回転寿司には寿司を食べに行くもの……という考えは、もしかしたらもう古いのかもしれない。いまやどの回転寿司も「ポテト」は激ウマだし、スイーツやコーヒーまで揃っている。それだけで成り立ちそうなほど回転寿司のサイドメニューは充実しまくりだ。

その回転寿司のサイドメニューで、最もポピュラーなのが『茶碗蒸し』ではないだろうか? 第12回の「4大回転寿司ガチ食べ比べ」は回転寿司の大鉄板サイドメニュー『茶碗蒸し編』をお届けしたい。

・茶碗蒸し、全部おいしい説

そもそもなぜ回転寿司では、あたり前のように『茶碗蒸し』が提供されているのだろうか? 実は茶碗蒸しの材料である、たまご・しいたけ・かまぼこ・エビなどが「寿司屋で取り扱いのあるネタだから」だと、昔テレビでやっていた。

寿司屋に限らず「美味しくない茶碗蒸し」など世の中に存在しないかと思われるほど、茶碗蒸しの安定感は凄まじい。寿司ネタだとスシローが強いイメージがあるが、茶碗蒸しなら他の回転寿司も勝算が高いのではないだろうか?

・1日で4軒ハシゴ

さて、調査方法は可能な限り正確なジャッジをするため、1日(実際は3時間程度)で4つの店舗をハシゴした。訪れた店は「かっぱ寿司」「くら寿司」「はま寿司」「スシロー」の順番である。

先述の通り「美味しくない茶碗蒸し」など無いと信じているが、逆に「超ウマい茶碗蒸し」に巡り合うのも難しいのではないだろうか? 気になる結果はというと……。


・かっぱ寿司の「茶碗蒸し(220円)」

しいたけのダシが効いたオーソドックスな茶碗蒸し。具は鶏肉・かまぼこ・枝豆・しいたけで、どちらかというとアッサリ系の味わいだ。おそらくではあるが、この茶碗蒸しを食べてイマイチだと言う人はいないハズ。教科書通りの正統派茶碗蒸しであった。


・くら寿司の「茶碗蒸し(199円)」

具はタコとカニカマ、あとは三つ葉が散らしてあるだけだが、タコのダシが個性的で非常に美味。特に「回転寿司ならではの茶碗蒸し」という点でみれば、くら寿司の茶碗蒸しがズバ抜けていた。くら寿司に出かけたら絶対に食べて欲しい一品。


・はま寿司の「あおさとたらこの茶碗蒸し(286円)」

たらこのインパクトが抜群の茶碗蒸しであるが、結論から申し上げると4店舗では最も評価が低い。全く「おいしくない」というワケではないが、ダシとたらこの相性がさほど良いとは思えなかったうえ、あおさの風味がたらこに殺されている。

具は、しいたけ・たけのこ・ぎんなん・カマボコと充実しているものの「ビジュアル重視感」は否めない。フタを空けたときのビジュアルはかなり良いが、味が付いて行っていない印象だ。なお、価格も4店舗で最も高かった。


・スシローの「あんかけ茶碗蒸し(220円)」

商品名の通り、あんがかかった茶碗蒸しで、具は鶏肉・たけのこ・えび・ほたてが入っている。あんとタマゴの塩分が絶妙に違い、それぞれが交じり合うマリアージュが楽しめる。とはいえ全体的にはクセが無く、上品なお味の茶碗蒸しであった。


最終ジャッジをする前に申し上げておくと、やはり「美味しくない茶碗蒸し」は存在しないようだ。はま寿司だけはやや辛口な評価になってしまったが、率直に「ちょっと狙いすぎている」というだけである。

・オススメはくら寿司

で、4店舗のうち最も印象が良かったのは「くら寿司」の茶碗蒸しだ。タコのダシがギュッと詰まった茶碗蒸しは「これぞ寿司屋の茶碗蒸し!」という感じがしたし、純粋にウマかった。これは一食の価値ありである。

今回改めてわかったことは「どの店の茶碗蒸しもウマい」そして「特にくら寿司の茶碗蒸しはウマい」ということだ。特にくら寿司に出かけたら、茶碗蒸しをオーダーしない手は無いぞ。

参考リンク:スシローはま寿司くら寿司かっぱ寿司
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.


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