日本の会議は永遠と思えるくらい長い! 外国人7名に聞いてみた「日本の職場のいいところ・悪いところ」(後半)

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【No.5】30代アメリカ女性

やっていた仕事:出版会社のライターと編集者

働いていた期間:3年

悪いところ:外国人の意見は日本人の意見と比べると、軽んじられていたように感じます。その意見の対象が英語の教科書だとしてもです。同様に、英語の正確さや異文化への配慮より、消費者の欲しているものを提供することに重きが置かれていました。

また体裁がすごく大事にされていましたね。やるべき仕事がすべて終わっていようが、定時に帰ると嫌な顔されます。日本語の長い会議にも、顔を出すためだけに出席しなければいけませんでした。

他には従業員たちが不適切な仕事を任されることもよくありました。例えば英語を話せない人が英語のレッスン資料を作ったり、SNSを使っていない人がSNS戦略を考えたりです。

良いところ:職場のみんなはすごく協力的でした。お互いに仕事に関してのフィードバックをたくさんやり合ってましたし、多くのチーム会議や話し合いを通してプロジェクトを進めることができました。

また健康問題での休暇は全く問題ありませんでした。「病気でも職場に行かなきゃ!」というようなプレッシャーはなかったですね。

【No.6】30代イギリス男性

やっていた仕事:たくさんの中学校でのALT(外国語指導補助)

働いていた期間:5年

悪いところ:ALTの日本での英語指導に関する体験談はいろいろとありますが、私を一番驚かせたのは自分が教える教科に対して情熱や技術のない先生がたくさんいたことです。例えば絵が下手な美術の先生や、とても基本的な英語の文章が分からずALTを恐れている英語教師などは、私にとってただただおかしく見えます。

きっとそういった先生たちは基礎レベルの子どもたちだけを教えていたんでしょう。しかし私が本当に心配しているのは、実際にはきちんと英語を話せる先生たちが、英語ではなく社会や数学を教えている現状です。日本の英語教育が会話ではなくテストを重視している事実を鑑みると、これは致し方ないことなのかもしれませんね。

良いところ:一部の人はよくないものとして捉えているかもしれませんが、日本の先生たちの生徒に対する献身さには本当に感服しています。部活の朝練のため朝7時に出勤し、一日授業をする。そして放課後にまた部活の指導をする(場合によっては土曜日も部活指導)。そして部活の後に職員室に戻り、夜8時か9時まで働く。

こんな先生、私の母国イギリスで見つけることはほぼ不可能でしょう。これは日本の中学校教師では当たり前なことなのかもしれませんが、私には到底できないことです。

【No.7】20代アメリカ女性

やっていた仕事:大きな中学校でのALT

働いていた期間:2年

悪いところ:ひとつの学校でずっと働き、私の日本語が流暢だったのにもかかわらず、チームの一員だと感じたことは一度もありません。校長先生も教頭先生もとてもフレンドリーだったのですが、私をどう扱ったらいいのか分からないようでした。

今思い返すと、学校のすべての行事に参加したり、毎日子どもたちと昼食を食べたり、他の先生と同様に研修会に出席したりしていたのに、彼らは私をチームの一員というよりは「ゲスト」として認識していたように感じます。

良いところ:教え方がそれぞれ違う7人の英語の先生と一緒に働いたのは楽しかったです。重要なことは、なんでも進んでする気持ちと柔軟性を持つこと。また私は他の学科の先生たちと仲良くなる努力もし、多くの友人も作りました。時には食事に出かけたり、一緒にサッカーの試合を観たりしました。

……以上である。いかがだっただろうか? 実に興味深い意見ばかりである。こうやって見ると、多くの外国人が「新しいメンバーに対しての温かい歓迎」に感銘を受け、「日本の長すぎる会議」に不満を抱いているようだ。

やはりこういうことは実際に聞いてみないと分からない。みなさんも日本で働いている外国人が身の回りにいるなら、一度腹を割って日本の職場についてどう思っているのか話し合ってみるといい。きっとあなたも気づかない素敵な発見をもたらしてくれることだろう。

Report:田代大一朗
photo:RocketNews24.