京都観光で、ほぼ確実に訪れるのが祇園四条。そこから八坂神社に向かってブラつき、境内を通って円山公園へ。定番ムーヴの1つだろう。
八坂神社から来て祇園しだれ桜の右手の出口から出ると、右手に超絶に入ってみたくなる建物がある。それが今回紹介する長楽館だ。
・癒し
JR東海「そうだ 京都、行こう。」の2024年夏のキャンペーンが始まっている。テーマは「京都がくれる癒し」ということで、安藤サクラさんを起用したCMも公開中。
このキャンペーンを紹介するためのプレスツアーが2024年6月上旬に開催され、その道程に長楽館が含まれていたのだ。公式HPでは何種類かの”癒し”をテーマにしたプランを提案しており、”美味の癒し” 枠でピックアップされている。
そう来たか……。実は何度か前を通るたびに、そのうち入ってみようと思いつつ、果たさぬままだったのだ。きっと京都民や洛外の京都ファンにも、気になったまま放置している人はいるだろう。
詳しい紹介の前に私の感想を述べると、ここはガチだ! 気になっている人はすぐに行った方が良い。全てのクオリティがダンチだったぞ……!
・迎賓館
そもそも長楽館とはどういう施設なのか? 村井財閥の創始者 村井吉兵衛の別邸として建てられたもので、公式HPによると、迎賓館としての利用を目したものだったそう。
設計は立教大学の建物などで知られるジェームズ・ガーディナーで、昭和61年に京都市有形文化財に指定されている。
そういう歴史を持つ建物ということで、当然のように内装がヤバい。調度品にも文化財が紛れているらしい。
館内のあらゆる場所の造形が、ガチに迎賓館クオリティ。やんごとなき建物に入っている感が凄まじい。
関東民にわかりやすく例えるなら、普通に赤坂迎賓館を見学している時と似たようなもんである。
そして長楽館は単に建物を見るだけではなく……この空間で
カフェ利用や食事が可能なのだ……!!! 貴族じゃん。ちなみにこの写真は、「そうだ 京都、行こう。」のHPで紹介されているアフタヌーンティーのものらしい。
館内の「迎賓の間」という部屋でのアフタヌーンティーが確約されるプランで、通常非公開である「御成の間」の案内もセットだとか。
・レストラン
ヌン活も凄そうだが、ここは食事も限界突破している。料理長が解説してくれたが、ここのコース料理はメニューが細かく決まっていないという。
確定なのは皿数や、肉か魚かといった大きな枠組みのみ。料理長自ら毎朝3時間以上かけて農家などを回り食材を買い付けているそうで、実際に何が出るかは選び抜かれた食材次第というわけだ。
私も何皿か頂いたのだが、全て尋常ならざるクオリティだった。このアユも肉も、絶対死んでるのに食ったら活き活きしていたからな。
特に底の知れなさに震えたのは、カフェ利用で単品でのオーダーも可能な、こちらの「ミルフォイユ(1700円)」。
見た感じ、そんなに変わったところは無さそうな、カスタードのパイとキャラメルアイスだろう。
しかしこのパイは、私が思うに、宇宙の法則をいくつか超越している。見ての通りけっこう立派なパイ生地で、しかるべき硬さを有しているはずだと思ったのだが……
マジでわけがわからないエアリー感で、何かを切る事には1ミリも適していなさそうなフォークで押すと “切れて” いく。潰れてカスタードがはみ出たりしないのだ。
カスタードの風味と食感も超越的で、心底未経験な美味さであるということを除き、何ひとつ解る要素が無かった。パイ生地とカスタードだけでわけがわからんのだ。きっとケーキなどもヤバいに違いない。
ということで、門構えの時点で絶対に凄いんだろうなと思っていた長楽館。実際に入ってみたら、ガチ感が想定をはるかに超えていた。
京都には素晴らしい場所が沢山あるが、ここは最も満足度の高い場所の1つに絶対入ってくるだろう。私が京都に住んでたら、月1くらいで通うリピーターになっていたと確信している。
※ 2024年6月28日追記 記事中の円山公園の表記が丸山公園となっておりました。訂正してお詫び申し上げます。
参考リンク:長楽館、そうだ京都、行こう。
執筆・撮影:江川資具
写真:JR東海、長楽館
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▼こういう部屋もあった。長楽庵という茶室で、丸いステンドグラスが2つもあるハイカラな仕様。
▼伊藤博文が命名したそう。
▼ウィンナーコーヒー(1200円)もハッピー度が高い仕様。ホイップがバラの形状で、上手くやるとコーヒーにバラが浮かぶ。
「そうだ京都、行こう。」のプランからだと、ミルフォイユとウィンナーコーヒーをセットで2750円で楽しめる。
▼宿泊の部屋はこんな感じ。4階の「パノラマパークビューツインルーム」。
ホテルのフロントは、夜になると宿泊者専用のプライベートバーになるとか。かつては書斎だったそう。
▼私も見ていない、他のエリアの写真。
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