硬いバスタオルが好きである。理想は使い古したコットン100%で、フワフワのカケラもないようなものこそ至高である。バスタオル売り場には「フワモコ」みたいな言葉がよく並んでいるが、ぶっちゃけあんなのクソ食らえ。もっと……もっと硬いやつをくれ!!
体をゴシゴシ拭けて、水分も素早く吸ってこそのバスタオル。きっと私と同様に硬いタオル以外を認めない “硬いタオル過激派” は一定数いることだろうが、先日「あえてカタいバスタオル」というなんとも気になる商品を見つけた。ほぉ……あえて、か……!
・老舗が作ったバスタオル
名前にあるように「あえてカタいバスタオル」はもともと硬く作られているものだ。製造しているのはハートウエルなる会社で、1930年に愛媛県の今治で創業……つまりはタオルのプロだからいやが上にも期待してしまってマッハでポチった。
なお、バスタオルの種類はバリカタ(←ラーメンかよ)とカタの2つで、値段は前者が3300円で後者が2970円。どちらにしても少しお高いなと思うも、そこらへんはきっとゴリゴリのパフォーマンスをしてくれるに違いない。何事も経験してみないと価値は分からないのだ。
・バリカタを使ってみた
ということで、まずはバリカタから使ってみよう。サイズは120cm×60cmと標準よりちょっと小さめといったところだろうか。とりあえず広げてみると普通のバスタオルのようではあるが、手にとってみたら結構薄い。
そしていきなりザラッとした質感があるだけに、風呂上がりに体をゴリゴリ拭かせてくれそうである。あと気になるのは水をどれだけ吸ってくれるか。そのあたりやれるのかい、やれないのかい、どっちなんだい……と使ってみたところ……
こ、これは……!!
お分かりいただけるだろうか。吸いっぷりが鬼である。いつも通りに体を拭いただけなのに、濡れていないところが結構ある圧倒的吸水性っ……! しかも、ゴリゴリ感は一発目の使用ながら使い込んだコットン100%にも負けていない!!
ま、まるで体を洗うゴシゴシタオルで拭いているような感覚というか……それでいながら、わずかにスベッとした繊細な優しさを肌で感じるから驚いた。これがプロの技……さすが老舗である。
加えて、タオル自体がとにかく軽いことも見逃せない。使い古したバスタオルは硬くなるかわりに重さを感じる(個人的に)ものだが、「あえてカタいバスタオル」はフワッとした軽さで快適に使うことができた。
また、洗濯して干してもバリカタはすぐさま乾いたし、かなり計算されて作られているのがよく分かる。硬いタオルにお金を惜しまないという人は3000円をつっこむ価値があるだろう。うむ、これはよい。
・カタはどうか?
ではもう1つのカタはどうか。もう結論から言ってしまうが、ちょっと中途半端になったかなというのが率直な気持ちだ。というのも、肌触りがバリカタに比べてちょっとソフトになった上……
目に見えてバリカタと比べると水の吸いも甘いし、硬いタオル過激派の私にとっては物足りなさが残った。なんというか、優しさを出しちゃった感じがした。そもそも「あえてカタいバスタオル」の購入を検討する人は硬いタオル好きなのだ。
そこをターゲットに定めている以上、ハッキリとした使い心地が分かる方がよかった……と思う。硬いタオル過激派はゴリゴリ拭けてナンボだし、これは硬いタオルに興味がある人向けで「お試し用」といったところか。
使い倒して仕上がったコットン100%の硬いタオルもいいものだが、デフォで硬さが作り込まれているとあってレベルの高さを感じた「あえてカタいバスタオル」。硬いタオル過激派が使うならバリカタ一択。もしかしたら自分は硬い派なのかも……という人はカタから始めてみるといいのではないだろうか。