の見出し語を標準で収録し、ビジネスから娯楽、教養から雑学、時事問題から歴史まで…と幅広いジャンルの記事を楽しむことができる。

各記事内の見出し語リンクを次々とジャンプしていけば、知りたいことがどこまでも広がるだけでなく、日英・英日、日中・中日というように他言語の記事へ串刺しで横断ができるので、知識だけでなく各言語圏の人々の価値観の違いまで調べることができる。

辞書の更新が気になるところだが、特設の公式サイトにて年4回以上公開予定のデータをダウンロードして更新することにより、常に新鮮な活きた情報を楽しむことができる。また、将来的にはコンテンツの追加も検討されているという。

ウィキリーダーは、普段からウィキペディアに親しんだ人には電子辞書よりも魅力ある商品に映る。電子辞書市場の起爆剤になる可能性を秘めている製品と言っても過言ではないだろう。

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