ハプニングバーで味わった「想定外の連続ハプニング」を体験者が告発 / 掲示板の書き込みを “改ざん” されるハプニングまで(その3)

先端:「その女性が、どんな人だったのかというと……。一言でいえば、存在そのものがハプニングな女性だったんです」

私:「どういうことですか?」

先端:「あくまでも私の主観なのですが、好みのタイプではなかったということです。ストライクゾーンに例えるならば、高めにすっぽ抜けたボールどころか、背中を通る軌道でボールが飛んで来たわけです」

私:「メジャーだったら一発で乱闘ものですね」

先端:「なお、見た目から推測するに、女性の体重は0.1トン近くあったかと思います」

私:「なるほど……」

先端:「ただ、店にいたオッサン連中は、その女性に群がりまくっているわけですよ。エサを奪い合う池の鯉かっていうくらい。女性を仮にAさんとするならば、『Aさん、このドリンク飲む?』『Aさん、今日の服かわいい〜』って感じで」

私:「いわゆる、工業高校の姫状態ってやつですか」

先端:「それ以上ですね。しかもですよ! Aさんはコスプレが好きらしく、店に用意されている衣装を色々と着たがるんですわ」

私:「体重が0.1トン近くあるのに、衣装のサイズ的には大丈夫だったんですか?」

先端:「一番デカいサイズの服でギリというか。お菓子詰め放題で、限界まで詰めた袋みたいになってましたね」

私:「ハプニングですね(笑)」

先端:「まあでも、それはいいんですよ。周囲のオッサンの反応の方が、僕にとっては想定外のハプニングでしたね」

私:「どんな感じだったんですか?」

先端:「それはもう、大絶賛ですよ。Aさんがコスプレ衣装に着替えて、みんなの前に姿を現した瞬間!  “お〜” っていう意味不明などよめきが……。

例えば、ナースの格好をしたら、オッサンどもが『Aちゃんかわいい〜』って誉めまくり、セーラー服を着たら『Aちゃん似合ってる〜』って声が飛び交いまくっているんです」

私:「想像すると、ちょっと怖いかも」

先端:「その雰囲気に、初心者の私は完全に引いてしまったんです。だから、もう帰ろうと思って」

私:「引いてしまったら、楽しむのは難しいですもんね」

先端:「頃合いを見計らって、『終電があるので失礼します〜』と告げたら、店のスタッフからこう言われたんです。『一緒にいたお客さんのために “今日はありがとうございました” とお店の掲示板に書き込んでくれたらありがたいです。ひと言でもいいので』

私:「店を出た後も面倒くさいですね(笑)」

先端:「僕も正直 “面倒くさっ” と思ったんですけど、未知の世界を教えてくれたのは事実ですし、後で何か言われるのもイヤだったから、ひと言だけ掲示板に投稿したんですよ」

私:「何て投稿したんですか?」

先端:「そのまま『今日はありがとうございました』って。柔道の試合の後に、対戦者に礼をする感覚とでも言うんですかね」

私:「完全に腰を引いたまま組み合ってたのに(笑)」

先端:「その後、しばらくしたら友人も店を抜け出して来たので、合流してから一緒に飲みに行きまして。その飲み屋で、ふと “僕の投稿は反映されてるかな?” と気になったんですよ。それで、店の掲示板を見たら……!」

私:「見たら?」

先端:「こんな感じになってました。

公開された投稿 → 『今日は楽しい時間をありがとうございました! みなさん、話やすくて本当に楽しかったです。そしてAさん、すごくかわいい♪ 何を着ても似合ってましたよ。また、お店に行ったときは、そのキュートな姿を見せてくださいね。ではまた〜!』」


私:「……盛りまくるにも程がありますね」

先端:「一瞬、他人の投稿かな? と思いました。でも、そこに表示されている投稿者ID的なものは、何度見ても間違いなく僕のものだったんです」

私:「つまり、そのようにして、書き込みが『改ざん』されたと」

先端:「はい。確かに、あの場にいた人は、改ざんされた僕の投稿を見ても全く悪い気はしないでしょう。でもですよ! 初めてハプニングバーに行く人は、お店の掲示板をめっちゃ参考にするんです。

そういうビギナーにとっては、大迷惑以外の何物でもないじゃないですか! 店のスタッフ、何してくれとんねん! って感じですよ」

私:「なるほど。でも、それもハプニングの1つなんじゃないですか?」

先端:「え?」

私:「もしかしたら、ハプニングバーのハプニングは、お店の掲示板を見たときから始まるっていうシステムだったとか?」

先端:「そっか。そう考えれば、粋なシステムですね……って思うわけないやろが! こっちはその掲示板見て店選んだんや! 2万返せや! 2万!!

<完>

Report:和才雄一郎
イラスト:RocketNews24.
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