タイやマレーシア、シンガポールといった東南アジアのスーパーマーケットをうろついていると、カラフルで個性的なツナ缶が目に留まる。

黒胡椒がこれでもか!というぐらい入った「ブラックペッパー・ツナ」、赤唐辛子が刺激的な「チリツナ」、マヨネーズを合わせる手間が省ける便利な「マヨネーズツナ」、マイルドなマヨネーズ味にピリッとした刺激をプラスした「ツナマヨ・ホット」、微妙なカレー味の「カレーツナ」、ココナッツミルク入りのスパイシーな麺料理「ラクサ」を再現した「ラクサ・ツナ」などなど、シーチキンファンが泣いて喜びそうなラインナップである。

ツナ缶の大きさは日本製のものと比べると約2倍もあり、内容量は概ね185グラム。ツナがゴロゴロ入っているので食べ応えがあり、焼き鳥の缶詰めのような印象だ。値段は1缶2.10シンガポールドル(約140円)程度。

パッケージにはおすすめの食べ方が掲載されているので、ご紹介しよう。ご飯の上にツナをがっつり乗せたツナ丼、ご飯に添えられたまるで鶏肉の炒め物のように迫力のあるツナ、パスタにもツナ、そしてもちろんサンドイッチにも……。記者のマレーシア人の友人Sは、「子どもの頃はツナ缶がおかずだった記憶がある」と懐かしそうに話していた。シンガポール人一家と暮らす友人Nは、「我が家には必ずツナ缶を常備しています。野菜と炒めたり、何かと活躍してくれるのがツナ缶です」と言う。

ツナ缶のラインナップや友人の話に刺激を受けた記者は、さまざまなツナ缶を試してみた。どういうわけか、パンよりもご飯が欲しくなる味のツナが多かったため、ツナ缶を開けるときはいつもご飯を用意することにした。10種類以上試した中で、ご飯の友に最適だと感じたのが先述の「ブラックペッパー・ツナ」と「チリツナ」であった。

ブラックペッパー・ツナ缶にはやわらかく煮たオニオンと大ぶりのツナが入っており、黒胡椒がアクセントになっている。サンマやサバの蒲焼きをピリッとさせた味というのが分かりやすいかもしれない。黒胡椒をかじると辛いが、ピリッとしてご飯が何杯でもいけそうな味だ。

チリツナ缶は、まず缶を開けたときの真っ赤なオイル、そして赤唐辛子が丸ごと入っていることに驚く。「か…辛そう」。実際めちゃくちゃ辛いが、この刺激が病みつきになる旨さなのだ(とはいっても唐辛子は食べない方がよい)。

缶詰めの製造メーカーにより味は多少異なるものの、それほど大きくは変わらない印象である。東南アジアのスーパーへ足を運んだ際には、ぜひあなたもツナ缶を試して欲しい。ご飯との相性がよいという理由をきっと実感できるはずだ。

(執筆・写真/sweetsholic)

▼シンガポールのスーパー。ツナ缶がびっしり陳列されている

▼チリツナ缶。赤唐辛子がごろんごろん入っている

▼おすすめの食べ方(パッケージ)