もし突然ヨーロッパ旅行へ行くチャンスが巡ってきたとき、候補地として『ギリシャ』を挙げるトレーナーは圧倒的に多いだろう。なぜならギリシャはヨーロッパで唯一『シンボラー』が出現する国。私もシンボラーにつられて今回ギリシャへやってきたクチだ。

シンボラーは中東・エジプトにも出現するのだが、中東とヨーロッパとでは渡航難易度が全く異なる。特にコロナ禍の現在は陰性証明書の提示義務など、ギリシャと比べてエジプトへの入国はハードルが高い。

いつか突然やってくるかもしれないギリシャ旅行に備え、今のうちに「ギリシャのポケ活事情」を予習しておいて損はないだろう……ってことで待ってろ俺のシンボラー!

・第1シンボラー発見

アテネ国際空港へ到着してみると、ポケストップ・ジムともにそこそこの数が配置されている。トランジット(乗り換え)でギリシャを訪れる人も、もしかすると空港でワンチャンあるかもしれない。

……ってか早くも第1シンボラーの影!!!! すぐ市内行きのバスに乗ったため第1シンボラーは捕獲できなかったが、ポケモンGOをやっていてこれほど嬉しい瞬間も他にない。バス乗車中も “付近のポケモン” レーダーには何度かシンボラーの影が見え隠れした。

そしてバスを降りてすぐ、ごくスムーズに私はシンボラーをゲットした。今回ギリシャでの滞在日数は19日間。このペースだと200シンボラーくらいは軽そうだ。フフフ……。

( ※ 200シンボラー = シンボラー200匹)


・一瞬も気が抜けない

ところが……! 私が第2シンボラーに遭遇したのは、なんと第1シンボラー捕獲から2日半も後のことであった。私の滞在先はパルテノン神殿まで徒歩20分のアテネ中心地。ポケスト数も少なくない。まぁ東京ほど多くはないが、ちょうど鳥取県くらいの環境だ。

なお、この一件には私の “ある勘違い” も関係していた。プレイ画面右下には “近くにいるポケモンが3匹” 表示されるのだが、私はてっきり「地域限定や所持数の少ないポケモンは優先的にここに表示される」と思い込んでいたのである。

しかしギリシャ上陸3日後にして私はようやく、「右下のレーダーをタップして付近のポケモンを9匹まで表示」させないことには、近くにいるシンボラーを発見できないことに気づいたのだった。

ご存知のとおり “付近のポケモン” レーダーは「未所持のポケモンに関してはかなり広範囲まで表示される」が、1匹でも所持しているポケモンの場合ごく近くの範囲しか表示されない。私の体感では「せいぜい4〜500メートル先まで」といったところだ。

よってギリシャ滞在中、私は常に “付近のポケモン9匹” 画面を開いた状態でのプレイを余儀なくされた。このやり方には「『おこう』で出現したシンボラーを見逃す」という問題があるが、私が3日間おこうをフル焚きした結果、出現したシンボラーはわずか1匹。付近のポケモンをチェックし続けるほうが効率が良いという結論に至った。


・道路事情がヤバい

また、私が「おこう」をあまりオススメしない理由は他にもある。ギリシャはヨーロッパ内でも比較的知名度の高い国だが、私が知るその他の国々と比較して、交通事情が良くないのだ。

まずアテネ市内は非常に坂道が多く、ただでさえ疲れることに加えて歩道がロクに整備されていない。かと言って車道の路肩は全て自動車で埋め尽くされており、道を真っ直ぐ進むことが困難なエリアが多い。

たまに出現する歩道もガタガタであるケースが多く……

うっかりしているとつまずいたり……

大胆に穴が空いている例も。

そしてギリシャ人ドライバーのマナーたるや、「ここはインドですか?」と問いかけたくなるほど悪い。 “歩行者優先” という概念が1ミリも存在しておらず、彼らの態度からは「轢き殺すぞ」という明確な意思が感じ取れる。スペインやイタリアのドライバーはマナーが良いのに、ギリシャまでの道中で一体何が起きたと言うのだろう。

以上の理由により、ギリシャでの「歩きスマホ」は非常に危険だ。スマホに気を取られないためにも、「おこう」は使用しない、または『Pokémon GO Plus』との併用などが望ましい。せっかくギリシャへ来たのにスマホばかり見ているのもアレだしね!


・衝撃の結果発表

さて、もったいぶってしまったが、ここらで私のトータル・シンボラー捕獲数を発表しよう。19日間ガチプレイした結果、捕獲したシンボラーは……



19匹!


少ねえぇぇぇぇぇ!!!!!!!


19日間で19匹……なんともキリがいい数字となったが、決して「1日1匹」などというバランスの良いものではなかった。なぜか1日だけ「8匹捕獲できた日」があったのだ。つまり19日間の半分以上は「捕獲ゼロ匹」。恐ろしすぎる……!

断っておくが私は常に “付近のポケモン” を確認していたし、1日平均2万歩ほど市内を練り歩いてもいた。要するにシンボラーの出現率自体が低いのだ。さらに追い討ちをかけるように、ここで非常にショッキングなニュースをお伝えしておかなければならない。


なんと2021年10月現在、タマゴからシンボラーが孵化しなくなっている


以前までは確かに、ギリシャで入手した10kmタマゴからシンボラーの孵化が確認されていた。現在もポケモンGOの攻略サイトなどを見ると「10kmタマゴからシンボラーが孵化する」と表示されている場合が多い。

しかしながら……いつの間に仕様が変更されたというのだろう? ただでさえ出現率が低いところへきて、この仕打ちはあんまりではないのか。またいつか変更される可能性もあるが、ひとまずギリシャでシンボラーをゲットする方法は「野生沸きを狙うのみ」ということになる。


・無理なくGOしよう

ちなみに私は19日間で「気づいていながらあえてスルーしたシンボラー」が7匹いる。

到着して間もない深夜12時、シンボラーの影を見つけた私は400メートル先の公園までダッシュを決めたのだが……

その道中が死ぬほど怖かった。


ギリシャの治安は西ヨーロッパ諸国と比較してさほど悪いと感じないものの、やはり深夜の薄暗い異国はメチャ怖い。アテネ市内は街灯が少なく、先に述べたように足場も悪い。地域限定ポケモンは喉から手が出るほど欲しいが、「命をかけてまで狙うもんじゃない」と痛感した。

冒頭でお伝えしたように、ギリシャへ来れば「最初の1シンボラー」は難なくゲットできるだろう。ただ、その先は「運」だ。都会のド真ん中でゼロの日もあれば、謎の空き地で2匹ゲットした日もある。海外限定ポケモンの道は険しい。過度に期待しすぎず、なるべく無欲で臨むことをオススメしたい。

とはいえ、できれば大量ゲットしたいのが海外限定ポケモン。今後ギリシャへ渡航される方が事前にできる対策としては「なるべく周辺にポケストップが多く、かつ賑やかそうな立地のホテルを予約すること」だ。いつか来るべき時のために覚えておいてくれ!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:ポケモンGO (iOS)

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