うどんといえば? そう聞かれると真っ先に思い浮かぶのは「うどん県」こと香川県だが、実を言うと埼玉もスゴいらしい。なんでも「うどん共和国」とも呼ばれ、地域に根付いた特色あるうどんが豊富なのだとか。

中でも興味深いのが「武蔵野うどん」で、当サイトのサンジュン記者によると硬すぎてアゴがぶっ壊れそうになったという。

それって、フニャフニャうどん育ちの福岡出身者(私)が食べたら本当にぶっ壊れてしまうんじゃ……?

・東村山のお店へ

ということで、怖いもの見たさから慣れ親しんだうどんとは真逆の世界へと足を踏み入れてみた。

ちなみに武蔵野うどんは埼玉の西部から東京の多摩地区にまたがる郷土料理で、コシの強い「手打ちうどん」のこと。

特徴としてはつけ麺タイプなことで、肉汁に冷たいうどんをつけていただく「肉汁うどん」が人気らしい。

今回やってきたのは東京の東村山市にある「久兵衛屋」。埼玉県を中心に約50店舗を展開しているうどんチェーンで、すき家やはま寿司などと同じゼンショーグループである。


入店してタッチパネルのメニューに目を通すと、さっそく「肉つけ汁うどん」の文字が現れた。

天ぷらもオススメだと書いてあったので、肉つけ汁うどん天ぷらセット(1078円)を頼もうとしたのだが、ここで私はいきなり洗礼を浴びることになった。


な、なんと……


トッピングの時点で「麺やわらかめ」という項目があったのだ。ラーメンでもないのに「カタ」とか、そういう概念があるのかよ……!!

・思った以上にスゴい

さて、まだ食べてもないのにちょっとビビってしまったが本番はここから。注文から待つことしばし、人生初の武蔵野うどんが卓上に運ばれてきた。


うはぁ、バリうまそう!


とも思ったが……


想像以上にうどんの圧がスゴい。硬い、硬いとは言っても……ねぇ? とちょっとナメていたが、どうやら手加減は一切なしで油断するとマジでやられるっぽい。もう見た目が小麦粉の塊ですやん、コレ。

・実食

麺の形をした餅みたいにも見えるし、飲み込むのも苦労しそう……と震えるも、ここまで来たら覚悟を決めて食べていこう。


フニャフニャの麺で甘やかされて育てられた私のアゴよ、さようなら……。


恐る恐る食べてみると……



_人人人人人人人人人人人_
> 硬 す ぎ !! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


マジかよ、コレ……見た目で小麦粉の塊かと思ったが、実際に口に入れたらマジで小麦粉を食ってるかとも思うくらいに小麦の味がして硬いじゃないか。

でもって、コシも半端ないから口の中がうどんで一気に制圧されてしまった。うどんって、もっとこう……ズルズルいけるのが普通やろうもん……!

ラーメンならあまりに硬すぎるとお腹を壊すって聞いたことあるぞ。ていうか、そもそも食べ切れるのかコレ!?

もういろんなことが頭の中をグルグル駆け巡ったが、食べ続けていたらなかなかどうして美味しく、不思議とクセになっている自分がいたから驚いた。

麺をズルズルと一気にいくのも美味しいし、噛んでみたら噛みごたえもありまくりでたまらないのだ。

油そばの麺に似たワシワシ感の食べ応えがあって、それでいて食べやすさもあるから不思議。それもこれも、可能にしているのはきっと……

ダシが利いた醤油味の温かいつゆだろう。ここに硬い麺が入るとアラ不思議! 硬いのにズルズルといけちゃう!!

しかも、肉がケチることなく、たくさん入っているのが好印象。油揚げ、ネギとも組み合わせもいいからスッカリ気に入ってしまった。

麺こそめちゃくちゃ硬いけど、甘めのつゆだから甘口醤油がメジャーな九州でもこの味を好きな人は多そうだ。

・気に入った

満腹度がとにかく高いし、また食べたいなぁと思わされた武蔵野うどん。種類は完全に別だが、油そばのような中毒性も感じるから次は別の店舗でも味わってみたい。

ちなみに周囲のお客さんを見ると、年配の人も多かったし硬いから食べにくい(飲み込みにくい)ということもなさそう。老若男女問わず幅広く好まれそうだし、もっと広まってもおかしくないと感じたのだった。

参考リンク:ちょこたび埼玉
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼天ぷらもサクサクしていてウマかった!

▼東村山駅前には志村けんさんの銅像があるぞ。何気に初めて見た