こんにちは。『iPhone 4』を購入するために『ソフトバンク表参道店』前に3泊4日で行列に並んだ佐藤です。結局、3泊4日もかけて並んだのにドコモの料金を支払っていなかったために『iPhone 4』を購入できなかった……。実は「ドコモからの乗り換えがダメなら新規で購入だ!」と思って申し込もうと思ったのだが、ここには書けない色々な理由で拒否され、手に入らなかったのだ(悲しくなるので詳しくは聞かないで欲しい)。

そんな私に、信じられないプレゼントが届いたので報告したい。そのプレゼントとは、『iPhone4』ソックリの手作り弁当だ。弁当を作ってくれたのは検索サイト『NAVER(ネイバー)』の美人広報担当として有名な金子智美さん

彼女は弁当を手作りで作ってくださったうえ、わざわざ私の自宅まで届けてくれたのである! ちょっと信じられない。これは何かのドッキリか? もしかするとこれは夢かもしれない。そう思って自分の顔面をパンチしてみたが、鼻の骨が折れたと思えるほど痛かった。これは現実なのだ!

7月2日、昼すぎのことだった。普段自宅で作業している私はそろそろお昼にしようかと、カップラーメンのお湯を沸かそうとしていた。その時、玄関をコンコンとノックする音に気付いた(ベルやインターフォンはない)。自分には友達がいないはずだし誰だろう? 怪しげな宗教の人が「あなたを幸せにしたい」と訪ねてきたのだろうか? 「本当に幸せになれるの!?」と思って2~3回くらい話に乗ったことがあるが、お金は減ったけど幸せになったことは一度もなかった。

また怪しい宗教が勧誘に来たのかと思って断わろうと勢いよくドアを開けると、そこには美人女性の姿が! 何かの間違いではないか。もしかして今度こそ幸せになれる宗教の勧誘かと思い、説明を聞くまでもなく「入ります!」と言ってしまいそうになった。

冷静になりつつ、新手の訪問販売ではないかと思いながらも、美人が訪ねてきたことが嬉しくて口元が緩む。「何か?」と尋ねると、「ネイバージャパンの金子です」とおっしゃる。よく見ると見覚えのある顔だった。それもそのはず。『iPhone 4』の行列に並んでいたときにTシャツをくれた方だ! そういえば「いつでも遊びに来てください」って名刺を渡していたっけ。

「どうも。その節は……」と、あいさつもほどほどに、いったい何の用事だろうとドキドキしつつ「何か用ですか?」と聞くと、彼女は「佐藤さん、『iPhone4』買えなかったんですよね。それで私から『iPhone4』の代わりのものをお持ちしました」と言うではないか! ウッソー!! マジッすか~!?

こんな情けない男を気にしてくれる人がいるとは思わなかった。私は大喜び。その場で思わずガッツポーズをしてしまった。玄関で立ち話も申し訳ないので、部屋へ上がって頂くことにした。玄関先で5分ほど待ってもらい、敷きっぱなしの布団をしまい、女性が見るとビックリしてしまうエッチなものを押入れに放り込んで、六畳一間の狭い部屋にお通ししたのだ。

うちには来客がない。誰も訪ねてこない。だから座布団もない。申し訳ないことに畳みにジカに座って頂くことに。汚いところですみませんと謝ると、「いえいえ。大丈夫です」と彼女。優しい人だ。こんな汚いところに美人をお招きするのはしのびない。これって女の人と二人っきりでデートみたいなもん!? リアルな『ラブプラス』みたいなもの!? ところで彼女は何を持ってきてくれたのだろうか。

金子さん  「実は『iPhone4』の代わりのものというのは、お弁当なんです」
佐藤  「お弁当?」
金子さん  「はい。『iPhone4』のお弁当を作りました」
佐藤  「手作りですか?」
金子さん  「はい。私が作りました。ちょっとご飯が硬くなってるかも」

手作り弁当キター!! 女性の手作り料理を食べるなんて、オカン以来だ! 生まれて初めてだーっ!! 私の心の中にはもう『iPhone 4』の文字は完全に消えていた。頭の中は『手作り弁当』だ。『彼女が私のために作った手作り弁当』である!『iPhone 4』を買えなかったことなんか、もうどうでもいい。オカンより若い女性にお弁当を作ってもらった感動で、私は打ち震えていた。

「ありがとうございます」と私は深々と頭を下げた。しかし、なぜ私に弁当を届けてくれたのか。その事情についてお伺いすると、「あの行列で一番場を盛り上げようとしていたのは、佐藤さんですよね。それなのに買えなかったのを、かわいそうだなあと思いました。代わりに『iPhone 4』を買うというわけにはいかないので、私のできることで何か代わりのものをお届けしたかったんです」とのこと。

なんて良い人だろう。正直なところ、私はあの場を盛り上げようという気はなかったのだが、一緒にこのイベントを楽しめたら良いとは考えていた。世界で一番最初に販売される日本で、購入できる喜びを並んだ皆さんと分かち合いたいとは思っていたのだ。結局自分は買えず、惨めな思いをしていた。

「ありがとうございます。おいしく頂きます」と私は再び頭を下げて、弁当を覗き込んだ。お弁当は『iPhone4』ソックリに作られている。白いご飯を海苔で囲い、まるでディスプレイのようだ。そのなかにカマボコなどでアイコンが並んでいる。驚いたことに海苔を丸く切り抜いて、ホームボタンまで設けられていた。お忙しいのに時間を割いて、このような贅沢なものを作って頂けるとは夢にも思わなかった。手間暇をかけて頂いたと思うと本当に頭が下がる。

ゆっくりしていって欲しかったのだが、次の用事があるということで10分程度で金子さんは帰ることになった。後から気付いたのだが、恥ずかしいことに私はお茶を出していなかったのだ。

佐藤  「もう少しゆっくりして行かれませんか?」
金子さん  「いや、次がありますので」

夢のような時間は瞬く間にすぎ、私はいつもの1人ぼっちに戻った。食べてしまうのが惜しかったが、弁当はおいしく頂いた。後にも先にも、私が女性にお弁当を作ってもらうことはないかも知れない。この味を忘れないように、一口ひとくちを味わいながら弁当を堪能した。

Photo by Rocket News24 Staff / 佐藤記者撮影 & 佐藤の知人