以前、「私が情報商材に500万円注ぎ込んだ理由」という記事を執筆したが、私(耕平)はその中でこのようなことを言わせていただいた。

「投資・ギャンブル系は100%に近いレベルで詐欺だと思った方がいい」

これは情報商材系の詐欺被害のほとんどが、投資系やギャンブル系ということに基づく発言だった。それはそうである、もし本物だったら皆が億万長者になれるのだから。世の中、そう甘くないのだ。

あれからおよそ半年、何気なくパソコンのハードディスクの整理をしていたら、昔購入して全く実践しなかった競馬の情報商材が出てきた。自分が100%に近いレベルで詐欺られていることが判明したわけだが、せっかくの機会だ。儲かるかどうか検証してみよう。

・馬券攻略法の中身

最初に断っておくが、私の競馬スペックは昔やっていたゲーム程度。競馬自体は何となく理解があるものの、実際に馬券を買ったことは数えるほどしかない。

要するに血統だとか、馬のコンディションの見方、最近活躍している馬や騎手などは全くわからない。いわば競馬ド素人だ。



ちなみに今回実践する情報商材は、当時3万円前後で売られていたと記憶している。売り文句としては「1日5分程度で予想ができて、10年以上のプラス実績があり、万馬券の的中率もハンパない」みたいなことが書いてあった。

今、改めて思い直すと、どうして怪しい情報商材に3万円も出したのか。しかも、全く実践すらしていなかったのか自分でも不思議でならない。自分で言うのも何だが、常人の思考回路じゃ無かったことは明らかだ。

詳しい内容は差し控えるが、ざっくり商材による馬券の買い方をお伝えすると以下のとおりだ。


・買うのは重賞レース(GⅠ~GⅢ)のみ
・JRAが提供している「データマイニング」というものを使用する
・ある一定の法則から、馬券を買うにあたっての軸馬を決定する
・公開されているオッズ(掛け率)から、攻略法に書かれている堅い馬券から大荒れの馬券までの複数のパターンから、レースのパターンを選ぶ
・そのパターンごとに条件にあてはまる人気の薄い馬を探し、軸馬と絡めて馬券を購入する



つまるところ、軸馬選びが重要となるらしい。やり方を習得するため、過去に行われた重賞レースで数十回ほど練習したから準備はバッチリだ。さて、次からは本当にこの情報商材のノウハウで馬券を買ってどうなったかをお伝えしよう。


・いざ、攻略法実践!

今回の目的はあくまでも検証で、本気で儲けようとは思っていない。よって、馬券を買う条件を以下の通りにした。


・1レース1000円まで(1口100円、合計で10点買い)
・勝負レース数は5レースまで(計5000円)
・馬の調子やレース当日の天気など、ノウハウに書かれていないことは一切考慮せず、機械的に買う


本来ならば1レース1万円くらい豪快に賭けたかったが、得体の知れない情報商材のノウハウにそこまでリスクを冒せない。それでは、さっそくチャレンジ結果を見ていこう!


・2021年10月10日 毎日王冠(GⅡ)


軸馬:1番 シュネルマイスター 
購入した馬券:1番から2、5、6、10、12の3連複軸1頭ながし
結果:1着1番、2着7番、3着5番 3連複:1−5−7

軸馬は1番人気でデータマイニング順位も1位だったシュネルマイスターが堅いと考えた。結果は見事に1着。ただし、5番が3着に入ったものの、2着に入った7番が法則から外れていたので馬券はハズレ。


・2021年10月16日 アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス(GⅡ)


軸馬:4番 アンドラステ
購入した馬券:4番から2、6、8、13、17の3連複軸1頭ながし
結果:1着7番、2着4番、3着14番 3連複:4-7-14

攻略法の法則を使って1番条件にあった5番人気のアンドラステを軸馬に選出。2着に入ったが、1着の7番、3着の14番を買ってなく、こちらもハズレ。


・2021年10月17日 秋華賞(GⅠ)


軸馬:4番 ソダシ、14番 ファインルージュ
購入した馬券:4番→14番、14番→4番の3連単軸2頭流しで2、9、11、12、16
結果:1着12番、2着14番、3着9番 3連単:12-14-9

