2024年2月28日から、コメダに新作の季節のケーキが登場したぞ! 物量で押し切る脳筋スタイルが目立つコメダの、繊細な技法を垣間見ることができる数少ないコンテンツ。
今年の春の新作は全4種で、価格は480円~540円と店舗により変化。全て食べてみたところ……おや、なんだか今までの定期更新とは違う気配がするぞ……?
・季節のケーキ
コメダの季節のケーキとは、その名の通り、季節ごとに新作が出て入れ替わっていくケーキのことだ。「新作」というか、実質的にはラインアップの更新だと思っている。
スタイルとしては、モンブラン系が1つ、シフォンケーキが1つ、他はその時々で柔軟に変化するという感じの傾向がある。
今回の4種もビジュアル的にはそのスタイルにそっているのだが、食べて判明した仕上がりはどこか変革を感じさせるものだった。もしかしたらマンネリ回避とかかもしれない。
・モンブラン枠
まずはモンブラン枠から。「あまんぶらん」
トップの丸いのは、チョコでコーティングされたアーモンド。
表面のモンブラン的なクリームには、「あまおう」のピューレが練り込まれている。そして中心部には「あまおう」風味のホイップクリームという構造。
そして、2種のクリームの間には真っ赤な甘酸っぱいソースが! 定期的にコメダのケーキを解体している私でなければ見逃していただろう。
表面のややハードめなテクスチャのクリームと、中心部のフワフワなホイップのコントラスト。酸味で味を引き締めてくれる仕込みソース。テクニカルな仕上がりだ!
・シフォン枠
続いてはシフォン枠の「米粉しふぉん」。
キャラメル風味のシフォンケーキということで、見た感じはいつも通りの味だけ違うシフォン。
だが、今回は生地が米粉100%使用。生地のほぐれ方に独特の粒子感がある。これまでのしっとりフワフワシフォンとは舌ざわりが全く別物だ!
フレーバーはキャラメルで、トッピングのナッツが香る感じ。今までのコメダには無かったタイプのシフォンケーキ。
・チョコ
続いては「カフェモカフィーユ」。まあ、チョコレートケーキかな?
このビジュアルからそう思ったのだが……
一工夫あるチョコケーキなことが発覚! 食べてみると、表面の質感が独特なのだ。
なんだこれは? プルツヤで、ゼラチン質のシートのように剥がれる。一瞬ゼリーかなと思ったのだが、あくまでチョコレートソースだそう。
そんなに甘くなく、香りはカフェオレみたいな感じ。トップのシートみたいなチョコソースはビターめで、ココア風味の生地の間に仕込まれたクリームはコーヒー風味。大人な感じの味わい。
・フロマージュ
ラストは「北の大地のフロマージュ」。チーズケーキだ。
見た感じは白くて背の低い、なんか硬そうなやつ。
フォークを押し当てると、シャワシャワという独特の感触がする。おっ? なんだかよくあるチーズケーキと違うぞ?
コッテリという感じではなく、ドライめで淡い味わい。すっきりした酸味がとても美味い! こういう重くないチーズケーキというのもあるのか。
4種どれも美味いのだが、個人的に今までのコメダで食べたことが無かった感が最も強かったのは、この「北の大地のフロマージュ」。
ということで、新作の季節のケーキ4種。モンブラン枠の「あまんぶらん」に関しては、過去にも同じくらいテクニカルな仕様のものがあった。
しかし、他の3種はどれも「コメダはこういうこともやるのか」みたいな、微妙な意外性のある仕上がりだったと思う。
ただの味変よりも1段ギアの入り方が違う変革を感じた。新生季節のケーキ。6月上旬まで販売を予定しているそうなので、ぜひ全制覇してみてくれ!
参考リンク:コメダ珈琲店
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.