車を運転しない者にとって縁がない道の駅。特に、東京都心部に住む人にとっては無縁の世界と言えるだろう。車がなくても生活に支障がない上、そもそも道の駅もないからなあ。まあ、要は高速のサービスエリアみたいなもんでしょ?

と思いきや、道の駅には結構なカオスが広がっているらしい。400~500駅巡っているマニアであっても、いまだに衝撃を受けることがあると言うのだ。そもそも、道の駅ってそんなにあったんだ……。

・趣味が高じてYoutuberに

話を伺ったのは、道の駅マニアである「スーザン。(@bellyou24)」さん。お笑い芸人として活動する傍ら、趣味が高じて道の駅を巡るYoutubeチャンネル『拝啓、道の駅から』を開設。道の駅Youtuberとしても活動している。そんなスーザンさんに衝撃を受けた道の駅10選を聞いてみた。


・道の駅富弘美術館(群馬県)

スーザンさん「ここ、道の駅なのに主な施設が美術館なんです。道の駅って何なんだ? 当時、道の駅の概念をぶち壊されたことを覚えています。名乗ったもん勝ちなのかな……と。一方で、裏手から見えるダムと紅葉が綺麗で癒しポイントとしては最高なのが良いところですね」


・伊東マリンタウン(静岡県)

スーザンさん「伊東マリンタウンって言うだけあって、マンガ盛りみたいな爆盛り海鮮丼があるんですけど、それだけじゃなくて、建物も可愛く、温泉もあって、広くて、テラス席から海が見えるロケーションも素敵。外観、温泉、景色、立地、グルメ、買い物と全てを網羅した道の駅です。

道の駅という存在は常に成長して、人々の心を惹きつける存在なんだなと感じました。都内からも日帰りで行けるのでオススメです」


・伊良湖クリスタルポルト(愛知県)

スーザンさん「道の駅マニアは絶対知ってるのが愛知県の『伊良湖クリスタルポルト』です。ここはいわゆる、フェリー乗り場で、道の駅と言ってるので道の駅なんですが、営業不振のためかレストランや直売所が撤廃されてまして。

廃墟に近い建物にお手洗いと裏手にひっそり押せる道の駅スタンプがあります。非常に味わい深いですね。渥美半島の先まで行ってようやく会えるところもロマンを感じます


・道の駅とみざわ(山梨県)

スーザンさん「ここの名産品はタケノコなので、シンボルマークもタケノコになってます。名産品を強く押し出すために目立つタケノコをモニュメントにする真っ直ぐな考えに熱さを感じます。

さらに、グルメについても、タケノコバーガーやタケノコの饅頭など、やれるものは全部やる。そのどこか負けず嫌いなスタイルに胸が熱くなります。最近、リニューアルしたんですが、もちろんシンボルマークは健在です」


・道の駅猪苗代(福島県)

スーザンさん「猪苗代湖の近くにあるこの道の駅は福島名物ソースカツ丼が美味すぎる! 嫌みのないソースと厚切りのカツ。道の駅のグルメって基本的に美味しいんですけど、さらに上をいく本格派の味でしたね。猪苗代湖、磐梯山もよく見える位置にあるのでロケーションも最高です」


・道の駅どなり(徳島県)

スーザンさん「グルメで言うと別方向で極めているのが徳島県の『道の駅どなり』です。うどんにパンケーキがトッピングされた『パンケーキうどん』には衝撃を受けました。ちなみに、パンケーキにうどんを挟んだ『うどんパンケーキ』もあります。

これを筆頭に、随時攻めたメニューが更新されているところに努力を感じずにはいられません。僕はお笑い芸人なので、努力してる人は憎めません。唯一無二の道の駅と言えるでしょう」


・道の駅国上(新潟県)

スーザンさん「衝撃度で言うと一番大きかったのが新潟県の『道の駅国上』です。リニューアルして生まれ変わったんですが、軽トラを店内に置き、野菜や米やキャンプ用品をズラーっと並べるレイアウトはここだけ。

そして、道の駅の裏手にはキャンプのイベント会場のような素敵な休憩スポットもあります。さらに、手ぶらでできる日帰りキャンプに夏は冷たい水が身体を休める足湯まで登場します。最先端の道の駅かつ常に成長をしていて食事も美味しい。ハッキリ言って最強ですね」


・道の駅越後市振の関(新潟県)

スーザンさん「ここはほぼヤマザキショップに支配されています。直売所っちゃ直売所なんですけど、ここまでコンビニがメインなのは衝撃でしたね。情報館の2階からは時間が合えば電車と、広がる日本海を撮影できるのは良いところ。こんなヤマザキショップなかなかありませんよ。おっと、道の駅でした」


・道の駅奈良井木曽の大橋(長野県)

スーザンさん「道の駅って何なのか? おそらく、ここを訪れた人でその問いに直面しない人はいないと思います。なぜなら、道の駅って言い張ってますが、あるのは橋だけ

一応橋の先には直売所的なものがあるみたいなんですが、その直売所的なものは道の駅とは関係ないので、論理的に考えると実質この橋が道の駅ということになります。何を言っているか分からないと思いますが、私も分かりません。1つだけ確かなことはここが道の駅ということだけです


・道の駅宇津ノ谷峠(静岡県)

スーザンさん「これまで紹介したものに比べると、見た目は普通の道の駅なんですが、実は超レアなのが静岡県の『道の駅宇津ノ谷峠』です。実はここ、車で走っていったら道の駅が3つに分かれてるんですね。その2つは静岡市、もう1つは藤枝市になっています。

すなわち、1つの道の駅が市を分けて存在しているんです。こんな道の駅あるんですね。人より知ってるつもりでしたけど、自分まだまだヒヨッコでした。調子に乗ってすみませんでした


・道の駅南アルプスむら長谷(長野県)

スーザンさん「長野県の山中に知る人ぞ知る道の駅があります。『道の駅南アルプスむら長谷』っていうんですけど、なぜ知る人ぞ知るのかと言うと、ここのパンが超美味しいんですね。朝1番で行かないと売り切れて買えない場合もあるくらいの大人気ぶりで、道の駅マニアの間では幻のパンとして知られています。

僕は、運よくパンを食べることができたんですが、期待を超えてきましたね。存在を知っていてもなかなか行けない場所ということもあり、とにかく衝撃的な体験でした」


・未知の世界

以上。さすがは400~500駅も道の駅を巡っているだけあり、いずれも非常に個性的。カオスというのも分かるくらい、ルール無用の状態となっていることが伝わってきたのであった。

ちなみに、スーザンさんいわく、道の駅は全国に1200駅はあるとのこと。ひょっとしたら、まだまだ衝撃の道の駅が発掘されるかもしれない。そんなアドベンチャーの行方はYoutubeチャンネル『拝啓、道の駅から』でご確認いただけると幸いである。

参考リンク:Youtubeチャンネル『拝啓、道の駅から
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
道の駅画像:スーザン。
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▼幻のパンがある長野県『道の駅南アルプスむら長谷』の動画はこちら

▼「道の駅を創る」ことが目標のようだ

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