攻略法の法則に基づくと堅いレースが予想されていたため、人気もデータマイニング順位も共に1、2位だった1番人気のソダシ、2番人気のファインルージュの2頭を軸馬とした。

2頭のワンツーフィニッシュで馬券を買うも、軸馬の1頭にしていた4番ソダシが予想を大きく裏切る10着。残念ながら、このレースもハズレになった。

ただ、1着の12番アカイトリノムスメは法則通りにいくと本来ならば軸馬の筆頭であった。ソダシの人気が圧倒的だったこと、攻略法では堅いレースに該当していたことから見送ってしまった。これは私の失敗と言えるかもしれない。


・2021年10月23日 富士ステークス(GⅡ)


軸馬:8番 ラウダシオン、10番 アルジャンナ
購入した馬券:単勝8番、10番 その他、馬単と3連複で主に1番ソングラインを絡める
結果:1着1番、2着17番、3着7番

5番人気のアルジャンナと6番人気のラウダシオンは法則に基づいた結果、2頭とも最高評価になったので軸馬も2頭とした。

そして今回は攻略法の内容によると、荒れるレースが多いとのこと。なので今まで買ったことが無かった単勝や馬単も交えて馬券を買った……ものの、結果は惨敗。

1着となった1番ソングラインは人気、データマイニング順位ともに1位だったが、軸馬に選んだとしても2着、3着の馬を除外していたため、いずれにせよハズレていた。


──ここまで自身のミスを含めて4連敗。惜しいレースもあるが、どうやら情報商材のノウハウは簡単に儲かるものじゃなさそうだ。私個人としては、そろそろ攻略法の習得に費やした時間を考えると1レースくらいは当たってほしい。


ということで、最後のレース「第82回菊花賞」に挑む。それでは買い目を見てみよう。

・2021年10月24日 菊花賞(GⅠ)

軸馬:14番 ステラヴェローチェ
購入した馬券:14番から3、5、15、17、18の3連複軸1頭ながし

軸馬とした14番のステラヴェローチェは、最終的に2番人気となったものの途中まで1番人気に推されていた。加えてデータマイニング順位も1位。攻略法に当てはまる条件も満たしていたため、3着以内は堅いと考えた。

そしてレースが始まり、あっという間にラストの直線に入る。残り200mで3番タイトルホルダーが抜け出し、勝負が決まったと思われた。トップ集団に軸馬のステラヴェローチェの姿はない。

「もうダメか……」と思われたその時、後ろから猛烈な追い込みを見せる馬が! そう、14番ステラヴェローチェだ。

タイトルホルダーに続き、3頭がなだれこむようにしてゴールイン。ステラヴェローチェは3着に食い込んだかどうかと思われたところで写真判定となった。「14」の数字が2、3着に入っていたら馬券は当たりだ。

緊張の中、電光掲示板に「確定」の文字が。着順に目を向けると……


4着 14番 ステラヴェローチェ ハナ差


ガーーーーーン!!!!!!


5戦全敗である。あと一歩とはいえ、負けは負けだ。

ちなみに、今回の検証では3連複での買い方が1番多かった。軸馬を複勝1点買い(3着以内に入れば当たり)で1000円ずつ買った(軸馬が2頭の場合は1点500円)と仮定したら、5レースのうち3レースが的中していた。

あくまでも5レースだけの検証結果と試行回数が少ないところもあるので、もしかしたら1年間通して検証したらプラスの収益に持っていける可能性は0ではない。でも、この攻略法については打ち止めにしようと思う。

冒頭で書いたように、世の中そう甘くない。JRAも「競馬に関わる悪徳業者が存在します」「悪徳業者に騙されないようくれぐれもご注意ください」と注意喚起しているし、うまい話には裏があるものだからだ。

──参考になったかどうかはわからないが、以上が検証結果である。他にも私のPCに眠っている情報商材があるので、需要があれば検証していきたいと考えている。


参考リンク:JRA
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:JRA IPAT

▼ちなみに最後の菊花賞で原田記者は見事的中していた!