回転寿司と言えばスシロー、はま寿司、くら寿司。関東ではそういう空気があると思う。クオリティとかの影響ではなく、単に店舗数で。
しかし選択肢自体はもっとあり、特に理由なくスルーしている店も少なくない。今回はそのうちの1つ「回転寿司みさき」に行ってみることにした。
・みさき
ということで、近所の みさきに到着。わりと行動圏内に店舗はあったのだが、今まで1度も利用せずにいた。
どこがやってるのかググったところ、あの京樽ではないか……! マジかよ京樽。お前、回転寿司屋やってたんか! それなら「回転寿司 京樽」にした方が1発でわかるのでは……とか思ったが、まあいいだろう。
そして京樽と言えば、2021年にスシローに完全子会社化された。つまり「回転寿司みさき」はスシローの仲間。しかも「回転寿司みさき」は、スシローの子会社になってから「海鮮三崎港」をリブランディングしてできたのだという。
そう聞くと、じゃあスシローで良いんじゃねぇかなとか思えてくる。ようはスシロー一味になってからできたブランドだろう? 恐らく食材の入手経路もスシローと同じで。ならスシローと似たようなものなのではないか……
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ぜんぜん違ぇぇぇえええ!!!
店舗の形態にスシロー的な遺伝子は皆無。これはむしろ、がってん寿司に近い。回転寿司ではあるが、寿司が一切回っていないタイプだ。
全ての店舗がそうなのかは不明だが、ここで回っているのは寿司の写真のみ。
みさきはカウンター内に寿司シェフがおり、オーダーすると目の前で握ってくれる。寿司が最も無事に提供されるシステムだ。好感度は高い。
ではオーダーは直接寿司シェフに声をかけて行うのか……? 否。そこはタブレットでやる仕様。寿司シェフの動向を気にせず自分のペースでオーダーを入れられるため、口頭でオーダーするタイプより気が楽だ。
タブレットのUIも分かりづらいところは無く、よくできている。おっと、タブレットの横のこれは醤油か。いや待て、このロゴは京樽! 京樽オリジナルの醤油……!
値段によって皿が違う仕組みだが、だいぶ細かく分けられているもよう。スシローと比べて、高価格帯が充実していそうだ。
・メニュー
メニューにも独自性を感じさせるところがある。例えば「本日の豊洲鮮魚!」だ。残念ながら売り切れていたが、豊洲直送らしい。毎日違うのだろうか?
「ししゃもこ軍艦」や「オニオンサーモン」などにスシローの遺伝子を感じるが、例えばサーモンや貝類のバリエーションはスシローより多いようだ。
逆にサイドメニュー的なものはそんなに無い。まあ寿司を食えということだろう。寿司屋だし、そりゃあな。
ところで、スシローと言えばマグロだと思う。今回は実施中のフェア対象のメニューだった「本まぐろ6貫盛(1700円)」を頼んでみたのだが、どうだこれは。
確かに1貫283円とスシローより高いが、切り身のサイズはこちらの方がややデカい。魚そのもののクオリティは似たようなものだと思う。特に赤身はそっくりに感じた。
ただし、例えば炙りなどの加工は みさき が数段上手だと思う。見てくれこの、イイ感じな火の通り具合を。
「気仙沼産かつおたたき(180円)」は、炙られた部分の香ばしさがよく味わえる切り方で、身も厚く素晴らしい。
参考までに、少し前にスシローで食った「炭焼きかつおたたき(120円)」がこちら。60円の差はあるが、みさきのクオリティは60円分以上あると思う。
シャリも全く違っており、みさきはスシローよりシャリのサイズが小さい。また、これは握った寿司シェフ次第かもしれないが、スシローより柔らかく握られているように思えた。
私はレビューのために寿司を箸で持ち上げて必要以上に回転させたり、皿の上で位置調整したりする。その際にみさきの寿司は全て、スシローより早く耐久限界を迎えた。ふんわり握られているがゆえだ。
ということで回転寿司みさきの寿司。価格はスシローより高い。しかし魚がデカくて厚く、加工を施されるタイプの寿司はおおむね処置が丁寧だと感じた。
シャリが小ぶりで柔らかく、赤シャリを標準で使用している点も注目すべき大きな違いだろう。
メニュー面では例えば がってん寿司のように、独創性の高い創作寿司が豊富だとか、そういう方向性での他社との差別化はなさそうだ。
寿司メインで、ちょっと豪華なバージョンを食べたい時に、そんなにコストをかけず一定以上の満足度を得られる寿司屋……そう感じた。まさにちょっと豪華なスシロー。
直接の運営は京樽だが、京樽よりスシローっぽいのは意外だったな。メニューに茶きん鮨とかは無かったと思うし。
参考リンク:回転寿司みさき
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.