2021年10月、毎年恒例の『都道府県魅力度ランキング』が発表された。同ランキングの主役は13年連続1位となった「北海道」……と言いたいところだが、むしろ毎年注目されるのは熾烈な最下位争いである。

昨年のランキングでは、7年連続で最下位だった絶対王者「茨城県」が見事42位にランクアップ! だがしかし、今年はまたしても無念の最下位に沈み “定位置” を取り戻した格好となっている。

・王者、茨城県

民間調査会社「ブランド総合研究所」が毎年この時期に発表している、都道府県魅力度ランキング。北海道・京都・沖縄などの上位争いよりも、茨城を中心とする最下位争いの方が注目される “秋の風物詩ランキング” である。

認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲……などなど、多種多様な項目でランキングが決定しているが、一昨年まで7年連続で最下位だったのが「茨城県」だ。注目度や反響の大きさを考えると、ある意味でランキングの主役は「茨城県」とも言えるだろう。

昨年、久しぶりに最下位を脱却した茨城県民に話を聞いてみたところ、思ったよりも喜んでいなかった。果たして今年の結果を茨城県民はどう捉えているのだろうか? 今回も後輩の茨城県民に聞いてみることにした。


──魅力度ランキングで茨城県がまた最下位になったよ。

「ああ、そうなんですね」

──去年は42位とか中途半端な順位なら最下位の方がイイって言ってたけど、どう?

「そうですね、その考えは変わってません。ある意味で王座奪還なのではないでしょうか?」

──じゃあ嬉しい?

「まあ、最下位なので素直に嬉しいってこともないんですが “おいしい” とは思いますね。最下位だからこそイジってもらえることもあると思うので」

──なるほど。

「ただ、どうせなら “〇年連続” みたいなのが続いてた方が良かったです。去年も最下位だったら9年連続か……来年も最下位なら10年連続だったのに、そこは残念というかもったいないですね」

──確かに10年連続はハクが付くよね。

「殿堂入りですよね。そういう意味では本当に去年が余計でした。去年のランキングで茨城より順位が低かった、栃木や徳島にはしっかりして欲しいと思います。勝手に茨城を下回るのはやめていただきたい」

──ここから10年連続は大変だもんな……。

「ですね。ここ数年の茨城県は自虐プロモーションに徹していたんですが、もしかしたら本気で上位を狙うのもありかもしれませんね。毎年10個ずつくらい順位が上がって、5年後くらいにTOP3入りしたら感動しませんか?」

──それは感動する。俺はそこまで茨城と縁があるワケじゃないけど、もし1位とかになっちゃったら目頭が熱くなるね。

「ですよね? まあ、最下位でいる方が楽だからどうなるかはわかりませんが、県には安易な自虐プロモーションに走らず、1度方向性を考えて欲しいです」

──でも上位は強いぜ? 北海道・京都・沖縄よ?

「確かに……強いですね。まあでも、住んでみると本当に茨城はいいところなんで。それは茨城県民全員がわかってると思うんで。牛久大仏みたいなランドマークが少ないことも理解していますが、それでも本当の魅力度ランキングなら茨城が上位に来ると信じてます」

──地元愛があって非常によろしい。俺も茨城が嫌いじゃないから頑張って欲しいよ。でも茨城空港だけは理解できない。

「それは僕も理解してません。というか、茨城県民でも使ったことが無い人が多いと思います」

──そ、そうか……。


ご覧にように、後輩の茨城県民の胸中は「おいしいのは理解しているが、最下位は素直に喜べない」──。要するに「複雑」といったところだろうか? また「昨年のランキングが余計だった」という言葉も非常に印象的であった。

それでも出かけてみると茨城県は非常にいいところだし、特に話に出た「牛久大仏」は圧巻だ。茨城空港に関しては……あえてのノーコメントとさせていただきたい。

参照元:ブランド総合研究所「都道府県魅力度ランキング2021」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.