マクドナルドのバリューランチが550円する時代。ワンコイン以下で食べられるご飯なんてもはや夢のまた夢だ。そんな中、余裕でワンコイン以下なのが立ち食いそば。安くてウマイ! 高コスパと言えば立ち食いそばである。
というわけで、日本全国120店のそば屋を実食した男性に、ガチでウマかった立ち食いそば屋を聞いた。本日決定! 「最強立ち食いそば」はこの5店舗だ!!
・立ち食いそばの連載を120回続けるライターのNさん
話を伺ったのは、ロケットニュース24で『立ち食いそば放浪記』を連載している中澤星児さん。つまり私だ。120回を超える本連載の中でも、「最強」の名にふさわしいと思ったのは以下の5店舗である。
・最強立ち食いそば屋その1『四谷 政吉』
連載初期、読者のタレコミがキッカケで訪れた店『四谷 政吉』。その時食べた「小海老天つけそば(税込500円)」のウマさは格別だった。モチモチかつのどをスルリと通るそばにしっかり絡む濃厚なつけ汁のバランスが良く、恥ずかしながら「こんなにウマイそばがあるのか!」と思ったものである。
後日、訪れた時もやはり衝撃は変わらず、温かいそばもウマイ。四ツ谷でお昼を食べる時はぜひ味わってみてほしい。
・最強立ち食いそば屋その2『峠そば』
味のバランスで言うと、虎ノ門『峠そば』の上品なバランス感覚にも驚いた。名物メニュー「峠そば(税込530円)」は、天かす、大根おろし、ゆで卵、ネギ、わかめと派手な具は1つも入っていないにもかかわらず激ウマなのだ。
天かすの食感、大根おろしやネギの辛みと爽やかさ、ゆで卵の甘みなどが、まるでパズルのように組み合わされて超上品な味を形作る。そばという枠を越えて、「日本食」の技術の高さを感じる店だ。
・最強立ち食いそば屋その3『がんぎ』
派手さで言うと、茅場町『がんぎ』の右に出る者はいない。プチプチ弾ける食感の麺から漂う豊潤なそばの香りは、連載120回を超えた今でさえ唯一無二である。もはや新しい食べ物。それが税込で470円なんだからぐうの音も出ない。
・最強立ち食いそば屋その4『そば政』
「ぐうの音も出ない」と言えば六町『そば政』。東京都の北のハズレで、電車やバスを乗り継がないと行けない立地と、短い営業時間から入店ハードルは秘境クラスなのだが、食べてみると思わず黙らされてしまう。
そんなストロングスタイルの味が税込で480円なんだからビビらずにはいられない。近隣に住みたくなった店No.1だ。
・最強立ち食いそば屋その5『常盤軒』
「最強立ち食いそば」を考える時に外して話を進めることができないのが、北海道・音威子府にある立ち食いそば屋『常盤軒』である。「日本一ウマイ駅そば」という呼び声も高いこのそば屋は、旭川から約2時間電車で北上したど田舎駅の駅そば。ちなみに、1日の電車の本数は上下共に7本程度である。
マジで1日仕事となった取材だったが、北海道の雄大すぎる風景の先にあった強烈なそばの風味は、今でも忘れることはできない。そばの風味と個性で言うと間違いなくNo.1である。
──以上、店や味の詳細についてはここでは書ききれないため、詳細が気になる人は各記事でご確認いただければと思う。
この連載も始まってもうすぐ3年。途中休んだりしながらも、なんとかここまで続けてこられたのもひとえに読者の皆さんのおかげだ。これからもまだ見ぬ立ち食いそば屋を求めて放浪していくので温かい目で見守っていただけると幸いです。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.