記者は牛丼が好きだ。ほぼ毎日、お昼には牛丼を食べている。そして、カレーも好きだ。ほぼ毎日、毎晩レトルトカレーを食べている。牛丼とカレーは日本の国民食。最近は、牛丼チェーン各店でこの2つを組み合わせたメニューを提供してくれる。誠に喜ばしいことだ。

では、これをカレーヌードルでやったらどうか。想像しただけでウマイに決まってるのだが、実際にやってみたところやっぱりウマイー!

おそらく、後のせで牛丼の具を盛ったことがある人はいるだろう。しかしそれだけでは、より深い味は楽しめない。そこで、牛丼のつゆでカップヌードルを作るところから始めた。

近所の牛丼店で、つゆだけ分けてもらえないかとお願いしたのだが、「それはちょっと……」と断わられてしまった。仕方なく、つゆだくの牛丼を2個頼んで、つゆだけ取り出すことに。しかしながら、どう見ても水分量が足りなかったので、レトルトの牛丼のもとから、水分を抽出。これを火にかけて沸騰しないように温める。

次にそれをヌードルの上に流し込み、あとは待つのみ。もう匂いがウマイ。匂いだけで気持ちは満腹だ。夏の暑い日に、海水浴で食べるカレーヌードルの味を思い出しながら、待つこと3分。ついにその時は来た! ふたを取ると、美しい黄金色が見えるではないか。

レトルト牛丼で水増ししたものの、水分が足りない様子だった。だが、問題はない。その上から牛丼の具を盛ってやる。するとどうだろう、夢の強烈タッグの誕生だ。まったく隙がない。頂きます! と手を合わせてズルリ。ウマイ~! もうひとつズルリ、またウマイ~!!

普通のカレーヌードルもタマらなくおいしいのだが、そこに肉の旨みと甘さが重なって、おいしさの波が打ち寄せているようだ。この逸品を海に例えるのなら、私は小船。大きな波に何度も飲まれて、今にも沈みそうである。いや、むしろ沈んでしまいたいのだ。

驚いたことに、食べ進めるうちに、味の深く濃くなって行く。水のように沸騰させることができなかったために、スープに粉末が沈殿してしまっていたらしい。本来なら、あまり良い状態ではないのだが、かえってそれが良い方向に働いている。肉の旨みの峠を越えると、そこに待っていたのは、スパイシーなカレーテイスト。予期せぬ追い討ちに、私は大興奮してしまった。

牛丼とカレーが出会う神秘の海を探求して行くうちに、私はついに食べ尽くしてしまっていた。なんということだろう、興奮して有頂天になり、全部食べてしまったのである。残念だ、次に作るまでは味わうことができない。私は胸のうちに感涙を覚えながら、ごちそう様と手を合わせた。

ちなみに、私は少々無駄なことをしてしまった。牛丼の具だけを提供する牛皿などのメニューを頼めば、ご飯を必要としないことに後で気付いたのである。牛丼カレーヌードルに挑戦したいと思っている方は、具だけを持ち帰るようにすると良いだろう。少々手間かもしれないが、是非つゆを温めてヌードルを作ることをおすすめしたい。お湯を使うよりも、味も旨みも深く濃くなるはずだ。ただし、高カロリーであることを忘れずに。

写真:ロケットニュース24