年間の流星群の中で、ひときわ賑わうペルセウス座流星群。圧倒的な流れ星の数と夏休みの真っ最中という時期ゆえに、観測しやすさはぶっちぎり。他はスルーしてもペルセウス座流星群だけは見るという方もいるのでは。

2021年は8月13日の午前4時ごろがピークだ! したがって、見ごろとなるのは12日の深夜から13日未明。ところで今年の日本でのペルセウス座流星群は、久しぶりにかなり条件が良い。同じくらい良かったのは2013年が最後。8年ぶりのグッドコンディションだ!

・4つのパターン

8年ぶりってどういうこと? 去年とどう違うの? 数多のペルセウス座流星群を報じるニュースがあるであろう中、わざわざここを見に来た皆さんが一番知りたがるのはそこだと思うので、さっそく説明していこう。

ペルセウス座流星群が、毎年同じ時期にピークになることは一般的によく知られている。だが、そのピークに4つのパターンが存在するというのは、天文ファン以外にはあまり知られていない。その4つとは下記の通り。


パターンA:8月13日 午前10時ごろ
パターンB:8月13日 午後4時ごろ
パターンC:8月12日 午後10時ごろ
パターンD:8月13日 午前4時ごろ


この4パターンを1サイクルとして繰り返しているのだ。ちなみに今年のパターンである「13日午前4時」を4番目にしたのは、単にその方が記事作成に際して過去のデータを振り返りやすかったから。他に深い意味はない。

さて、この4つの中で観測しやすいのは、言うまでも無くピークが日中ではない12日午後10時か、13日午前4時の2パターン。しかし12日午後10時の方は、ピーク時に放射点がまだまだ低い。低くても流れ星は見えるが、その数は放射点が高くなるほど増える。

というわけで、ピーク時の放射点の高さにアドバンテージのある13日午前4時のパターンが最強となる。しかし、それなら4年おきにやってくるというもの。なぜ8年ぶりのグッドコンディションなのか?


・月

それはズバり、月だ。2021年8月12日の月はわりと細めな三日月(8日が新月だった)。東京だと21時半ごろに沈むため、全く月明りの影響が無いのである。一晩を通して月明りの影響を受けないタイミングで、しかも最強な13日午前4時のパターンの年……それが8年ぶり。

ちなみに2013年8月12日の月は、今夜の月より割と明るかった(上弦の2日前)。しかし21時過ぎに沈んだため、当時も一晩中月明りの影響を受けずに観測することができたはずである。ということで、地球外の色々な都合が何かとイイということはお分かりいただけたと思う。


・目を慣らそう

さて、月明りの影響が皆無かつ、13日午前4時がピークなパターンのペルセウス座流星群の観測においては、特に観測に必要なコツなど無い。深夜から明け方にかけて、ひたすら流れ星のラッシュは勢いを増していくだろう。夜明けまでただ上を眺めているだけでOKだ! 

でも10秒くらい上を見て見えなかったから諦める……的なのは、さすがにアウト。最低でも15分くらいは見続けよう。その際、スマホを見るなどしてはいけない。暗闇に目を慣らす必要があるぞ!


・天気は

ただ、地球外的にはベストなのだが、問題は地球内の条件。つまりは天気。せっかく台風は消え去ってくれたが、どうも天気がよろしくない気配。気象庁によると、12日の天気は……


全国的に雨 or 曇


空気読めよぉぉオオオオオオオオオオ!!!!! 拡大してみても、ワンチャンありそうなのは北海道と沖縄のみ。その辺りにお住まいの皆さん、おめでとうございます。8年ぶりの超好条件なペルセウス座流星群を是非とも楽しんで下さい。そしてその他のほぼ日本全土の皆さん、2029年に再び同じくらいの好条件となるので、その時に晴れることを祈りましょう。

参考リンク:国立天文台気象庁
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:気象庁