何ごとであれ、「自分の理想」を誰かに押しつけるのは良くない。たとえば、自分の好きなファッションをパートナーに求める行為もその1つ。相手からすると迷惑な話なので、場合によってはブチギレられて縁まで切られるかもしれない。

それを防ぐために、何ができるのか? 考えた結果、我々ロケットニュース24は、ひとまず編集部の男性全員が「妻もしくは彼女にデートで着て欲しい服」を自分で着て出社してみることにした。

・女性の気持ちを知るために

今回参加したのは、私(和才)の他に当編集部の佐藤英典、原田たかし、中澤星児、P.K.サンジュン、GO羽鳥、Yoshio、あひるねこ、砂子間正貫の合計9名。


中には既婚者もおれば、そうでない者もおり、パートナー的な事情はバラバラ。ただ全員にほぼ共通しているのは、“こういう服が最高!” という理想は持っているってことだ。

その気持ちを全てコーディネートにぶつけたので、裏を返せばガチで男に受けるレディースファッションとも言える。ちなみに、服を選ぶにあたってのルールは1万円以内に収めるという1点のみ。それ以外に制約はないから、基本的に本人の好みがモロに反映されているぞ。

さっそく行ってみよう。まずは私(和才)から。今回不参加の営業担当・ジュンくんが待つオフィスへ向かい……



「おはようございまーす!」






そう! こういうのでいいのよ!!


……説明するまでもないかと思うが、念のために補足しておこう。存在自体が最強である「白のシンプル系ワンピース」に淡い色のコートを組み合わせることで、最強 × 最強の無敵コーデを実現している。

あまりにも無敵すぎるので、中には「あざとい」と受け取る人もいるだろうが、個人的にあざとさ大歓迎なので一切気にせずコーデに反映させた形。なお、靴や小物類を買わなかったのは、自分自身が女性の靴などを見てないから別に何でもいいかなと


【購入したもの(合計5302円)】

・キャミソール ワンピース ベージュ(1991円)
・ウールライクフーデットコート ライトブルー(3311円) ※どちらもZOZOで購入


──さて、次は……?



佐藤英典「お疲れ」






え?


ヒッピー!?


令和にそこかよ!


──と思ったが、本人に聞くと、自分のイメージをしっかりとファッションに落とし込んでいた。


佐藤「70年代のヒッピースタイルをコーディネートしたかった。イメージはジャニス・ジョップリンかなあ。女の子に着せたいというよりも、自分が着てみたいものに近くなったと思う」


【購入したもの(合計9740円)】

・アウター、インナー、パンツ、ベルトは古着屋で購入し各2090円
・ネックレス500円
・ブレスレット380円と200円
・スカーフ300円


──どんどん行こう。お次は……?



原田たかし「おはようございます!」






──無印っぽい! と思ったら、やっぱりガッツリ無印だった。なお、テーマは「派手すぎず、大人の落ち着いた雰囲気。つまりは女子アナ」とのことだったが、いざ服を選ぼうとしたら難しく、無印良品の店員さんにコーディネートをお願いすることまで考えたらしい。


原田「残念ながらコーディネーターの方が不在で叶わなかったのですが、たまたま店内にいた女性が購入した服を組み合わせていて、「あら、いいですねぇ」と思ったことが購入の決め手になりました。そして秋冬感を出すためにニットも。

男性が「女子アナみたいな服装を目指してるんですが……」と声をかけてきたからビビったと思いますが、優しく対応してくれた店員さんに感謝です。ちなみにレジの店員さんが「カワイイ組み合わせだと思います♪」と太鼓判を押してくれたから、いいチョイスができたと思っています」


【購入したもの(合計8970円)】

・インド綿ガーゼクルタ(3990円)
・ミドル丈シャツ(2990円)
・ワッチ※ニット帽(1990円)


──続いて4人目は……



中澤星児「あ、おはようございます」






──正統派! というか、アニメに出てきそう! と思ったら、やっぱりそうだった。イメージにあったのは、アニメ『冴えない彼女の育て方』の加藤恵とのこと。


中澤「本当はフリフリのついた白いワンピースが良かったんですが、どこに売ってるか分からなかったので、想定した雰囲気に近いコーディネートをユニクロで探しました。

こだわりはシャツの胸元のフリルです。最初想定したイメージを唯一再現できた部分だから。こういう服が好きというより、こういう服が似合いそうな人が好き」



【購入したもの(合計8990円)】

・Wシルクフリルブラウス(5990円)
・ブラッシュドジャージージャンパースカート(2990円) ※どちらもユニクロで購入


では次! 5人目は……



P.Kサンジュン「うっす!」






ビシッと決めてる系!


と思いきや…


よく見ると……



胸元に煩悩が炸裂!


──フォーマルの中のチラリズム。これはもう全男子が好きなヤツと言ってもいいだろう。話を聞くと、デートシーンに限らず “とにかくこういう服が好き” という思いをダイレクトに反映させたようだ。


P.K.サンジュン「自分自身がいつもカジュアルだから、女性のバシッとした服装が結構好き。『ショムニ』の江角マキコというか “海外の色っぽい天気予報士” というか “知性があふれ出てる秘書” というか。ショムニの服が見当たらなかったのは残念」


【購入したもの(合計5699円)】

・男性対応リクルートスーツ3点セット※Amazonで購入


続けて、6人目は……



GO羽鳥「お疲れっす!」





めっちゃ緑!


そして足元……!


スリットが深い!!


