”魚の皮食べる派” と ”残す派” の間には永遠に埋まらぬ深〜い溝があるという。 ”食べる派” の中でも過激な者は「身より皮のほうがおいしい」と公言してはばからない。私はどちらも好きだが、その希少性の高さから皮は ”最後のお楽しみ” にとっておきがち。

さて、そんな魚の皮ファンが泣いて喜ぶ『クリスピーフィッシュスキン(CRISPY FISH SKIN)という食べ物をご存知だろうか? 直訳すると「パリパリな魚の皮」。これはポテチ感覚で魚の皮をパリパリ食べちゃおうという、レッキとしたスナック菓子なのである!

・ベトナムではスタンダード

クリスピーフィッシュスキンはアジア食材店などで購入することが可能。新大久保ではかなり売れ筋商品のようだ。製造しているのは『PHI LONG FOOD MANUFACTORY』というベトナムの水産物加工会社。

パッと見はポテチと見間違えそうなクリスピーフィッシュスキン、さっそくこの日見つけた4種類(各298円)を食べ比べてみることにしよう。

まずはスタンダードな『プレーン』から。原材料欄には「パサの皮」とある。「パサ」は東南アジア原産の淡水魚で、日本でも「白身魚のフライ」などによく用いられている。聞き覚えがなくとも、知らず知らずのうちに口にしているケースが多いはずだ。

厚みのあるパッケージを開けると……


まんま魚の皮。


もう少し細かくカットされているかと思いきや、清々しいほど魚の形そのまんまだ。よくこの状態でベトナムからたどり着けたな。正直少しだけ「グロさ」を感じてしまったが、魚の皮が食べたいと言い出したのは私自身だ。潔く一口でいこう。


パリリ……



ムッ!?


パリパリサクサクでおいしい?


・苦手な人は目を閉じて

うん……うん! なかなかイケる! どことなくタイのお菓子『ケープムー』を思い出す雰囲気である。ケープムーは豚の皮の素揚げ。「豚の皮の素揚げだよ」と言われると「ウェッ!?」と感じるが、実際に食べるとクセになるジャンクな味だ。

クリスピーフィッシュスキンも「魚の皮だ」と思えば完全に魚の皮なのだが、いったん先入観を捨て、目を閉じて食べると……全然生臭くない! メーカーによれば汁もの等の料理に入れて食べるのもアリとのこと。なるほど。

唐辛子が入った『スパイシー』もいってみよう。

ウム。見た目は先ほどにも増して魚の皮だが、辛さが加わることで生臭さが減っている。

お次は『エッグヨーク』。エッグヨークとは卵黄のこと。日本だと「卵黄味」ってあまり耳慣れないけど……パリリ。

……なるほど! 原材料には含まれていないが、どこかトマトのような酸味を感じて美味。この酸味のようなものも生臭さを消す役割を果たしている。

最後は『スパイシーエッグヨーク』。先ほどの『エッグヨーク』と『スパイシー』の合わせ技だ。


4種類の中で個人的にはこれが一番好みだった。要するに魚の皮ビギナーは、なるべく濃い味付けのものを選べばいいということ。「巡り巡って “うすしお” が至高」とか言い出すポテチ好きのように、極めればいつか『プレーン』の良さが見えてくるのかもしれない。


・チビチビ食べに最適

公式サイトによれば、魚の皮にはコラーゲンやゼラチンなどが豊富に含まれているのだという。カロリーは100グラムあたり670kcalと一般的なポテチより高めだが……心配ご無用。

なぜならクリスピーフィッシュスキンは2〜3枚も食べれば口いっぱいに魚の味が染みつき、よほどの魚の皮好きでなければ大量には食べられないのだ。ある意味ダイエット向きとも言えるこの商品、保存に便利なチャック付き。 “魚の皮食べる派” なら一度は試しておきたい。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.