この1週間、ある理由で私(中澤)の食事はほぼもやしだけになった。取材以外はもやしを炒めて醤油とかかけて食べている。それにより、体重が1.5kg落ちたことは以前の記事でお伝えした通りである。

そんなもやしだけ生活が72時間を迎えた8月7日、大阪王将の店頭で「厚切り犇(ひしめ)く豚焼肉炒飯」という新メニューの看板に出くわした。大阪王将よ……なんて罪な見た目のものを出しやがるんだ……!

・メニュー写真にヤラれた

どうやら大阪王将は2024年9月で55周年を迎えるらしく、本メニューは55周年記念メニューであるようだ。記念メニューだからか税込1280円と高めだが、その代わり炒飯を埋め尽くすほどの肉がメニュー写真では見て取れる。

これは封印を破るに値するメニュー。72時間もやしだけを食べているのは決してダイエットのためではなかったため迷わず入店した。

・実物

タッチパネルで見てみると、トッピングとして炒飯大盛220円ができる模様。もちろん選んだのは大盛だ。こちとら倍かかってもいいから肉も大盛にしたいくらいだぜ。

デフォルトでどれだけ入ってるかとか関係ない。とにかく、大盛という大盛は全てつけたいくらいの気分なのだ。しかし、肉大盛がなくて良かったと言えよう。なぜならば……

実物もしっかり肉に覆われているから。しかも、この豚肉、なかなか分厚いぞ! レンゲに収まりきらないくらいの肉を無理やり押し込めて持ち上げると重みを感じる。厚みだけでなく幅も広いので、詰め込むように口に入れて噛むと……

・食べてみた結果

脂身から迸る脂に甘みすら感じた。噛めば噛むほど、そんな豚肉の脂と照り焼きっぽい甘辛いタレが口いっぱいに広がっていく。うおおおおおおお! なんて鮮やかな味なんだ!!

世界に色が戻ってくるようだ。肉ってこんなに心を彩ってくれるものだったのか。豚肉って凄い。そう思いながら炒飯を食べてみたところ……

気を失いかけた。卵の豊潤さとタレのコントラストで包まれたご飯の味が鮮烈すぎて眩暈すら覚える。ウマすぎてもはや眩しい。炒飯SUGEEEEEEE! 大盛にして良かったァァァアアア!!

もやしでは絶対にたどり着けない領域があることを思い知らされた。これぞ素材の味! 染みるぅぅぅ~~~~!!

・大阪王将の味付の向こう側

普段の大阪王将は、味付が前列、素材の味が後列で戦っているイメージだが、素材の味も最前列に出て攻めてきている。これは72時間もやししか食べてないからこそたどり着いた感覚と言えるだろう。

ドラゴンクエスト4で例えるなら、作戦が「みんながんばれ」から「ガンガンいこうぜ」になったくらいの違いを感じた。72時間もやしだけで生活したからこそ見えた大阪王将『厚切り犇く豚焼肉炒飯』の濃い味付の向こう側。やろうと思ってやったことではないのだが、またやってもいいかもと思わされたのであった。イオナズン!

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.