日本では連日のように報道されている中国の反日デモ。一部では暴徒化しており、今後ますます悪化すると報じられている。だが実は、中国国内では地域によって温度差が激しいというのもまた事実。中でも今回の反日の流れを冷静に見ているのは、経済都市・上海の市民たちだ。

八百屋のおばちゃんや雑貨屋のオッチャンに「成都で反日デモがあったの知ってます?」と聞いてみても、押しなべて「知らん」の一言。

上海では2005年に大きな反日デモがあったのだが、その記憶もすっかり薄れているようだ。

上海在住の報道関係者いわく「上海では、反日デモが起きないように政府がネット掲示板や報道内容を制御しているようなんです」と語る。日系企業が集中する上海で反日デモが起きれば、中国にとっても経済的な打撃を被りかねないからである。

とある病院内の雑貨屋の店主は「日中関係は、首相が小泉のころから悪くなったね。北京から広州まで新幹線を作る計画あったけど、あれだって本当は日本の技術を使う予定だったんだ。ところが日中関係が悪くなったからその計画もボツになった。日本は中国に嫌われたら仕事なくなっちゃうぞ!」と冗談交じりに笑う。

政府間がギクシャクしても、上海市民の中には心優しい人も。マッサージ店の女性店長に「最近の日中関係どうでしょう?」と聞いてみると、「あんまり良くないよね。どうしたらいいのかな?」と苦笑い。「私にも分かりません」と記者が答えると、「でも、私たちの関係は悪くないよね。仲良くしようね」と返してきた。

かたや「日本憎し」で大暴れしているというのに、もう一方では「仲良くしよう」というのだから、不思議なもの。だがこれもまた、事実である。

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影