真の “かつや者” は誕生日当日も「かつや」で過ごす。というワケで昨日「かつや」に行ってきた。2021年11月12日より期間限定で販売されている新商品『親子カツ丼(税込759円)』を食すためだ。ハッピーバースデー、私(あひるねこ)。

親子丼は親子丼でも、「かつや」の親子丼はカツを使用するらしい。チキンカツを玉子でとじた丼。つまりカツ丼の鶏肉版である。その発想はなかった。さすがは俺たちの「かつや」。おかげで最高の誕生日になりそう……と思ったのも束の間。この後、私は時を戻されることになる。

・ハピバ

私事で恐縮だが、昨日11月15日で36歳になった。リアル誕生日である。ならば自分へのお祝いとして「かつや」に足を運ぶのが正しき “かつや者” の姿であろう。新商品『親子カツ丼』は、きっと「かつや」から私へのバースデープレゼントに違いない。

まあ誕生日に親子丼ってのもなんとも地味な話ではあるが、「かつや」のことだ。普通の親子丼が出てくるワケ……


\ ドン! /


は?



いやデカッ!!!


・巨大すぎる

何これ。フタ? 丼にフタしてるの? 何のために? 新種のフタかと思ったら、どうやら『親子カツ丼』らしい。いや絶対フタでしょ。いずれにせよ、こんなに余白のない丼は初めて見た。そもそもカツがデカすぎるし、玉子に至っては器からはみ出してしまっている。


だがそれもそのはず。この『親子カツ丼』は、チキンカツに鶏もも肉1枚を使用し、それを2個の玉子でとじた上に、その量が大盛りではなくデフォルトという狂気の「かつや」ボリュームになっているのだ。どうりでほぼフタなワケだよ。コスパ的にも相当優れていると言えよう。

そのビッグサイズ故、初めは鶏もも肉を叩いて薄くのばして揚げているのかと思ったが、箸で持ち上げてみるとむしろ分厚い。味はいつもの甘じょっぱいカツ丼ながら、食べ応えという点では『親子カツ丼』の方が数段上回っている印象だ。

こうしてあっという間にカツを一切れペロリした私。うむ、安定のウマさである。ところが……丼を見下ろした途端、戦慄が走った。マ、マジかよ。まだこんなにあるのかよ……。その通り、全然減っていない。減ろうとする気概が感じられない。この丼は本当に減る気があるのだろうか。

・無限カツ

もちろん『親子カツ丼』が抜群にウマいのは事実なので、その後もガツガツと食べ進められた。しかし、それなりにお腹も満たされた頃、私は思ってもみなかった衝撃の事実に気付くことになる。おい、ちょっと待ってくれ。もしかしたらこれって……


実質カツ丼2人前なのでは?


・テイク2スタート

それは実に奇妙な現象であった。カツ丼を半分食べ終わったと思ったら、そこにあったのはカツ丼ほぼほぼ1人前。もちろん追加した覚えはない。こ、これはまさか……時が戻っている……!

相変わらず分厚いチキンカツを眺めながら、私はそう確信した。感覚的にはカツ丼1人前をすでに完食しきっている。にもかかわらず、目の前にはカツ丼がもう1人前……。なるほど。状況から察するに、これは「かつや」によって時を戻されたと考えるのが妥当であろう。

「かつや」よ、お前は私に誕生日を二度繰り返せというのか? せっかくの記念すべき日、一度きりではもったいないと。そう言っているのか? 今日を楽しめ。それがお前から私への誕プレであると……? くっ! 「かつや」の野郎……


なんていいヤツ……!!

・朋友

そう、「かつや」は私のため、物理的に時を戻すというスタンド能力のような超離れ業をやってのけたのだ。カツ丼を半分食ったのにまだ1人前残ってるなんて、そんな馬鹿げた話があるだろうか? いやない。まさに奇跡。奇跡のカツ丼屋である。

その心遣い、まったくもって意味は分からんけども、しかと受け取ったぜ。ありがとう『親子カツ丼』。そしてありがとう、「かつや」。我が友よ……。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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