ほーん、なんか良さげな大和(戦艦)のペーパークラフトついてきて1150円とか面白そうやん。今週末はちょうど暇だし、買って作ったろ。

通りがかった本屋で見かけて、そんな感じの軽いノリで買ったのだが、実態はとんでもない化け物だった。マジでヤバい。プラモ等の工作が好きな人には最高にお勧めできる。それが雑誌『歴史群像』の8月号。

・歴史群像

筆者も初めて買った雑誌なのであまり詳しいことは知らないのだが、雑誌の内容としては、主に歴史上の大きな戦争にフォーカスして掘り下げていく的な感じ。

ペーパークラフトに釣られて買ったものの、せっかくなので雑誌にも目を通したところ、けっこう面白い。税込み1150円という値段に対しては非常に骨太な内容だ。


読んでいて普通に雑誌として面白く、知的好奇心がイイ感じに満たされる。個人的に特に面白かったのは佐世保要塞と満鉄「あじあ」号の特集。知った上で佐世保観光したら面白さが増しそう。


・秒殺

それはともかく、やはり注目すべきは ふろく の戦艦「大和」のペーパークラフトだ。


軽いノリで買ったが、実はペーパークラフトというものを作った経験が皆無な筆者。とはいえ、いちおう趣味でガンプラを作ったり、ジャンクカメラを修理したりしているため、人並みに器用な自覚はある。

ペーパークラフト? やったことないけど、どうせ紙のプラモみたいなもんっしょ? 余裕余裕。普通にハサミと糊くらい家にあるし、一晩で作ってやんよ!!


数秒後

はい絶対無理ィィイイイイイイイ!!


すみませんマジでナメてました。冊子を開いてすぐに秒殺。そもそもパーツのサイズが、その辺のハサミで切るには小さすぎるという。確かに「超精密」とは書いてあったが、セールス文句的なハッタリだとばかり。マジで超精密すぎんだろ……ッ!!

ペーパークラフト向けのちゃんとした道具が無いと、歯が立たない感がヤバい。100均で買ったスティック糊を使うつもりだったが、それも無謀すぎた。速乾で強力なものがマストな感じ。


・リベンジ

こんな感じで秒殺されたため、いったん最寄りの東急ハンズに撤退。フル装備でリベンジすることに。もしこの記事を読んで、筆者同様に初めてペーパークラフトをやってみようという方がいたら参考にしてほしい。


OLFA等のよく切れて先が細いアートナイフ、速乾の木工用ボンド、カッティングマット、出来ればすべり止めがついている金属製の定規は絶対に欲しいところ。筆者は家にあったので買わなかったが、細くて長いピンセットも必須だ。あとはつま楊枝(ボンドを塗るのに使う)など。

カッターナイフでもできなくはないと思うが、100均やコンビニにあるようなカッターナイフだと刃先がカチャついてズレたり、本体が無駄にデカくて視界が遮られたりしてストレスがある。多少高くともアートナイフを買うべきだと思う。

こうして、何だかんだで作り始めたのは夜の11時ごろ。


そこから徹夜で作り続けて……


迎えた午前5時。完全に大和と朝チュンしてしまったが、その成果がこちら。


全然進んでねぇ……


・ボリュームがヤバい

ところで、このペーパークラフトは、説明書的には全部で18行程ある。


そして、丸々一晩徹夜して到達できたのは、まさかの2行程目……ッ!


特に難しい工程かというとそんなことは無く、むしろ最もイージーだと思われる。この先には明らかに複雑な艦橋部分や、見るからに大変そうな12基の高角砲が待ち構えているのだ。戦車のプラモのキャタピラを作る工程、あるいはνガンダムのファンネルに通じるプレッシャーを感じる。


ガンプラ換算するなら、その辺のMG(マスターグレード)どころではない。素組みでEx-Sガンダム5体分くらいはありそうな気配。筆者のようなペーパークラフト初心者なら、30時間はかかるのではなかろうか。

毎日が日曜日ならともかく、週に1日だけ家にこもって暇な空き時間を製作にあてるようなスタイルの場合、1ヵ月以上は見積もっておきたい。

あらためて言うが、税込み1150円の雑誌のふろくってレベルじゃねぇぞオイ!! 本当であれば完成させたところで紹介したかったが、ボリュームが想定をはるかに超えて化け物じみていたため、今回は序盤までしかお見せできないのは許していただきたい。

作り応えは半端なく、クオリティが高いため出来上がっていく様を見るのは楽しい。完成は恐らく9月ごろになると思うが、この後も少しずつ作っていくつもりだ。工作が好きな方は、是非ともゲットして夏休みを製作に費やしてみてはいかがだろう。なかなかにお勧めだ。

執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.