都内有数のターミナルステーションである池袋駅は、同時に都内有数の駅そば集合地帯でもある。いけふくろうの前にある『そばいち二八 IKE麺KITCHEN店』や、中央通路の角に位置する『大江戸そば』は言うに及ばず、『しぶそば』『ソバキチ』のように隠れて佇んでいる店も。

東の沿道には『いろり庵きらく』があるし、JRの改札内には『爽亭』もある。まさに激戦区。だが、その中で最強コスパを決めるならば、個人的には『凛や』が頭1つ抜けていると思う

・軽い旅

以前の記事で『しぶそば』が知らないと絶対行かないような場所にあることをお伝えしたが、『しぶそば』を西の隠れ高コスパ店とするならば東は『凛や』だ。分かりやすいように有名待ち合わせスポットいけふくろうからの道筋をご案内しよう。


まずは、いけふくろうを有楽町線方向に進むと、右手に大江戸そばが見えるのでこれをスルーして進む。


すると、左手に西武池袋の地上入口への階段があるため、これもスルーしてさらに進む。


で、西武百貨店の入り口とか全部スルーして進んでいくと、行き止まりに西武池袋線池袋駅の地下1階改札があるので……


改札を入る。


すると、左手に店が連なっているのが見えるはず。


このカフェ&バー『タミルズ エミオ池袋』の影に隠れるように佇んでいるのが『凛や』である。さて、ここでひとこと言わせてくれ……


隠れすぎだろ

まさに広大な池袋駅の最果て。西武池袋駅は地下に線路もなくただの入り口なので、池袋で乗り換える西武線ユーザーのみが知る場所であり、それ以外の人は知らないと絶対に来ない店と言えよう。

・駅そばとしては珍しい店

しかも、外観がなんか高そうだ。色調がバーみたいで「こだわりのオシャレそば屋」って感じがする。大江戸そばを横目にここまで旅をしてきた人は思うに違いない。「本当に駅そばなのか」と。

だが、メニューを見てみると、かけそば税込み360円、かき揚げ天そば税込み480円と特に高いわけではない。むしろ、外観から想定した価格より安かった。ちゃんと駅そば価格である。

で、この店の特徴と言えば、駅そばでは珍しくつけ蕎麦があること。「肉蕎麦つけ麺(税込み780円)」からは、港屋インスパイア的な香りが漂っている。まあ、つけ蕎麦系はさすがに駅そば価格よりは高めだが、その中でちょっと安めの「坦々蕎麦つけ麺(税込み680円)」を注文してみた。

・味

錦糸卵や肉そぼろがふんだんに盛り付けられたそば。ボリューム的には申し分ないくらいの量と言っていいだろう。まずは、つけつゆとそばだけで食べてみたところ……


かなりウマイ


つゆは胡麻の風味とまろやかさの合間に顔を出すピリ辛が印象的なザ・担々麺という味。そのつゆに、中細くらいのそばのキレのあるのど越しがちょうど良いバランスを演出している。


肉そぼろにもしっかりと甘辛い味がついており、具も混ぜて食べてみるとさらに味が濃厚になった。強いて言うなら、「若者が好きそうな味」という印象。ちょっと米が欲しくなる。

それだけに、そばをつゆに全漬けして食べていると、後半、少し飽きてきた。そこで半分だけつゆをつけて食べてみたところ、これはこれでそばの風味と味の濃さのバランスが凄く良い感じ。まあ、好みに合わせて調整していただければと思う。


いずれにせよ、680円にしては満足度が高かった。というわけで、激戦区である池袋駅は隠れそば屋が熱い。池袋駅を利用する方は探してみてくれ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 そばダイニング 凛や
住所 東京都豊島区南池袋1-28-1 西武池袋駅構内 B1F
営業時間 平日6:30~20:00、土・日・祝8:00~20:00
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.