ついに……ついに! 俺たちのペヤングが正気を取り戻したらしい。というのも、2021年8月2日から発売開始となった『ペヤング シーフードやきそば』が、久々に正統派の新商品だったからだ。

ここ数年、鬼ほど辛い「獄激辛シリーズ」に代表されるよう、とんでもない変化球ばかりをぶっ放してきたペヤング。黒帯ペヤンガーを自負する私、P.K.サンジュンはこう言いたい……「そうだ、ペヤング。こういうのでいいんだよ」と──。

・暴走の歴史

今さら振り返るまでもないが、いま1度「ペヤング暴走の歴史」を整理しておこう。かつては主力製品の「ペヤング ソースやきそば」だけを武器に、派生商品はほとんど展開していなかったペヤング。

2015年に大きな話題を呼んだ「にんにくMAX」の発売後も、それに続くMAXはしばらく発売されなかった。あくまで主役はソースやきそば。そんな職人気質な様子がおかしくなってきたのは、2019年あたりからである。

それまで、せいぜい1カ月に1回くらいの間隔で発売されてきた新商品が毎週のように展開されるようになり、2020年の「獄激辛やきそば」でその流れは決定的なものになった。「インパクトのある商品を矢継ぎ早に」これが昨今のペヤング流と言ってイイだろう。

・インパクト重視

方針自体は決して悪くない。むしろ消費者としてはありがたい。だが実際問題として、あまりの新商品ラッシュの結果「どこにも売っていない」という事態が多発していることも事実である。

さらに言えば「インパクトに味が追い付いていない問題」も無視するワケにはいかない。毎回大きな話題を呼ぶ「獄激辛」だが、いったい何人の人が1人前を食べ切れるというのか? まさに暴走である。

そんな中、新発売となった『ペヤング シーフードやきそば』は、久々の “正統派ペヤング” と言ってイイだろう。辛くもなければ大盛りでもMAXでもない。シンプルにシーフード味のやきそばである。


「魚介の美味しさを存分に感じることのできる商品です。塩ベースのサッパリとしたソースが、シーフード具材の旨味を引き立て最後まで美味しく、飽きのこない味付けに仕上げました」


ペヤングの発表を読む限り、そこに力みや荒ぶりは皆無。こんなに奇をてらわないまともな商品はいつ以来だろうか? 個人的には2020年12月発売の「ポテトやきそば以来」と認定したい。

というわけで、さっそく『ペヤング シーフードやきそば』を食べてみることに。作り方はいつものペヤングと同様で、湯切りをしてソースを絡めれば完成だ。見た目も「シーフードやきそば」としか言いようがない。

・久々の正統派

で、気になる味はというと、魚介の旨味が詰まった美味しいシーフードやきそばである。しっかりと旨味はあるものの、濃いワケではないので最後まで一気に食べられた。ペヤングの言う通り「飽きのこない味付け」だ。

想像を絶するほどウマいかと言われれば「そこまでではない」と答えるが、また食べたいかと言われれば「もう1回買ってもイイ」と答える。『ペヤング シーフードやきそば』は普通に上質な正統派のカップ焼きそばであった。

確かにインパクトや面白みには欠けるかもしれない。それでも『ペヤング シーフードやきそば』は「美味しいからオススメ!」と言える商品である。ペヤングよ、こういうのでいいんだ、こういうので──。

参考リンク:ペヤング公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.