──どうしても色とスリットに目が行きがちになるが、実は靴もポイントのようだ。


GO羽鳥「とりあえずワンピ原理主義なので、最初から良シルエットなワンピと決めていた。最初はモノトーンのワンピでシックにキメようと思ったが、ZARAに行ったら緑色のこの服が光り輝いていた。モノトーンは真逆になるが、一目惚れというやつだ。

こんな明るい色のワンピで、よく歩けそうなスニーカーをあわせ、スポーティーにキメる女性とかいたら愛おしいなと」


【購入したもの(合計9000円)】

・ZARA「テクスチャー入り生地ロングワンピース


では6人目行ってみよう!

 



Yoshio「お疲れさまでーす!」






──あれ!? Yoshioさん、普通のTシャツじゃないっすか。どうしたんですか?


Yoshio「下を見てよ、下を! スカートをはいてるじゃん。ユニクロのボリュームロングスカートよ」


──っていうか、なんで下だけなんですか?


Yoshio「風でロングスカートがペタ〜となって、足のラインが見えるか見えないかの状態が大好きなのよ」



Yoshio「こういうの! こういうの!!」


……さすが、本サイトで何度も “アホの上司” として登場しているYoshio。何を言っているかサッパリ分からない……と言いたいところだが、「正直な話、ちょっと分かるわ」と思ったことを告白しておこう。

それに対して、全く分からなかったのが次である。ファッションが理解できなかったのではない。なぜそんな無慈悲なことが出来るのか分からないのだ。


というわけで、8人目は……



あひるねこ「おはようございます!」




あら! なんかオシャレな感じ……と思った直後、あまりにも恐ろしい発言が飛び出したのである。


あひるねこ「自分の好みというよりは、妻が普段着ていそう、もしくは好きそうなものですべて統一しました。私は、妻になりたかったのです」


──個人的な話で恐縮だが、私だって妻がいる身。にもかかわらず、今回は実際に妻が着ている服とは全然違うものを選んでしまっている。以前の記事「妻の服を着て出社する企画」を見てもらえれば一目瞭然だが、P.K.サンジュンもそう、Yoshioもそう! 

あひるねこを除く妻帯者の全員が、実際にパートナーが着ている服とは系統が異なるものを “好きなレディースファッション” として選んでいるのだ。そんな中、1人だけ奥さんが着そうな服をチョイスされたら……

こっちは家に帰って地獄だろうがぁあぁあああ! チキショー、俺が先に妻の着そうな服を買っとけば良かったぁぁぁああああああああああ!!!!


【購入したもの(合計9830円)】

・シャツワンピース(3990円)
・ベスト(1999円)
・パンツ(880円)
・ターバン(1980円)
・靴下(990円) ※すべてZOZOTOWNで購入


──心を落ち着けて、次に行こう。


いよいよラストだ。トリを飾るのは……



砂子間正貫「遅くなりました!」




ヤバい……

……

……

すごいの来たな……

……

……



デートシーンを絞り込みすぎぃぃぃいいいいい!


砂子間「“彼氏の影響でゴルフをはじめてみました” 的な女性をイメージしました。仕事後のデートで初めて練習場に行きます……というストーリーに合わせて服を選んだ感じです。

コーデの参考にしたのは、スマイリングシンデレラこと渋野日向子選手と、愛される女性ゴルファー、イ・ボミ選手ですかね。ロケットニュースの賞金女王はいただきます」


【購入したもの(合計8169円)】

・ヴィクトリアゴルフ「ブリヂストンのサンバイザー(2189円)」
・ユニクロ「ハーフジップパーカー(3990円)」
・ユニクロ「レギンス(1990円)」


──以上! ひとまず、これで全員の出社完了である。



・そのまま仕事

まぁそんなわけで、この日はそれぞれが考える「パートナーにデートで着て欲しい理想の服」を自分で着て仕事をしたわけだが……


衝撃が走ったのは出社時くらい。次第にみんな慣れてきたので、特に変わったところはなく、服装以外はいつも通りだった。もし他にも変化があったとしたら、「かわいい」を表現するのムズすぎ、ってことを肌で実感したくらいだろうか。

実際に各々がどう思ったのかを紹介して、本記事を終わりにするとしよう。


・実際に着たからこそ感じたこと

・白のワンピが絶対的に可愛いと思っていたが、いざ着るとなったら透けが気になった。だけど逆に、そのような苦労をしながら女性は着ていると気づいたので、今まで以上に自分的最強レディースコーデに愛着が増した(和才)


・想像したよりも男性的になってしまったかも。そもそもレディースをよく知らないってことに改めて気づいた(佐藤英典)


・キレイに見せるためでしょうが、脚の可動域が想像以上に狭くて女性って大変なんだなと感じました。これに化粧なども加われば……う〜ん、やっぱり大変だ(原田たかし)


・自分で着てもやはり可愛い。ずっと着ていたかった(中澤星児)


・スカートがスースーした。あと、ブラウスのボタンを大胆に開けていたら、他のメンバーの視線を感じた(P.K.サンジュン)


・ガチャピンとムックを足して2で割った武道家みたいになっちゃった。他の人からは「ゴルフのグリーン」とも言われた(GO羽鳥)


・楽しい! すごくスースーして良いです(Yoshio)


・事実上の妻と言ってもいいのではないか。ただし、ターバンの意味はよく分からなかった(あひるねこ)


・20代の女性ゴルファーをイメージして選んだのですが、実際に着用して鏡を見たら「60代のキャディーさん」みたいな格好になっていて泣きました。試着できなかったからな〜(砂子間正貫)


──こんなところ。ざっくりとまとめるならば、女性の気持ちが少しだけ分かったとも言えるし、あるいは「モテに一歩近づいた」とも言えるのではないだろうか。言い過ぎだろうか。

ちなみに、各々が選んだ服装で誰が一番イケてるかを決めようとしたところ、なんとも面倒くさい事態になったのだが、それはまた追ってお伝えしたい。今日はこのへんで。さようなら〜。

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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