最初にセブンイレブンのパンコーナーでそれを見たとき、なにかの間違いかと思った──
新発売された「ミルフィーユ食パン」と「デニッシュ食パン」の見た目があまりにも似ていたのである。
さらに目をやると「デニッシュブレッド」なる商品まであった。ほとんど見た目が同じパンが3つ売られているのだ。意味不明。
セブンイレブンの棚といえば、売れないものはまず置かれない、群雄割拠の地である。これはいったいどういうことなのか?
・ミルフィーユ食パン、デニッシュ食パン、デニッシュブレッド
なんでも最近流行りの食べ物だという「ミルフィーユ食パン」。
ミルフィーユのように層になっていて「本をめくるようにはがして食べられる新感覚の食パン」らしい。さけるチーズとか、さけるグミとか、割いて食べる物ってなぜか妙にひかれるもんな。
しかし、すぐそばにはよく似た「デニッシュ食パン」と「デニッシュブレッド」も置いてある。違いがわからねえ。
・3つとも買って調べる
実際に買って並べてみたが……パッと見は同じ。全部、穴の空いた小さい食パンである。
さらに、袋から出して3つ並べると見た目はそっくり。こころなしか、ミルフィーユ食パンの穴が大きいようにも思えるが。
それぞれ詳しく見ていきたい。
・ミルフィーユ食パン(192円)
製造元は武蔵野フーズ。カットされておらず、半斤くらいの大きさでそのまま売られている。穴が大きい。
・デニッシュ食パン(149円)
こちらも武蔵野フーズ製造。違うのは2枚切りになっているという点。こころなしか「ミルフィーユ食パン」よりも生地の穴が小さい気がする。
・デニッシュブレッド(149円)
こちらだけ山崎パン製造。こちらは3枚切りになっている。穴ポコが空いていなくて、生地がうっすら黄みがかかっている。
・実際に食べてみる
まずは話題の「ミルフィーユ食パン」(武蔵野フーズ製)から。
レンチン推奨で、500Wで軽く加熱したあと、生地をめくりながら食べてみるが……。
ふむ。めくって食べられるのは新感覚と言えば新感覚だけど「別に食パンをめくりながら食べたくはない」という感情が湧いてくる。
バター分は多いけど、普通のデニッシュより甘さは控えめなので、サラダとかメインと合わせやすそう。主食っぽく食べられる感じはある。
お次は「デニッシュ食パン」(武蔵野フーズ製)。
こちらもレンチン推奨。温めるとめくりやすくなる……と書いてある。ん? こっちもめくって食べるの???
で、言われたとおりにチンしてから食べてみると……先ほどの「ミルフィー食パン」と同じようにめくれるし、味もほぼ同じではないか……。
えっ、えっ? 半分に切ってあるかどうかの違いしかなくない? どういうことだってばよ……。
最後に「デニッシュブレッド」(山崎製パン製) 。
これまで同じ味だったらさすがにどうしようと思ったが、味も食感もちがってホッとした。
まず、層になってないのでめくって食べることはできない。そして生地はふっくら柔らか系でほのかに甘みがある。
これぞまさに食べたことのある、おなじみの「デニッシュパン」だ。これよこれ……。
・結論
実際に食べ比べたり、裏面の原材料を見た結果。以下のような結論となった。
デニッシュパンならではの甘さを求めるなら、ヤマザキパン製の「デニッシュブレッド」がおすすめ。
めくって食べたいなら武蔵野フーズが作っている「ミルフィーユ食パン」か「デニッシュ食パン」。
調べたところこの2つは原材料がほぼ同じで、味もほぼ同じ。ひょっとしたら製法がちょっと違うのかもしれないけど、限りなく似ている。
ちなみに、個人的には山崎製パンが作っている「デニッシュブレッド」が甘みがあって好みだった。
しかし、なんでこんなに似たような商品をセブンは3つも並べて置いているのか。
ひょっとしたら、もともとあった「デニッシュパン食パン」をトレンドに合わせて「ミルフィーユ食パン」という名前に変えて値段を変えたのかな……などと想像したけど、真相やいかに。
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.