世界が見守るなか、中国初の宇宙ステーション天宮1号を乗せたロケットが、予定通り現地時間29日21時16分に轟音とともに空に向かって発射された。打ち上げ後、同21時40分軌道に入ったことが確認された。これを受け北京宇宙センターは「打ち上げは無事成功した」と公式発表。その成功に中国全人民が沸いた。

天宮1号は、「宇宙ステーション」と言われているが厳密にはその前段階の実験機である。今後2年間で宇宙船とのドッキング実験を3回行う予定。うち2回目と3回目は有人飛行で行うそうだ。有人でのドッキング実験の鍵を握る1回目の無人ドッキング実験は、近いうちに行われるのではないかとされている。

計画では2年間の実験をもとに、2020年に今後本格的な宇宙ステーションの建設に乗り出すそうだ。現在稼働中の国際宇宙ステーションはちょうど2020年にその使命を終える予定。中国の計画が成功すれば、中国の宇宙ステーションが唯一の宇宙ステーションとなる。

なお、懸念されている宇宙産業の軍事利用については今のところ否定。あくまで平和利用を強調している。

だが、いずれにせよこの天宮1号の打ち上げ成功は大きな意味を持つことに変わりはない。2020年、中国の宇宙ステーションが完成すれば、アメリカ・ロシアがけん引してきた宇宙産業界の勢力図が変わることは必至だと言える。

参照元:新浪新聞Youku(中国語)