11月の天体イベントラッシュが止まらない! 先日の「おうし座北流星群」に続き、今度は「しし座流星群」がピークだ!! その名の通り、しし座の首のあたりに放射点がある流星群。

見ごろとなるのは17日の深夜から18日の未明にかけて。はたして今夜、流星は見られるのか!? しし座についてや観測に際してのコツなどを、各地の天気と合わせてお伝えするぞ!!!

・しし座

しし座と言えば、一番明るいレグルスがスピカ(おとめ座)やアークトゥルス(牛飼い座)と共に春の大三角を成す(レグルスのかわりにしし座のデネボラのケースも)というのを子供の頃に教わった方も多いのでは。

今は春どころか冬が本格化していくタイミングだが、この3つの星はちゃんと三角形を成している。まあ、流星群のピークは18日の午前2時ごろで、その時間はアークトゥルスもスピカも地平線の下なため、目印にはならないのだけれども。

ただし、ちょうどその時刻に真東の空の低いところにある一番明るい星がレグルスなので、見つけるのに苦労はしないはず。


・ネメアの獅子

せっかくなので、今日は しし座の持つストーリーにも軽く触れておこう。多くの星座はギリシャ神話が元ネタ。そして しし座もその1つ。神話の英雄の中でも知名度ぶっちぎりなヘラクレスに倒された、「ネメアの獅子」が星座になったものとされている。

その毛皮は剣や弓など全く効かないほど丈夫。弓が効かないため、ヘラクレスはこん棒で殴るなどして追い詰めた後、首を絞めて倒したという。ちなみにヘラクレスのこん棒での打撃力は、ワンパンでジブラルタル海峡ができるほど。負けたとはいえ、ネメアの獅子の耐久力もブッ飛んでいる。

ヘラクレス vs ネメアの獅子戦を描いた絵画や彫刻の多くにおいて、ヘラクレスは全裸で獅子の首を締めあげているのだが、偶然にも流星群の放射点はまさに しし座の首あたりだ。

なお、ネメアの獅子を倒したヘラクレスはその皮を剥いで装備するため、その後を描いたものだとだいたい全裸ではなく毛皮を体のどこかしらにまとっている。


・厳しい

そんなストーリーを持つ しし座。その名を冠する流星群も、20年前には1時間に1000個以上もの流星が観測されて大いに話題となったのだが、それ以降はかなり大人しめだ。国立天文台によると、1時間あたりで5個程度だそう。

この通り条件が良くても活動が控えめな「しし座流星群」。残念ながら、今夜は特に観測の難易度が高いだろう。なぜなら今夜の月は満月(19日)の直前。ほぼ一晩中、満月に近い月が煌々と夜空を照らし続けるだろう。

それでも流星を追いかけたい方は、18日の午前3時ごろから未明までの、月が西の空の低いところに移動して以降の時間を狙うのがおススメだ! なるべく東側に開けた灯りの無い場所で、真上から東よりにかけて広く眺め続けるのが良いと思う。

空が白み始めるまで数時間しかないが、運が良ければ流れ星を見られるかもしれないぞ! なお、「おうし座北流星群」と「おうし座南流星群」もまだ発現中なため、そちらが見える可能性もゼロではない。


・天気は

とまあ色々と書いてきたが、何だかんだで流星観測において、往々にして月以上に障害になりえるのは天気。気象庁によると、17日から18日にかけての各地の天気はこんな感じ。


17日は全国的に晴れ! しかし18日は北海道の東側と宮城県を除けば全国的に微妙な感じ。もし深夜から曇り始めるようなら、月だけでなく、天気的にも厳しいかも。ところで19日は満月だけでなく、部分月食も起こる予定。でもこれって、雲に邪魔されて見られないパターンじゃ……。せめて19日は晴れると良いなぁ。

参考リンク:気象庁、国立天文台[1][2]、AMS(英語)
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.