【奇跡】マキシマム ザ ホルモン「マキシマムザ亮君」がなぜかロケニューに登場! その理由が実にヤバすぎた(2ページ目)

・ロックバンドのフランチャイズ化とは?

実際には吐いていないが、心の中では20回くらい吐いてから始まったマキシマムザ亮君へのインタビュー。まずは今回の本題である「バンドフランチャイズ」について聞いてみることにした。そもそもロックバンドのフランチャイズとは何なのか? そしてその目的は何なのだろうか?


──2月にフランチャイズ化を発表し、現在は2号店のメンバーオーディションが行われています。そもそものきっかけは何なのでしょうか?

「僕たち、こういうジャンルの音のバンドにしては多方面に活動しているんで、割と色んなジャンルの人間や世代が僕らの音楽を聴いてくれている方なんです。」

──ふむふむ。本当に幅が広いですもんね、ホルモンは。

「ポップでエンタメな要素もあるのでラウド系好きやサブカル、アングラシーン以外にも刺さるバンドだとは思ってはいるんです。だけども実際はお茶の間の人達が全員ホルモンを知ってるワケではないじゃないですか。まあ、そういう人たちに積極的に振り向いてもらう為に無理した活動をするのは、僕はロックじゃ無い気がして」

──なるほど。

「でも固定ファンに支えられて一つのシーンだけでマイペースに楽しく活動してるバンドもたくさんいますけど、それでは僕らなにか物足りないというか。だって僕らのことを今知らなくても、絶対にちゃんと知ってくれたら好きになってくれるヤツらはまだまだ隠れていると思うんですよ

地上波の音楽番組にもっと出ればいいじゃんって話かもしれませんが、それはバンドのスタンス的にはちょっとやりづらくて避けてきてまして……」



──ホルモンは音楽番組に一切出ませんよね。ダイスケはんとナヲちゃんがタモリ倶楽部にたまに出てるくらいのイメージしかありません。

「2006年に “恋のメガラバ” がヒットチャートに入った時、たくさんの音楽番組からオファーの声がかかったんです。でも、僕、テレビで流れる音のバランスからカメラアングルまで、全部自分好みにディレクションしたい面倒くさいやつなんで(笑)。テレビってそういう融通は利かないじゃないですか」

──確かに。

「あとやっぱり、自分が憧れたロックバンドがあまり地上波に出ていなかったので、いまも “テレビスタジオで演奏なんて自分らの柄じゃない” って思ってるとこもあるんですよね。

ありがたいことに20年以上バンドやってるのに、若いファン層も多いし、CDのセールス的にも好調ではあるんですけど、このまま自分の音楽を食わず嫌いのままいられるのは悔しいっていう永遠のジレンマがありまして……」

──ふむふむ。

「僕はよくラーメンに例えるんですけど、ラーメン二郎ってやっぱり次の若い世代の食いしん坊たちが自然の因果的に集まってファンが継承されていくじゃないですか。広告打って宣伝してるワケでもないし、コンビニでインスタント化もしていないのに」

──ホームページすらないですもんね。

「例えば、ラーメン二郎があのラーメンを食わず嫌いしてる客層を意識して、味を無理に変えて薄めてまで新規ファンを獲得するような事は絶対にしないと思うんです。それは僕らも同じで。でも、挑戦はしたいんです。食わず嫌いの人たちに食べさせたいというロマンへ」

──ロマンですか。

「上品なセレブの奥様だって、実はラーメン二郎が味覚的にドンピシャに好みって人も中には存在すると思うんです。音楽も一緒で、僕らみたいなジャンルの音楽を聞かない人も “きちんと味わったら本当はハマる人もいる” って信じているんです。

やっぱりそういう人に食べてもらえないままは悔しいじゃないですか。ただ実際問題として、今までのスタンス変えて、そういう人に向けてアプローチする活動に変えるエネルギーも時間も無くて……」



──まあ、無いですよね。

「そうなんです。だから、僕ら本店は味を変えないし、店を無理に大きくしたりもしない。そこで2号店の出番なわけです!」

──すごい説得力ありますね。確かにフランチャイズだ。

「だからといって2号店も味は変えさせません。ちゃんと本店と同じ基本のホルモン流のコッテリは守ってもらいたい。でも、本店とは違う調理方法だったり、違う丼に乗っけたり、違うトッピングや盛り付けをして、違う雰囲気の店構えにする事で、もしかすると本店の方に一生足を運ばなかったお客さんが、そっちには足を運んでくれるかもしれない。

そして、僕らの遺伝子を受け継いだ味を、そういう人たちが美味しいと口にしてくれたら、それはもう子供が親の仇を取ってくれた事と同じなんです(笑)」

──それは確かにロマンがありますね。

「僕は大山のぶ代さん世代のドラえもんで育ったんで、声優さんが代わって10年くらい経ちますけど、いまだにちょっと違和感があるんですよね。ただうちの子供たちは大山のぶ代さんの声だと “ニセモノだ” ってとんでもないこと言うんですよ(笑)。でも、それって逆に重要なことだなと思って」

──というと?

「子供たちにとっては、いま目の前にあるドラえもんが本物なんですよね。映画のドラえもんなんて、同じタイトルで、基本のストーリーは特に変わらないけど、絵がCG使ったり綺麗で見やすくなって、声優さんも代わって、色んなアプローチが変わってリメイクされている。これをバンドで出来たら熱いぞ! と」

──なるほど、それがフランチャイズか。とてもしっくりきました。


インタビュー開始10分で、2ページ目も終了してしまうというまさかの事態。これでも端折っているのだが、イチ腹ペコとして少しでも多く亮君の声を届けたいと思うから仕方がない。果たして記事は何ページになるのか? とりあえずはマキシマムザ亮君が2号店の難しさを語ってくれた3ページ目へ急げ!

参考リンク:YouTube「ガチンコ ザ ホルモン~コッテリの継承者たち~」マキシマム ザ ホルモン公式サイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.