わたくしごとで恐縮だが、つい先日、私に蕎麦の魅力を教えてくれた祖父が亡くなった。
幼い頃から「美味しいお蕎麦屋さん」に連れて行ってくれて、ある意味、お蕎麦の英才教育をしてくれていたような気もする。
そんな祖父はうどん作りも名人級だったのだが、たまにお蕎麦も手打ちしていた。ボソボソとしている田舎っぽい、実に素朴なお蕎麦であり、私はこれはこれで美味しいなと思っていた。
今年の正月。まだ存命だった祖父に、うどんの作り方を聞きに行った時のこと。うどんの作り方を聞いているのに、祖父はなぜか蕎麦づくりの思い出を、何度も何度も私に伝えてきたのである。
じーちゃんが言っていたのは、簡単に言えばこういうことだ。