スーパーで買うパスタ、うどん、ラーメン、つけめん、そうめん、やきそば……ほとんどすべて、お店の味が再現できるほどにまでクオリティが高まっている……と思う。

それに対して、そばはどうだ。まずくはない。だが、どうしても「家そば感」から抜け出せなていないような気がするのだ。「お店のそば」と「家そば」の差は歴然としており、イチローとニッチローくらいは違う。

「お店の味を家で」なんて贅沢は言わない。だが、せめて「家そば」の「家」を出るくらいのそばが食べたい。たくさんあるうち、どれが「店に近いそば」なのかを知りたい。当連載は、その答えを知るために始まった。

記念すべき第1回目は、スーパー(西友)で購入した『蕎麦通の更科八割』である。メーカーは「おびなた」で、価格は3人前入りで298円だった。

湯を沸かし、3分ほどゆでると……

家が更科になった。


して、そのお味は──


普通に美味い。ツルツルしてて更科感あり。しかし結論から言うと、家から出られたかと言われたら「出られなかった」と答えざるを得ない。あまりにもツルツルしすぎてて「太めの素麺」とも言える感じでもあり……。

玄関までは行けた。だが、そこから一歩が出なかった。つまるところ『蕎麦通の更科八割(おびなた)』はギリギリ「家そば」であり、「店に近いそば」からは遠い存在であったことを報告しておきたい。

もう少し価格の高いそばを選ばねば、家からは出られないのか? しかし、いきなり高価なそばを注文したら連載が終わってしまうので、徐々に徐々に価格帯を上げていきたいと思っている。次回につづく。


執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24